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先進オフィスをサブスク? KDDI、通信・ロボなど「テクノロジー起点の空間づくり」支援

KDDIは、通信やロボットなどを起点にした空間づくりを支援する「KDDI Smart Space Design」の提供を開始した。日本だけでなく東南アジアを中心に海外でも展開する。すでに200億円弱を売り上げる事業で、ソリューションとして本格展開することで2028年度に売上800億円を目指す。

オフィスのリニューアルや移転、ビルの新築といったタイミングで、従来は後回しにされがちだった通信設備やロボットの活用、その導線確保、AIによるデータ活用などができるよう、「テクノロジーを起点とした空間づくり」を支援する取り組み。対象はオフィスだけでなく倉庫や工場、商業施設、スタジアムなどにも及び、幅広く対応していく。すでに複合施設から引き合いもあるという。

コンセプトの策定から設計、施工、保守・運用までKDDIが一貫してマネジメントすることで、施工段階での再設計・再工事のリスクを減らす体制。「KDDI Smart Space Design」のスタート時には58のパートナー企業が参加し、各工程で連携していく。パートナー企業は今後も拡大される。ビルを新築する場合は、ゼネコンとも連携し設計を支援していく。

KDDIが一気通貫で支援
各工程でパートナーと連携
パートナー58社

省人化や効率化が期待されるロボットの導入については、ゲートや自動ドアの管理、通信設備、導線管理など、必要な項目が多岐にわたることから、ビル新築時などにおいて「KDDI Smart Space Design」による支援で大きな効果を見込む。

7月から稼働しているKDDIの新本社では、ロボットがゲートを越えてさまざまに移動できるなど、これらの取り組みが先行して導入されており、導入を検討する企業には見学・体感ツアーも提供する。

KDDI高輪本社が入るTAKANAWA GATEWAY CITY「THE LINKPILLAR 1 NORTH」
6階のKDDI入館メインゲート。ロボットも通過できる

KDDIでは将来の展望として、こうしたテクノロジーを組み込んだオフィス空間をKDDIが保有し、月額プランで提供するサービスも検討している。標準化したものを組み合わせることで高品質と低価格を実現し、オフィス什器の廃棄ロス削減にも貢献するとしている。

将来の展望として月額プランサービス化も検討

企業の総務部門など、オフィスのリニューアルや移転などを検討する人を主な対象として、新たなオフィスレイアウトのイメージを作成し予算も概算で提示するツールも用意する。2026年をめどに、Webサイト上で無料で提供する方針。

利用の対象は総務スタッフなど、設計やデザインが専門ではない人で、広さや利用人数、コンセプトなどを入力するだけで自動生成AIがオフィスレイアウトを複数パターンで提案する。従来は見積もりの依頼として1カ月はかかっていたという内容が、約15分で完了するという。1級建築士が開発に参加し、特許出願中。

現在は、社内の会議で提案しやすくしたりイメージを掴みやすくしたりするツールという位置づけだが、今後は実際の設計時に活用できるデータになるよう精度を高めていく。