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渋谷パルコはデジタル活用の新たな商業施設。22日オープン

新生渋谷パルコ

建替えが進められていた渋谷パルコにて、11月22日のグランドオープンに先駆け内覧会が実施された。ここでは、新生渋谷パルコが掲げるデジタルテクノロジーを活用した商業施設や、特徴的なショップなどを紹介する。

渋谷パルコでは、コンセプトの柱の1つとして「TECHNOLOGY」分野を挙げ、デジタルテクノロジーを活用した新しい商業施設の在り方を提案するとしている。その1番手に挙げているのが、5階で展開する「PARCO CUBE(パルコキューブ)」だ。

パルコキューブ

パルコキューブについて、「オフラインとオンラインが融合したオムニチャネルショップ」とし、リアルな売場を持つ商業施設としての、今後の方向性を提案していく売場と位置づける。

パルコキューブでは11店舗が出店しており、それぞれの売場面積は従来の約半分という10坪前後。そのため店舗に置かれる商品の数には限りがあるが、店舗に大型サイネージとタブレット端末を設置することで、各テナントのEC在庫情報などと連携。店舗での購入のほか、その場で「PARCO ONLINE STORE」から購入できるシステムとしている。

店舗内のサイネージとタブレット

エスカレーター横にも大型サイネージを設置。店舗内、エスカレーター横のいずれのサイネージも、表示されているQRコードからPARCO ONLINE STOREにアクセスできる。

エスカレーター横の大型サイネージ
QRコードからPARCO ONLINE STOREにアクセス可能

来店客とのコミュニケーションにおいてもデジタルテクノロジーを活用。自走式ロボット「temi」を来店客の案内を目的として試験導入する。

temi

temiは、ハピロボが11月から国内発売している、AIアシスタント機能を持った自律走行するパーソナルアシスタントロボットで、自由な移動や人との会話が可能。まずは1階の「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE」で取り扱いを開始する。

さらに12月からは、館内を回遊するtemiに来店客が話しかけると、離れた場所で操作しているいるインフォメーションスタッフがtemiを通じて問い合わせに答えるサービスの実証実験を開始する。

temiを通じてスタッフと会話
スタッフは離れた場所で操作、会話している

なお、temiが試験導入されるBOOSTER STUDIO by CAMPFIREは、クラウドファンディングを展開するキャンプファイヤーが運営する、店内では販売しない「売らない店舗」。

店内では、国内外のメーカーのデジタル機器や家電などの試作品を展示。また、店舗の天井にはセンサーが設置されており、来店客の年齢、性別をAIで判定し、加えて滞在時間や動線などを分析。これらのデータをメーカーに提供する「実験場」としての役割を担うという。

BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE

渋谷パルコではそのほか、AIを活用した多言語音声認識や決済・免税対応といったインバウンドへの対応、ARを活用したデジタルアートによる演出などを展開する。

ARを活用したデジタルアート

なお渋谷パルコではオープンから、コード決済を含めた複数のキャッシュレス決済に対応する。

パルコ、9種類のコード決済に対応

NintendoやポケモンでJAPAN CALTURE発信

6階は日本のカルチャーを発信するゾーンとしており、「Nintendo TOKYO」、「ポケモンセンター シブヤ」、「JUMP SHOP」、「刀剣乱舞万屋本舗」、「CAPCOM STORE TOKYO」などが出店する。

ポケモンセンター シブヤ

オープン直前のポケモンセンターシブヤをフォトレポート

Nintendo TOKYO、全貌を公開!

そのほか4階でほぼ日が“東京の文化案内所”として「ほぼ日カルチャん」を出店。また8階で作品展示を行なう「ほぼ日曜日」を展開する。

エンタテインメントカテゴリーでは8階に、旧劇場の458席から636席に客席数を増やしたPARCO劇場が、2020年3月13日にグランドオープン。こけら落とし公演として2020年1月に志の輔らくごなどを上演する。また、同フロアに、ミニシアター「WHITE CINE QUINTO(ホワイト シネクイント)」が、11月22日にオープンする。

ホワイト シネクイント

渋谷にミニシアター「WHITE CINE QUINTO」

TANKERだらけの吉田カバンや新宿二丁目のMixバー

ショップでは、1階にPORTERの代名詞とされる「TANKER(タンカー)」シリーズをメインに展開する「PORTER EXCHANGE」を、吉田カバンが展開。タンカーのフルラインナップとPXエクスクルーシブアイテムを取り揃える。

PORTER EXCHANGE

食のカテゴリーでは、全37店舗が出店。「うどん おにやんま」や、「ジビエと昆虫料理 米とサーカス」など、商業施設初となる飲食店も数多く揃う。

うどん おにやんま

施設への出店で珍しいところでは、新宿二丁目発のMixバー「Campy!Bar(キャンピーバー)」が出店。夜のみ、朝5時までの営業。昼は純喫茶「はまの星パーラー」として営業する。

Campy!Bar

旧渋谷パルコ・パート1のネオンサインで装飾

渋谷パルコは、スペイン坂から続く立体街路を設置。「渋谷の街を歩くようにショッピングを楽しめる空間の創出」を狙いとしており、階段で1階から10階の屋外広場まで昇ることもできる。

スペイン坂からの立体街路

10階のほか、4階、8階にも屋外広場を設置。1階の広場と連動したイベントの開催を予定している。

10階の屋外広場から、渋谷スクランブルスクエア、ヒカリエをのぞむ

そのほか、旧渋谷パルコ・パート1のネオンサインの「P」、「R」、「C」の文字が、それぞれ8階、7階、地下1階に設置されている。

8階のエレベーターホールに設置された「P」

渋谷パルコの所在地は、渋谷区宇田川町15-1。商業延床面積は約42,000m2、店舗数は193店舗。営業時間は、物販・サービスが10時から21時、飲食店が11時から23時30分(一部店舗除く)。