文具知新
読書中のメモをスマートに! 「書きこめるしおり」のススメ
2025年5月21日 08:20
私は昔から本を読むことが好きで、子供の頃は活字中毒と言ってもいい状態でした。今はだいぶ落ち着いていますが、それでも本は毎日手に取ります。また、仕事の調べ物のために本が大量に必要になることもあり、その際には図書館もよく利用します。
そうして本を読んでいると、これは後で見返すためにメモしておきたいな、と思うこともしばしばあります。自分の本であれば直接マーカーを引いてしまったり、ページの端を折ったりする方法もありますが、図書館で借りてきた本ではそうもいきません。また、自分のものであっても本に直接書いたり折ったりするのは抵抗がある……という個人的な性分の問題もあります。
ふせんを使うという手もありますが、実は図書館の本にふせんは絶対NG。返却する前に剥がせば問題ないでしょ? と思われるかもしれませんが、目に見えなくても糊が残り、ページ同士がくっついたり、変色したりする原因になることも。また、ふせんを剥がす際にページの表面や印刷が一緒に剥がれてしまうケースもあります。そのため、多くの図書館では「資料にふせんを貼らないで」と注意喚起しているのです。
本は傷めたくない。でも、メモは取りたい。そんな時に役に立つのが、メモ用紙としての機能を持った、書きこめるタイプのしおりです。今回は2商品+αを取り上げます。
読書のジャマにならないサイズと厚み「Shiori Note」
まずご紹介したいのは、大阪書籍印刷が運営する紙文具ブランド「archshop」の商品「Shiori Note」(385円)。その名の通り、タテ148mm・ヨコ48mmというしおりサイズのノートです。読書のジャマにならないよう厚さを1mmにおさえながらも、8ページ分の筆記スペースが確保されており、本1冊分くらいのメモには充分対応できます。
そしてこちらのアイテムの魅力は、なんといっても豊富なデザインです。最もシンプルな「スタンダード」だけでもホワイト・イエロー・ピンク・ブルー・グリーンの5色がラインアップされています。
他にも、昔からしおりといえば押し花! ということで、花をモチーフにしたデザインや、かわいらしい動物、灯台のイラストをあしらったデザイン、ビジネスシーンにもマッチするシックなカラーのバリエーションなど、好みに応じて選ぶことができます。
本1冊とShiori Note1冊をセットにして、本に挟んだままセットで保管しておくのもよさそうです。デザインが素敵なので、読書好きな方へのプチギフトにもピッタリではないでしょうか。
本のスリップにそっくりな「書きこめるしおり」
本を読んでいる最中には本格的なメモを取らずに、後から見返すためにページ数や最低限のキーワードだけ記録しておく、という場合もあるでしょう。実は、私も抜書きメモは本1冊を全て読み終わってからデジタルで作成しています。読む時は流れを中断したくないことと、デジタルの方が後から検索しやすいことが理由です。
そんな最低限書ければいい、という使い方にマッチするのが、無印良品の「書きこめるしおり インデックス付」(290円)です。筆記面が少ないので文章を書くのには向きませんが、ページ数やキーワードをメモしておく程度であれば必要充分と言えるでしょう。
それにしてもこの形、何かに似ていると思いませんか? それは、本のスリップ。売上カードや注文カードともいいますが、新品の本に挟まれている短冊状のあの紙です。昔は本を買うとお店の方がレジで抜いていましたが、近頃はデジタル管理が進んでそのまま渡されるケースも増えているため、手にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
この形が、実はしおりとしても優秀。ページの上部をはさんで引っかけるので、読書中さしっぱなしにしていても落ちてくる心配がありません。また、本にセットしたままの状態で書き込むことも可能です。
「書きこめるしおり」は1冊に黄色・水色・クラフトの3色(各色10枚)がセットになっているので、書き込みたい内容に合わせて分類するといった使い方にも対応します。
ひと手間かけて自分好みのしおりを自作
ちなみに、今でこそこうした製品がありますが、無い頃には自分で作っていました。ちょっとだけ手間はかかりますが、作業自体は簡単なので合わせてご紹介します。
まず、ルーズリーフやコピー用紙など、好きな紙を短冊状に切ります。A4サイズの紙であれば、短辺方向に幅4〜5cmくらいが目安です。これを、適当な長さで折ります。この時、片側を長く、反対側を短くして段差をつけておくと、本にさしやすくなります。長い方は12〜14cmくらいがおすすめ。文庫本の高さが148mmなので、それより短くすればはみ出しません。
最後に、お好きなマスキングテープでタブをつけます。適当な長さに切ったテープを、しおりの折り目部分(上部)に貼り付け、糊面どうしをくっつけるように折れば完成です。タブの長さは好みで調整してください。
これで書きこめるしおりの使い勝手を試してみて、自分に合いそうであれば販売されている製品の購入を検討してみても良いと思います。
書きこめるしおりと一緒に使う筆記具は?
最後に、筆記具について。自分の本なら基本的に好きな物を使っていただいて問題ないと思いますが、図書館の本など絶対に汚したくない本であれば、鉛筆がベター。本のページにうっかり芯の粉がついてしまっても、比較的落としやすいので被害が最小限で済みます。
美術館などでメモ用の筆記具は「鉛筆のみ」となっている場合がありますが、これも同じ理由です。ボールペンや万年筆のインクが付いてしまうと、取り返しがつきませんから……。
というわけで、読書タイムをスマートにする「書きこめるしおり」をご紹介しました。本好きな方は、ぜひ試してみてください。