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東京都が公開する「東京暑さマップ」の狙い 都内の暑さをピンポイント表示

日本気象協会は東京都と連携し、1kmメッシュで都内全域の暑さ指数(WBGT)を確認できる「東京暑さマップ」を公開し、記者会見を行なった。

東京都内の今の「暑さ指数」が1kmメッシュのピンポイントで分かるのが特徴。機能は大きくわけて2つで、1時間毎48時間先までの暑さ予測機能と、7日先までその日の最も高い暑さ指数を表示する機能で、6時間毎に更新される。

ここで言う「暑さ指数」とは、環境省が発表している暑さ指数(WBGT)に、日本気象協会が独自の観測データを加えた、WBGTの近似値。環境省のWBGTの実測拠点は全国47都道府県毎に各1地点だが、東京暑さマップでは、日本気象協会による1kmメッシュでの観測データを加えて、より詳細な暑さ指数を参照できるようになっている。

東京暑さマップにおけるWBGT近似値の凡例は、21未満の「ほぼ安全」から35以上の「災害級の危険」までの7段階で色分けされ、都内全域の暑さ指数を1km間隔で表示する。都内の区市町村単位での表示にも対応し、島嶼部もすべてカバーしている。また、熱中症特別警戒アラート発表に備えて、熱中症予防のために提供される休憩場所である「クーリングシェルター」の場所も地図上に表示できる。

凡例は7段階
クーリングシェルターの場所も表示

東京都は今回の取り組みについて、「これまでも暑さ指数は提供していたが、より細かい情報発信が必要だと考えたため」としており、「出かける前に東京暑さマップで暑さの傾向を確認して、日傘や帽子などの熱中症対策グッズを活用してほしい」とコメントしている。

なお、他の地域との連携については現時点では検討されていないが、「出かける際には当然他の地域のことも気になる。今後も日本気象協会と連携しながらいろいろとできることを考えていきたい」とした。

夏の3カ月予報も発表

記者会見では、日本気象協会が24日に発表した7月~9月の3カ月予報も発表された。それによると、7月は気温が平年より高い可能性が極めて高いほか、8月~9月についても気温は平年より高い予想。日本気象協会では、過去10年間の平均値との比較で予想気温を発表しているが、今年は7月が平年より特に暑くなる傾向にある。

ただ、記録的な猛暑となった2024年と比較すると全体的にやや気温は低めの見通しで、特に9月は昨年と比べてより気温は低く、過去の平均値に近い気温になる見込み。

この先の降水量については、7月は少なく、例年より早い梅雨明けを予測。8月~9月は台風の影響などで降水量は平年より多く、特に8月は蒸し暑くなるという。なお既に梅雨明けしている沖縄や奄美を除く本州全域で、梅雨明けは7月上旬頃の可能性が高いという。