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国際都市東京へ「グレーター品川」誕生 JR東日本の高輪・大井町開発

JR東日本グループは、浜松町駅から大井町駅間の東京南エリアを「広域品川圏(Greater Shinagawa)」と位置づけ、エリア一体で国際都市東京の新たな魅力・価値向上を目指す、都市エリア戦略を開始する。26年3月28日の「TAKANAWA GATEWAY CITY」グランドオープンと大井町の「OIMACHI TRACKS」まちびらきにより、本格展開がはじまる。

「広域品川圏」は、各駅の開発を点ではなく、エリアとして一体で捉え、2030年代半ばまでに、JR東日本グループ保有ビルの床面積約150万m2、営業収益約1,000億円超/年の事業展開を目標とする。

東京南エリアは、羽田空港の国際化やリニア中央新幹線の整備、羽田アクセス線(仮称)・東山手ルートの開通など、さらなる交通基盤の進化が計画されており、「国際都市東京のグローバルビジネスゲートウェイ」としての役割が大きくなる見込み。このエリアを「広域品川圏」と命名し、パートナーとともに「えきまち一体開発」を連鎖的に推進していく。

都市戦略では、各駅と街をつなぐモビリティ(鉄道、オンデマンド交通、水運、空飛ぶクルマ)のほか、「Suica」を「えきまち」と顧客をつなぐプラットフォームとして整備。Suicaを鉄道等の移動・決済機能だけでなく、マイナンバーカード連携や生体認証等によりセキュリティーゲート適用範囲を拡大し、移動データ等を活用した生活の利便性に繋がるリコメンド機能やチケッティングサービスの拡充を図り、「Suica ID番号」があれば、シームレスな移動・生活ができる社会の実装を目指す。

こうしたLX(ライフスタイルトランスフォーメーション)の実現も品川広域圏の目標の一つとなる。

そのため、26年春には、高輪ゲートウェイ駅、大井町駅にてウォークスルー改札の通路を設置。27年春には広域品川圏5駅でウォークスルー改札の実証実験を行なう。28年度には、広域品川圏エリア内で、鉄道とサービス(コーヒー、STATION BOOTH等)を一体で利用できるサブスク商品を展開予定としている。

オフィスやモビリティなど移動に係る提案だけでなく、国際競争力強化にむけた「上質なナイトタイムエコノミーエリア」の形成も目標のひとつ。そのため、ナイトクルーズやナイトライフ施設、歌舞伎をモチーフとした東京ならではの「和」、「アニメ/ポップカルチャー」体験なども用意する。

また、広域品川圏において、合計約5万m2(東京ドーム1個分)を超える広場空間を創出。OIMACHI TRACKS、TAKANAWA GATEWAY CITY、WATERS takeshibaなどの広場スペースを生かしたイベントを予定しており、都市型文化フェス「Tokyo culture week(仮称)」、「水辺空間を光で彩る“stella week(仮称)」などを実施する。

鉄道以外にも水上バスや、EV船、水素バス、空飛ぶクルマなど多様なモビリティ展開も図っていく。

TAKANAWA GATEWAY CITYはグランドオープン

また「TAKANAWA GATEWAY CITY」は26年3月にグランドオープン。泉岳寺駅に直結する大規模複合棟「THE LINKPILLAR 2」は、オフィス空間のほか、「メディカル」と「ウェルネス」のキーワードで健康をデザインする場として展開する。

TAKANAWA GATEWAY CITY。左からTHE LINKPILLAR 1 NORTH/SOUTH、26年春に開業するTHE LINKPILLAR 2(25年3月撮影)

低層部商業エリア「NEWoMan TAKANAWA MIMURE」には、8,000m2の一体空間に11のラボラトリー(飲食店舗)が参加し、身体と心を整える食体験を届けるという。

ミュージアム「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」もオープン。総合プロデューサーには、放送作家・京都芸術大学副学長の小山薫堂氏が就任する。

また、847戸の高級賃貸マンションとなる「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」も26年4月から入居を開始。低層部には東京インターナショナルスクールが26年8月に新校舎を開校する。

10月21日には THE LINKPILLAR 1 SOUTH 9階にプラネタリーヘルスをテーマに据え、学際的な研究室が集う「東京大学 GATEWAY Campus」が開設する。

TAKANAWA GATEWAY CITYは、25年4月に一部開業、9月にはニュウマン高輪がオープンしたが、26年3月28日に「グランドオープン」となる。

さらに同じ26年3月28日には東京・大井町の「OIMACHI TRACKS」がまちびらき。品川区新庁舎に連なる大井町駅周辺の大規模開発となり、新たな人の流れを生みだす。OIMACHI TRACKSについては別記事で紹介する。

OIMACHI TRACKS