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飲食店検索トップは「Google」 グルメサイト離れが加速

飲食店向けの予約・顧客管理システムを開発するTableCheckは、20~60代の全国の男女1,100名と、20~50代の飲食店に勤務する全国の男女550名を対象に、「グルメサイトに関する意識調査」を実施した。

同社が毎年実施している調査で、今回は3回目。調査によると、ユーザーが飲食店検索に利用するツールについての質問では、検索、マップなどを含むGoogleの利用が急増。調査開始以来初めてトップになった。Googleは、コロナ禍で検索や予約など飲食店に関連する機能を充実させた結果、ユーザーが一気にシフトしたためとみられ、グルメサイト離れが加速しているという。

グルメサイトの信頼度についての設問では、「あまり信頼していない」「まったく信頼していない」を合わせた層が30.4%になり、2年前の約1.2倍となった。グルメサイトの利用頻度を尋ねた問いでは、利用頻度が減った層が増えた層を毎年上回る傾向で、その理由も「信頼できない」「好みのお店が見つからない」と、過去の調査と同様に2トップに挙げられている。

好みのお店を発見できるツールとしてもGoogleがトップ。グルメサイトも高い水準にあるが、20代のユーザー間ではSNSを利用してお店を探すケースも多く見られる。反面、予約ツールとしてはGoogle、SNSともに極めて低い水準で、予約ツールとしては依然としてグルメサイトや電話が主流になっている。

予約ツールとして利用する理由については、各ツールに感じるメリットを優先して利用する傾向が鮮明で、例えば、同じグルメサイトでも食べログは情報網羅性が高いことから「情報を比較できる」がトップになったのに対し、ホットペッパーは「ポイントが貯まる」、一休は「お得」と回答が分かれた。電話予約については、簡単であること、確認がしやすいことなど普遍的な高い支持を得ている。

食べログ敗訴は「妥当」飲食店調査で圧倒的

飲食店を対象とした調査では、食べログ敗訴判決に関しても質問がされた。

今年6月、焼肉チェーン店が食べログの評点を不当に下げられたため、売り上げが減少したとして、損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁が食べログを運営するカカクコム側に独占禁止法違反を認めて敗訴とした判決に対して妥当だと思うか、と尋ねたところ約6割が「判決は妥当」と回答。食べログ側を支持した回答者はわずか5%にとどまった。

グルメサイトにおけるユーザーの飲食店評価に対しては、飲食店側の約3割が「信用していない」と回答している。

飲食店のグルメサイト利用状況は、食べログ、ホットペッパー、ぐるなびの3大グルメサイトが強いが、利用していない飲食店も6割存在する。理由は「月額の掲載料が高い」「送客手数料が高い」とコスト面に関する回答が上位を占めている。特にコロナ禍で飲食店側のコスト意識が高まっており、グルメサイトに支払うコストが高いと考える層が2年前の1.5倍に増加した。

グルメサイト以外で利用者が増加している予約受付ツールは、公式Webサイトと「Instagram」が2年前と比較して2倍以上に増加。グルメサイト以外の有効な選択肢が増えたことから普及が促進されている。

Instagramは集客においても活用する飲食店が大幅に伸びており、食べログに迫る勢いを見せている。実際に使用して効果があったとする飲食店も同様に高い水準で、いずれも食べログ、Instagramが2トップにつけ、他のツールに大きく水をあけている。反面、ユーザーの利用率が増えたGoogleについては、飲食店ではあまり活用されていないことも明らかになった。

また、飲食店の9割はグルメサイトにネガティブな印象をもっており、「評価制度をやめてほしい」「勝手にお店の情報を掲載しないでほしい」など、効果を疑問視する声が多いという。