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ソフトバンク、太陽光・風力ハイブリッド基地局 AI制御で省電力化

ソフトバンクは、電力を「作る」と「使う」の両面から環境負荷の低減に取り組むため、「太陽光・風力の再生可能エネルギーによる自家発電型基地局の実証」と、「AIを活用した基地局のスリープ(Cell Sleep)を動的に制御するシステムの開発・導入」の取り組みを開始した。

太陽光と風力による再エネ自家発電型基地局の実証を、千葉県市原市で開始。稼働に必要な電力の一部(約3分の1)を自家発電で賄うことで、CO2の排出量を削減する。また、停電時には一定時間自立稼働が可能なため、災害時の通信確保などにも貢献。災害時などの活用を想定し、2026年度以降に一部地域への拡大を検討していく。開発協力はレンドリース・ジャパン。

基地局は太陽光と風力によるハイブリッド対応で、蓄電残量が規定値を下回ると自動的に商用電源に切り替わる。蓄電池を備えることから停電時にも自立稼働が可能で、太陽光と風力による充電も可能なことから、高いレジリエンスを実現する。

風力発電は、レンズ状のカバー(ディフューザー)を装備した3kWの小型風車で行なう。小型であることから、離島や山間部など風況が不安定な地域でも運用できる。この風車は、風を効率的に集めて加速可能で、3m/sの低風速でも高い発電効率を発揮し、一般的な風車と比べて約2~3倍の発電効率があるという。

AIを活用した基地局のスリープ制御は、通信トラフィックが少ない時間帯に一部のセルを自動でスリープ(低消費電力状態)へ移行させ、通信品質を維持しながら消費電力の削減を実現するもの。

基地局のスリープ制御は、対象となるセルのトラフィックが他の周辺基地局でカバーされ、かつそれらの周辺基地局の輻輳(ふくそう)が発生しないことを前提に行なう必要がある。これまでは、スリープ時にも安定したサービスエリアを維持するために、周辺基地局が同じ建物にあり、アンテナの方向も同じという条件を設けて対象セルを判定していたが、AIの分析により、通信品質を維持しながら対象セルを拡大することが可能になった。この機能により、スリープ対象セルを約14,000セルから約24,000セルに拡大できる見込み。

また、これまでは、全ての基地局に対してトラフィックやスループットなどに関する一律の閾値を設定し、スリープ可否を判断していたが、AIにより基地局ごとに最適化した閾値の動的な自動設定が可能。これにより、各基地局の処理能力や周辺基地局の数などに応じて柔軟な閾値を設定でき、1局当たりのスリープ時間が約1.4倍に拡大する見込み。自動化により状況に応じて最適化された閾値を容易に設定可能になる。

ソフトバンクでは、このシステムの活用により年間で約500万kWの消費電力削減を見込んでいる。