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KDDI、災害用基地局をスターリンクで高速・小型に

スターリンクをバックホール回線として使う車載型基地局(左)と可搬型基地局(右)

KDDIとKDDIエンジニアリングは、衛星インターネットの「Starlink」(スターリンク)を活用し小型・軽量化した車載基地局と可搬型基地局を開発、2023年春以降、全国で順次導入する。

新たに公開された車載型基地局と可搬型基地局は、バックホール回線(KDDIの基幹通信網と基地局をつなぐ回線)にスターリンクを採用。低軌道衛星を使うスターリンクの通信により、従来の衛星通信と比較して高速・低遅延な通信が可能になっている。

またKDDIが使用するスターリンクの衛星通信機材は、従来の衛星通信機材と比較して大きさが約2/5、重さは約1/7となり、持ち運びや設置が容易でエリア復旧時間を短縮。災害現場に運搬する際の人員も低減できるとしている。

従来型の可搬型基地局や衛星通信機材

車載・可搬型基地局は、地震や台風などの自然災害により通信の圏外地域が発生した場合、現地近くに持ち込んで展開し、臨時で通信エリアを復旧させる設備。近年の自然災害は激甚化や長期化するケースも増えており、災害発生時の情報取得・発信の重要性もより高まり、被災地域におけるデータ通信は高速化や低遅延化がさらに求められている。

KDDIはスターリンクをバックホール回線に使用する取り組みについて、スターリンクを開発・提供するSpaceXと契約を締結しており、日本国内のゲートウェイ局(地上局/地球局)の構築も共同で行なっている。