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最大15%還元も SMBCの新金融サービス「Olive」のポイント施策

SMBCグループが個人向けの総合金融サービス「Olive(オリーブ)」を3月1日から開始する。三井住友フィナンシャルグループと三井住友銀行、三井住友カードのSMBCグループ各社とSBI証券が連携し、銀行・決済・証券を一体化したサービスとして、アプリからシームレスに金融サービスが利用できるようになる。

銀行や証券、カードなどの垣根を超えた新たな取組で、今後、三井住友銀行の新規口座開設は「Olive」が基本となるなど、その本気が伝わってくる。同時に最大15%という異例のポイント還元を行なう点も注目だ。

Oliveのカード・ポイントに注目

Oliveの構成要件は以下の5つ。5つの取引の全てに申込むと、各種特典が提供されるパッケージサービスとなっている。

  • 残高別金利型普通預金または普通預金
  • SMBCダイレクト
  • Web通帳
  • SMBC ID
  • Oliveフレキシブルペイ

Oliveの詳細は別記事を参照してほしいが、注目したいのは「カード」の部分、そして「ポイント」だ。

「両A面」と呼ぶカードの券面は、署名欄や支店番号、口座番号などの情報を記載しない「マルチナンバーレス」デザインを採用。口座番号は三井住友銀行アプリから、カード番号は三井住友銀行とVpassアプリから確認できる。

さらに、クレジットカード、デビットカード、ポイント払い(プリペイドカード)の各機能をアプリで切り替えできる世界初の「フレキシブルペイ」に対応。カードは、三井住友銀行の「キャッシュカード」として利用できる。クレジット/デビット/プリペイドの機能をアプリで切り替えできるのは世界初で、この機能はVisaと共同開発となっている。

フレキシブルペイに対応

また、Visaカードということで、当然「Visaのタッチ決済」にも対応している。さらに、Apple PayやGoogle Payにも対応し、三井住友銀行アプリやVpassアプリで選択した支払いモードで、Apple Pay/Google Payで支払いできる。

なお、「iD」にも対応してているが、デビットカードとしての利用のみとなる。これは、Oliveフレキシブルペイがデビットをベースとしたカードで仕様上の都合によるものとしている。こうしたカードの詳細な注意事項については3月1日にホームページで公開予定。

Oliveのカード券種は、一般、ゴールド、プラチナプリファードの3つのプランが用意される。銀行のキャッシュカードは基本的には無料だが、クレジットカードの付帯特典も多数用意されているため、より上位のプランが選べるようになる。

年会費は一般が無料、ゴールドが年間5,500円、プラチナプリファードが33,000円。継続特典としてゴールドは年100万円利用で10,000ポイント、プラチナプリファードは年400万円利用で40,000ポイントを付与する。

Olive一般、ゴールドカード
Oliveプラチナプリファードカード

最大15%のVポイント還元も

Oliveカードで注目したいのはポイント還元だ。最大15%(プラチナプリファードは16%)までの高還元が行なわれる。

ポイントはVポイントで、基本ポイントは一般とゴールドが0.5%、プラチナプリファードが1%だ。さらに、コンビニ・飲食店限定の5%還元も行なっており、これはセブン-イレブンやローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、ガスト、バーミヤン、すき家などでタッチ決済すると基本の0.5%/1%にプラスされ、5%還元になる(対象店舗)。

加えて「家族ポイント」に登録し、上記の店舗で使うと、家族1人あたり1%増加し、最大5人まで登録できるため、5%+5%で最大10%還元となる。家族が5人以上いないと10%達成は不可能だが、条件を満たす人であれば相当な高還元カードといえる。

ただし、ここまでは既存の三井住友カード(NL)とほぼ同じ。OliveではさらにSMBCグループの各サービスとの連携でポイントアップする。

一般・ゴールドカードの場合、三井住友銀行アプリもしくはVpassアプリに月1回以上ログインすると+1%、Oliveの選べる特典で「Vポイントアッププログラム」を選択すると+1%、三井住友銀行で住宅ローン残高があると+1%、SBI証券口座を保有し、SBI証券Vポイントサービスに登録の上、対象の取引を実施すると最大+2%。合計すると5%なので10%+5%で最大15%還元となる。なお、プラチナプリファードでVポイントアッププログラムを選ぶと+2%なので16%還元となる。

SBI証券の条件としては、「当月の投資信託の買付が1回以上」で+0.5%、「当月の国内株式または米国株式の取引が1回以上」で+0.5%、「当月末のNISAつみたてNISA口座の保有資産評価額が30万円以上」で1%だ。

家族カードや住宅ローンなど15%達成のハードルは高く、また、細かく見るとコンビニでの5%還元はデビットカードが対象外になるなどの条件はある。ただし、このプログラムは時期を限定したキャンペーンではなく、Oliveの基本施策となっているので、ある程度は長期的に展開されると思われる。

Oliveのポイント施策は、とにかくSMBCグループのサービスを連携させ、しっかり使ってもらう仕組みになっている。一方、Vポイント自体は、Visaの加盟店の多くで使えるオープンな共通ポイントとしての使いやすさがある。

Oliveを利用できるのは三井住友銀行の口座を持つ個人の利用者。既存の口座開設者も3月以降に参加可能となる。