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自転車「ながらスマホ」はNG 11月道交法改正で罰金・実刑も
2024年10月30日 08:00
11月1日から、自転車に乗りながらスマートフォンを使用する「ながらスマホ」の罰則が強化され、罰金や、最悪の場合は実刑となる可能性があります。また、飲酒運転についても「酒気帯び運転」の罰則が追加されます。詳しく見ていきましょう。
これまでも自転車を運転しながらスマホでSNSやWebサイトの閲覧などをする「ながらスマホ」は禁止されていましたが、違反した場合の罰則は、5万円以下の罰金のみでした。これは自動車における「ながらスマホ」よりもかなり軽い罰則です。今回の道路交通法改正により、今後はより厳しい対応がとられることになります。
片手でスマホを持っている場合は勿論、スマホを自転車にスマホホルダーなどで固定している場合でも、注視や操作は禁止です。自転車の乗車中にスマホを確認したりする必要がある場合は、自転車を停止させて行なう必要があります。ただし、通話に関してはハンズフリー装置を併用している場合は利用が可能です。
これらに違反すると、6カ月以下の懲役又は、10万円以下の罰金となるほか、実際に事故など交通の危機を生じさせた場合は、1年以下の懲役又は、30万円以下の罰金となります。罰金がより重くなっただけでなく、実刑を受ける可能性もでてきました。
酒気帯び運転や"ほう助"も罰則対象に
これまでも飲酒をして自転車を運転することは禁止されていましたが、処罰の対象は酩酊状態で運転する「酒酔い運転」(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)のみでした。
今回の道路交通法の改正では、「酒気帯び運転」も新たに罰則対象となります。酒気帯び運転とは、血液1mlにつき0.3mg以上又は呼気1Lにつき0.15mg以上のアルコールを帯びて運転する状態のことで、自動車における酒気帯び運転と同じ基準が適用されます。
また、自転車を運転する予定がある人にお酒を出したり、自転車を貸したりする行為も「酒気帯び運転のほう助」として禁止となります。たとえば、自転車の飲酒運転をする可能性がある人に自転車を貸し、その人が自転車の酒気帯び運転をした場合は、自転車の提供者に3年以下の懲役又は、50万円以下の罰金と、運転者の酒気帯び運転と同等の罰則が科せられます。
違反を繰り返した場合は、罰金などだけではなく、「自転車運転者講習」の対象にもなります。従来から信号無視や通行禁止違反などの危険行為を繰り返している人に対して受講が義務づけられていたものですが、「ながらスマホ」と「酒気帯び運転」についても対象になりました。
違反行為を3年以内に2回以上検挙された人に義務づけられる講習で、命令を無視し、受講しなかった場合は、5万円以下の罰金となります。
26年からは青切符で反則金も
警察庁によると、2023年中に発生した、自転車が第1当事者(過失割合が高い方)又は第2当事者(過失割合が低い方)となった交通事故は72,339件で前年より2,354件増加しており、自転車関連事故の件数は、全交通事故に占める割合が2割を超えたそうです。自転車関連の事故は2021年以降から増加傾向にあります。
また、自転車の運転者が携帯電話やスマートフォンを使いながら事故を起こすケースは、前年同期比の約2.3倍に増加しており、2014年以降、最も多くなっています。
こうした背景もあり、自転車の交通違反については、反則金を納付させる「青切符」の導入も決定しており、2026年春頃から施行される予定です。