ニュース

日本発で有人宇宙往還機を目指す「アスカ-ワン」プロジェクト

再使用型ロケット「ASCA-1」

宇宙往還を可能とする輸送システムの実現を目指すスタートアップ「将来宇宙輸送システム(ISC)」は、再使用型ロケットを開発する「ASCA-1(アスカ-ワン)プロジェクト」を始動。米国法人「Sirius Technologies」を設立し、米国企業との協業を開始した。

ISCは、宇宙往還を可能とする輸送システム実現の第一歩として、再使用型ロケットによる人工衛星打ち上げサービスの提供を目指している。既に文部科学省SBIRフェーズ3事業「民間ロケットの開発・実証」の採択を受け、2028年3月までの人工衛星打上げ実証に向けた研究開発に取り組んでいる。

今回、このプロジェクトを通じて開発する再使用型ロケットの名称を「ASCA-1」と名付け、段階的に有人宇宙飛行に挑戦する開発ロードマップを策定。ASCA-1シリーズでは100kg級の人工衛星打ち上げサービスを2028年頃までに実現。2028年以降には有人宇宙輸送を可能にするASCA-2シリーズを開発。2040年までに、高頻度・大量・安価な利用が可能な単段式往還型宇宙輸送システム(SSTO)「ASCA-3」の開発を目指す。

ASCA-3
開発ロードマップ

協業するのは、米国のロケットエンジン開発企業「Ursa Major Technologies(UM)。共同で再使用型ロケットを開発する。ロケット技術には厳しい輸出規制ルールが課せられているが、可能な範囲の連携を模索していく。再使用型ロケットの開発に向け、日米ロケット開発ベンチャー同士が連携する試みは、日本初という。