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グーグル、日本で検索結果の「信頼性」情報を表示開始

グーグルは、検索結果の理由を表示する機能の提供を開始した。「この結果について」(ベータ版)という名前で提供される。11月1日から段階的に日本語にて、デスクトップ、モバイル ウェブ、AndroidのGoogleアプリで順次提供される。

Googleのキーワード検索の結果において、誤情報の拡散防止を目的として、なぜそれが検索結果として表示されているのか、信頼性に関するいくつかの客観的な理由を表示する機能。ほとんどの検索結果について表示されるという。各結果の右側に表示される縦三点のドットのボタンをクリック(タップ)することで表示できる。

例えば「NFTに投資するべきか」というキーワードで検索した場合、検索結果に表示されるある投資コンサルティング会社について、どのような組織なのか、情報源を示しながら、概要を表示する。

検索結果の情報がウィキペディアに記載されている場合は、そのサイトに関する最新で検証済みかつソースが特定されている情報が表示される。ウィキペディアに記載がない場合、グーグルがそのサイトを最初にインデックス(情報を取得)した時期などの情報が表示される。

グーグルでは、特に健康情報や金融情報など重要性の高い情報を探している場合に便利に使えるとしている。

また、検索キーワードに関連して表示された結果であることや、広告でない場合は、その旨も表示される。アクセス先のサイトにHTTPSでセキュア(安全)に接続できるかどうかも表示される。今後も、日本語でいくつかの情報表示が追加される予定。

検索サービスはさまざまな理由で利用されるが、友人や家族との会話で話題になった事柄について、その内容を確認するために検索サービスで調べる、という利用シーンが一定の割合で存在している。このような場合において、検索結果に知らない組織が出している情報が表示されても、「この結果について」の表示で、組織が著名かどうかが分かり、アクセス先の情報が信頼できるかどうか、判断しやすくなる。

なお、話題としているトピックが非常に新しい場合、信頼性の高い情報がまだ見つからない、という状況も起こる。こうした場合には、検索結果の上部に「しばらくしてからもう一度ご確認ください」などと特別な案内を表示する。

信頼性に関する客観的な情報が不足している場合「しばらくしてからもう一度ご確認ください」などと表示される

誤情報の拡散を防ぐ取り組み

今回の「この結果について」という機能は、検索結果の品質や信頼性を向上させる取り組みの一環として提供される。英語版では昨年から「About this result」として提供されていた機能で、これまでに24億回の利用があったという。

信頼性の判断方法については、外部からも分かるようにガイドラインを公開しており、権威や信頼性なども加えたさまざまな要素で判断。数千億件のドキュメントデータでシステムをトレーニングし、検索結果のランキングシステムは常に改善されているとしている。またウィキペディアについては、あるページが“荒らし”にあった場合は、それを検知できるという。

グーグルは検索結果の品質の向上について継続的に取り組んでおり、スパムや詐欺サイトを排除するといった取り組みを行なってきた。一方、2022年に入ると「誤情報」を掲載するサイトやその拡散がユーザーの間でも広く問題視されるようになった。検索キーワードとのマッチだけでは、こうした誤情報の拡散を防げないことから、検索結果に表示されるリンク先サイト・組織の「信頼性」について、ユーザーに情報を提供することになった。