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住みたい街1位は新施設続々の横浜。大宮・新宿・所沢も注目

リクルートは、首都圏に居住している人を対象としたアンケートによる「SUUMO住みたい街ランキング2023 首都圏版」を発表した。1位が横浜、2位が吉祥寺、3位が大宮で、1位は6年連続、2位と3位はそれぞれ2年連続同じ結果となった。そのほか、新宿が得点ジャンプアップで1位、所沢が初のトップ30入りを果たした。

アンケートの対象は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県在住の20歳~49歳の男女で、1位、2位、3位の3つの駅を選択する内容。1位3点、2位2点、3位1点を加点し、合計点で順位付けしている。

住みたい街ランキングについて説明するSUUMO編集長 池本洋一氏

買う・遊ぶ・働くを叶える施設開発が進む横浜

横浜については、近隣の桜木町(20位)やみなとみらい(26位)が過去最高得点となるなど、ゾーン一帯が住みたい街の代表格になっているという。また、横浜駅から新高島駅、みなとみらい駅にかけて、企業本社や研究施設等の移転・新設が進んでいることから、「買う」「遊ぶ」に加え「働く」も叶う街になったことが要因としている。

「買う」に関しては、'20年6月に開業した「JR横浜タワー」と「JR横浜鶴屋町ビル」、'21年3月にリニューアルした横浜高島屋の日本最大級デパ地下、'22年12月にリニューアル開業した横浜赤レンガ倉庫が人気に貢献。今後は'23年秋に「イオンモール横浜西口」、'24年に43階建ての「THE YOKOHMA FRONT」が開業する。

「遊ぶ」に関しては、'22年3月に首都圏初のLEDドームシステムの「コニカミノルタ プラネタリア YOKOHAMA」、入場無料のデジタル体験施設「LG YOKOHAMA YUMESAKI GALLERY」、同年9月に「横浜マリンタワー」が開業した。'23年9月には2万席規模のアリーナ「Kアリーナ横浜」および「ヒルトン横浜」が開業する。

大宮は全体3位、20代・30代で2位。一方浦和は?

次にSUUMOが注目しているのは大宮。得点は過去最高で、20代・30代ランキングでは吉祥寺を抑えて初の2位となっている。

大宮に住みたい理由として、「買う」「遊ぶ」を叶える商業施設や文化娯楽施設の充実や、今後の街の発展への期待、大宮台地という地盤の上であることから災害が少ないなどが挙げられている。

代表的な商業施設はエキュート、ルミネで、東京にしかなかった店の出店も進んでいる。また、大宮南エリアには、コクーンシティやさいたまスーパーアリーナ(最寄りはさいたま新都心駅)のほか、大宮区役所および図書館などがあり、「遊ぶ」「買う」「学ぶ」が揃うという。そのほか、南エリアから大宮公園・氷川神社へと続く氷川参道や一の宮通りは、個性的な店が並ぶ人気スポットとなっている。

東口エリアには、オシャレな店から、昔ながらのレトロな店、1人でも入りやすい店など様々なニーズに応える店が並び、この点が特に男性からの支持に繋がっているという。

大宮はこういった多彩なスポットがほぼ2km圏内にあることもメリット。さらに、上位の街の中でも家賃が割安である点で、特に20~30代から支持を得ている。

大宮を含むさいたま市は英語が全国トップの学力となっているなど、公立校のレベルの高さ、教育機関の充実が特徴。子育て層の人気が高く、14歳以下の転入超過人数が8年連続全国1位というデータもある。

一方で大宮と同じさいたま市内の浦和は5位から12位へ転落。この要因についてSUUMOでは、浦和駅西口の駅前で再開発が進められており、一時的に街の賑わいが休止していることが影響しているものと見る。なお、大宮は埼玉県外など超広域からの投票が多く、浦和はさいたま市の地元投票が多いという。

新宿ではタワマンやエンタメ複合施設の開発が進行

得点ジャンプアップは、1位が新宿、2位が神楽坂、3位が豊洲、4位が越谷レイクタウン、5位が表参道。新宿についてはコロナ禍からの復調が見られるほか、シングル男性からの人気が高いという。

コロナ禍からの復調に関して、SUUMOではバスタ新宿の利用者数や駅の乗降者数に注目。バスタ新宿はコロナ前までは戻っていないものの、発着便数は約8割、利用者数は約6割戻っている。駅の乗降客数は、2021年度のJR東日本のデータから、新宿駅以外も前年比で増加している駅が多いが、その中でも新宿駅が最も向上している。

高速バスは低料金で利用できることから若年層の利用が多く、バスタ新宿利用者が増えることで新宿基点の考え方が浸透・再認識へと繋がり、同時に若年層需要がNEWoMan新宿やFlagsといった南口方面に移行しているという。

それ以外にも新宿エリアでは西新宿に変化があり、2月に「シティタワー新宿」が完成、4月上旬に「パークタワー西新宿」の販売が開始されるなど、タワーマンション開発が進んでいる。あわせて、新宿中央公園のリニューアル、飲食店の出店加速などが復調の象徴として挙げられている。

西新宿以外でも、'22年10月に全17店舗のエンタメ系飲食街「龍乃都飲食街~新宿東口横丁」が開業しており、今後は'23年4月に「東急歌舞伎町タワー」(歌舞伎町)、「シアターマーキュリー新宿」(新宿マルイ本館8階)が開業する。そのほかアニメ、音楽、エンタメなどの充実が、男性およびシングルの支持を集める要因としている。

子育て世帯に人気の流山おおたかの森・開発進み家賃も安い所沢

1位の横浜が神奈川県、2位の吉祥寺が東京都、3位の大宮が埼玉県だが、千葉県のトップは16位の流山おおたかの森。船橋を抜いて、初の千葉県1位となった。

流山市の人口増加率は市区部で全国トップ。駅周辺を中心に子育て層が暮らしやすい都市計画が進められているという。調査でも「子育て・教育環境」が極めて高い評価となっており、そのほか「街の発展」「買い物環境」「街の整然さ」も住みたい理由として多く挙げられている。

SUUMOでは初のトップ30入りを果たした所沢にも注目。都心から30km圏のターミナル駅の中でも所沢の家賃は安く、加えてコストパフォーマンスがよい便利な店・飲食店があることが支持に繋がっているという。

また周辺では、「西武園ゆうえんち」リニューアル、所沢市との共同プロジェクト「COOL JAPAN FOREST構想」の中核施設となるカルチャースポット「ところざわサクラタウン」、駅直結の商業施設「グランエミオ所沢」など、「今後、街が発展しそう」という点も得票に寄与。'24年秋には所沢駅西口に、敷地面積約34,000m2、約150店舗の大型商業施設が開業する。

発表会では、タレントの菊地亜美さんとお笑い芸人のぺこぱが登壇。思い出のある街の1つとして、ともに渋谷(住みたい街ランキングでは9位)を挙げた。

菊地亜美さんは「高校2年生の時に北海道から上京して目黒の学校に通っていたんですが、渋谷に行ける喜びで1回もホームシックにならなかった。スカウトされたくて毎日渋谷に行っていました」、ぺこぱの松陰寺さんは「ぺこぱが初めて出会ったのはアルバイト先の居酒屋で、当時のシュウペイは雑誌でしか見たことないようなホンモノのギャル男だった」と、それぞれ笑いを交えつつ思い出を語った。