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アップル、23種のiPhoneを分解できるロボットでリサイクル促進
2022年4月20日 13:17
アップルは、製品に使用される再生素材の利用について、詳細を発表した。iPhoneを分解できるリサイクルロボット「Daisy」、リサイクル装置「Taz」などを活用し、再生素材の利用を促進する。
初めて、認定取得済みの再生金を初導入したほか、再生タングステン、再生希土類元素、再生コバルトの使用量が2倍以上に向上。2021年のApple製品に使用された全素材のうち、約20%が再生素材となり、これまでで最も多い比率を達成した。
これらは、リサイクルロボット「Daisy」と、新たに発表されたリサイクル装置「Taz」などの活用によって達成されたもの。Daisyは年間120万台のiPhoneをリサイクル用に分解できるロボットで、現在は23種類のiPhoneの分解が可能。
Daisyが分解したパーツのうち、iPhoneで振動機能に使われる「Taptic Engine」は、別の分解用ロボット「Dave」が作業を行なう。これにより希土類の磁石やタングステンなどの主要素材を回収しながら鉄の再生も可能にする
Tazは新型のリサイクル装置で、破砕機のような技術を使い、オーディオモジュールから磁石を分離することで、多くの希土類元素を回収可能にした。
こうした機器の活用により、2021年にアップルが出荷した製品に含まれる全アルミニウムのうち59%が再生素材由来となり、多くの製品は筐体に100%の再生アルミニウムを使用した。また、リサイクルロボットが分解した部品1t分からは、リサイクル業者が通常2,000tの鉱石から採れる量に相当する金と銅を回収できたという。
2021年に使用された再生素材の詳細は下記の通り。
- 認定取得済みの再生希土類元素を45%使用
Appleのデバイスに再生希土類元素を導入して以来の大幅な増加 - 認定取得済みの再生スズを30%使用
新しいiPhone、iPad、AirPods、Macのデバイスはすべて、メインロジックボードのはんだ付けに100%再生スズを使用 - 認定取得済みの再生コバルトを13%使用
リサイクルロボットDaisyによって分解して市場に戻すことができる、iPhoneのバッテリーに使用 - 認定取得済みの再生金を使用
iPhone 13とiPhone 13 Proのメインロジックボードのメッキおよび前面のカメラと背面のカメラのワイヤに、Apple製品で初めて導入
また、プラスチックについては、2025年までにパッケージに使用するプラスチックの量をゼロにする目標を掲げているが、2021年にはパッケージに使われたプラスチックは4%で、2015年に比べて75%削減したという。