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トヨタ、26年にBEV10モデル150万台 航続距離2倍の次世代BEVも

トヨタは、4月1日からスタートした、新体制による方針説明会を開催した。その中で、BEVについて、2026年までに10のモデルを新投入し、年間150万台の販売を目指すことを明らかにした。航続距離2倍を謳う次世代モデルも同年に投入する。

新社長に就任した佐藤恒治氏は、新体制のテーマを「継承と進化」と定義。「新体制においても、マスタードライバーであり、“モリゾウ”である会長の豊田章男氏とともに、もっといいクルマを追求することが、『商品で経営する』クルマ屋トヨタの一丁目一番地」とし、引き続き前社長の方針を継続しつつ、ブレない軸を明確にして未来に向かうという方針を示した。

トヨタは従来から、BEVやPHEV、ガソリンなど、多様なパワートレーンを投入する国々の事情に合わせて選択できるフルラインナップで展開するとしており、こうした「マルチパスウェイ」の軸はぶらさないことを再度明言した。

そのうえで、BEVへの取り組みへの強化に取り組み、2026年までに10モデルを投入。年間150万台の販売を目指す。また、従来とは全く異なる「次世代バッテリーEV」も26年に投入。電池を極限まで効率良く使い、航続距離は2倍、心揺さぶる走りとデザインを兼ね備えたモデルになるという。

BEV専任組織も設置。全権を持ったワンリーダーの下、開発、生産、事業全ての機能をもつオールインワンチームとする。

PHEV(プラグインハイブリッド)については、電池効率を上げ、EV航続距離を200km以上に伸ばすことで「プラクティカルなバッテリーEV」と再定義。開発により注力する。

FCEV(燃料電池車)については、商用車を軸に量産化に挑む。FCEVは燃料となる水素の重量が軽いため、航続距離が増えてもBEVと比較してそれほど重くならず、スペースもとらないというメリットがある。燃料の充填時間も短く、そうした利点を活かせる中型・大型トラックのような商用車から量産化を行なう。大型商用車向け水素エンジンの基礎研究も昨年から開始している。

トヨタは、初代プリウスの登場以来、累計で2,250万台の電動車を投入し、バッテリーEV約750万台に相当するCO2削減を達成したという。また、電動車販売のリード役となったハイブリッドシステムの原価は、現在では当初の1/6にまで低下し、ガソリン車と遜色がない利益が出せるようになった。

海外では、米国で2025年に3列SUVの現地生産を開始、中国ではbZ4Xと先月発表したbZ3に加え、現地のニーズにあわせた現地開発のバッテリーEVを、2024年に2モデル投入する。先進国では今後も電動車へシフトする動きが続くが、アジアをはじめとした新興国でもBEV需要は伸びつつある。そうした場所では年内にバッテリーEVピックアップトラックの現地生産を開始するほか、小型BEVモデルも投入していく。また、新興国では新規や増車による市場拡大も見込まれ、そうした成長市場には収益力の上がったハイブリッドで対応し、稼ぐ源泉とする。