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DNP、国内初の“抗ウイルス”非接触ICカード

DNPは、抗菌と抗ウイルス性能を兼ね備えた「非接触ICカード」を国内で初めて開発し、10月から提供を開始する。電子マネーや社員証、入館証などでの利用を想定している。

新型コロナウイルスの影響により、衛生管理に対する意識が高まっていることから、カード自体の付加価値として「抗ウイルス性能」を追加。抗ウイルス効果は、神奈川県立産業技術総合研究所によるISO 21702に準拠した分析・評価で効果が確認されており、カード表面に付着するウイルスの数を減らし、人の手に着くウイルスを減らすことができるという。

また、従来からの抗菌性能も兼ね備えており、衛生管理が一層求められる医療機関や福祉施設、食品関連の施設、教育機関などでも利用可能。抗菌性能はJIS Z 2801に準拠し、カード表面の大腸菌と黄色ブドウ球菌の繁殖率を1%以下に抑える効果を持っている。

抗ウイルス剤をカードの両面にコーティング(塗工)しているため、カード表面が傷ついたりした場合でも、抗ウイルス性能を維持したまま利用できる。

抗菌・抗ウイルス性能を持たないカードと比較して、およそ5~10%増の価格を目処として提供。2023年度までに関連サービスも含めて6億円の売上を目指す。また、2021年春には、キャッシュカードやクレジットカードなど金融機関で利用される接触ICカードや磁気ストライプ付きカード、接触・非接触の両インターフェイスを持つデュアルインターフェースカードにも抗ウイルス性能を付与して提供する。