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無印良品、フルリノベした団地・マンション住戸を販売

MUJI HOUSEは、中古の団地・マンション住戸に性能向上のリノベーションを施し、完成品として販売する事業を開始した。現在は横浜の「港南台めじろ」、府中の「車返団地」の物件が販売されている。取り組みは1都3県で開始し、年間100戸程度の販売を見込む。

今回の取り組みは、MUJI HOUSEが中古・分譲の団地・マンション住戸を取得し、性能向上を目的としたフルリノベーションを施した上で、完成品として物件を販売するもの。物件については耐震基準を満たす団地・マンションが選ばれるほか、住戸の中だけでなく、駅からの距離など、立地や周辺環境も考慮した「無印良品がオススメする物件」として展開されるのも特徴。

MUJI HOUSEでは「無印良品のリノベーション」として、性能向上リノベーション「INFILL 0」をすでに展開している。これは、顧客が物件を探すことろから一緒に始め、設計、施工と、長期間に渡って一緒に進める形になり、時間がかかり負担も大きいといった課題があった。今回のリノベーション済み住戸の販売は3年をかけて準備してきたとのことで、こうした課題を解決するものとして提案していく。

MUJI HOUSEはすでに、UR都市機構と組んで賃貸団地の住戸リノベーションなどに取り組んでいるが、今回の取り組みはMUJI HOUSEが単独で行なう事業。販売される物件は、団地のほか、一般的なマンションの物件も取り扱われる見込み。

完成品として販売される物件は、壁や天井(最上階の場合)には高性能な断熱材が入り、窓は複層ガラスのインナーサッシ(内窓)を追加し二重窓とすることで断熱性能や遮音性能を向上させる。断熱環境は温熱シミュレーションによる測定も行ない、適切な施工が施される。床板やタオルハンガーなどの金物は無印のオリジナル。キッチンはURとの取り組みでも採用しているもので、キッチンメーカーと共同開発したオリジナルになる。

現在発売中の2つの物件のターゲットは30~40代で、2~3人に適した内容。いずれも一室空間のコンセプトで、廊下や壁をなるべく少なくして大きな空間にし、ライフスタイルの変化にあわせて間取りを変えられるようにした。見える部分はシンプルで脇役に徹して、見えない部分には高性能な改修が施されるというコンセプトになっている。

発売中の物件はどちらも団地の物件だが、今後は中古マンションの物件、単身者向けの物件、家族向けの物件なども拡充していく予定。