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アップル、AirTagの悪用対策強化へ。不審なAirTagを見つける

アップルは10日、紛失防止タグの「AirTag」の悪用対策を強化すると発表した。今後のアップデートにより、AirTagのセットアップ時にプライバシー警告を表示するほか、不要な追跡のアラートを受け取ったユーザーが、不明なAirTagを正確に見つけられる機能などを追加する。

AirTagは、持ち物につけて“自分の持ち物”を見つけやすくするために設計され、iPhone等の「探す」から持ち物を見つけたり、音を鳴らして身近の所有物を探すために使われている。一方で、人や他人の場所を追跡するなどの悪用が社会問題ともなっている。

そのため、AirTagと「探す」ネットワークにおいて、AirTag設定時の新しいプライバシーの警告やAirPodsに関するアラートの問題への対処などを行なう。

AirTag設定時の新しいプライバシーの警告

今後のアップデートで、AirTagを初めて設定するユーザーに対し、以下のメッセージを表示する。

・AirTagは自分の持ち物を追跡するためのもの
・AirTagを使って同意なしに人を追跡することは世界中の多くの地域で犯罪であること
・AirTagは被害者によって検出されるよう設計されていること
・法執行機関はAirTagの所有者に関する情報の特定を要請できること

AirPodsに関するアラートの問題への対処

AirPods利用時に「不明な持ち物が検出されました」というアラートを受け取るとという問題があるため、ユーザーが受け取るアラートを「不明な持ち物」ではなく、AirPodsがユーザーと共に移動していることを示す内容にアップデートする(AirPods第3世代、AirPods Pro、AirPods MaX)。

今年後半には、不明なAirTagを正確に見つけられる「正確な場所を見つける」や「AirTagの音の調整」も導入する。

正確な場所を見つける

不要な追跡のアラートを受け取ったユーザーが、不明なAirTagを正確に見つけられる機能。

iPhone 11、iPhone 12、iPhone 13のユーザーは、「正確な場所を見つける」を使って、範囲内にある場合に不明なAirTagまでの距離と方向を確認できるようになる。iPhoneユーザーが移動するのに合わせ、「正確な場所を見つける」機能がカメラやARKit、加速度センサー、ジャイロスコープからの情報を組み合わせ、聴覚的、触覚的、視覚的なフィードバックでユーザーをAirTagへ導く。

音を鳴らしてアラートを表示

AirTagがその場所の近くにいる人に警告するために自動的に音を鳴らし、ユーザーのiPhone、iPad、iPod touchと一緒に移動していることが検出された場合、ユーザーのデバイスにもアラートを表示して、音を鳴らしたり、使用可能な場合は「正確な場所を見つける」機能を使うといった行動を起こせるようにする。

不要な追跡アラートのロジックの改善

不明なAirTagまたは「探す」ネットワーク対応アクセサリがユーザーと一緒に移動している可能性があることをユーザーに早期に通知するために、不要な追跡アラートシステムをアップデートする。

AirTagの音の調整

現在、不要な追跡のアラートを受け取っているiOSユーザーは、不明なAirTagを見つけやすくするために音を鳴らすことができる。不明なAirTagをより簡単に見つけられるようにするため、音が最も大きく聞こえるトーンをより多く使用するようにトーンシーケンスを調整する。