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SpaceXがスカパーJSATの衛星打ち上げ。大型ロケット「Starship」

Starship

スカパーJSATは、通信衛星「Superbird-9」の打ち上げをSpaceXの大型ロケット「Starship」で行なうことを発表した。衛星の運用開始は2025年を予定。

Superbird-9は、Airbusが開発した通信衛星で、現在高度36,000kmで運用中のSuperbird-C2の後継となるもの。スカパーJSATは2021年3月にその調達契約を締結している。

フルデジタル化された通信ペイロードを搭載するのが特徴。従来の通信衛星は、打ち上げ前にビームの照射方向が固定されているため、設定した範囲への通信しかできないが、Superbird-9では、ビームフォーミングによって打ち上げ後に軌道上でいつでも通信エリアを変更できる。

また、デジタルチャネライザーを併用することで、一つのビームで広いエリアをカバーする「デジタルワイドビーム」と、別の狭い範囲でより高速な通信を行なえる「HTS」を同時に運用することも可能で、通信範囲をより自由に設定できるようになる。主要なカバーエリアは日本を含む東アジアで、衛星の寿命は15年。

Starshipは、SpaceXが開発中の完全に再利用可能な大型ロケット。「Super Heavy」と呼ばれる第1段ブースターと、Starshipと呼ばれる第2段で構成され、いずれも利用後は地上に着陸して再利用が可能。地球の衛星軌道上に100tの貨物を運ぶことができる。2023年にはZOZO創業者の前澤友作氏がStarshipに乗船し、民間人として初めて1週間の月の周回旅行を行なう予定。

Super Heavyと接続されたStarship