いつモノコト

本を開いたままにできる「ウカンムリクリップ」 やっと出会えた理想のカタチ

日常生活の中で、本(あるいはそれに近い形状のもの)を、開いた状態で手元に置いておきたい、というシーンは、意外と多くあります。

例えば、次のようなシチュエーションです。

  • 仕事をするときに、スケジュールやタスクを確認するため、手帳を開いた状態でPCの横に置いておきたい
  • 料理をするときに、分量や手順を確認するため、レシピ本を開いておきたい
  • 勉強をするときに、教科書や参考書を開いてノートの横におきたい
  • ノートや手帳をきれいに撮影して、写真をSNSにアップしたい

他にも、仕事(プログラミングなど)のためのリファレンス本や、趣味の手芸やDIYのための指南書、歌や楽器を練習するときの楽譜など、「本を開いて手元に置いておきたい」場面は、枚挙にいとまがありません。

そんなときに、皆さんはどうしていますか? もちろん、ちゃんとした専用の書見台や文鎮を持っている、という方もいらっしゃるとは思います。でも、そういうものがあると便利だろうなとは思いつつ、結局いつもスマホやリモコンなど、手近にあるものを文鎮がわりにページの上にのせてなんとかしのいでいる(そして、あまりなんとかなっていない)という方も、少なくないのではないでしょうか。

リモコンなどを文鎮がわりにしてしまいがち

筆者は仕事柄、本を開いた状態でキープするためのグッズ(いわゆるページキープツール)を数多く所有しています。しかしながら、ページを開いた状態でしっかりと安定するものはサイズが大きかったり、重かったりします。かといってコンパクトで軽いものを選ぶと、今度はページを保持する性能がイマイチだったり、使い方が複雑だったりと、いずれも一長一短があり、なかなかコレ!というものには出会えていませんでした。

そんな中で、今いちばん愛用しているページーキープツールが、今回ご紹介するサンスター文具の「ウカンムリクリップ」(660円)です。

ウカンムリクリップ

ウカンムリクリップは、その名の通り、漢字の「ウ冠」のような形をしています。一般的なクリップと違って、真ん中の部分がはさめない構造ですが、これこそがミソなのです。真ん中があいていることによって、本を開いたときのノドと背表紙にあたる部分を避けて、両側のページの部分だけをはさめます。そのため、本を傷めることなく、安定して開いておくことができるのです。

真ん中があいているのでページ部分だけをはさめる

レシピ本やノートぐらいの、薄めの本とは特に相性が良く、ピタッと開いた状態でキープしてくれます。また、クリップの開閉にもそれほど力がいらないので、ページをめくってはさみ直すのも比較的かんたんです。

クリップの口の部分は最大で8cmまで開くので、「厚みのある本にも対応する」と商品説明には記載されています。

クリップの口の部分は最大で8cmまで開く

しかし、製本の仕方によっては、閉じる力が強い本だと、はさむ部分がすべってしまって、安定しないときがあります。また、本の最初の方や最後の方など、左右でページ数に差があるときもややズレやすく感じます。

左右のページ数に差があると、少ない方にスキマができる
結果として、クリップがズレてしまう

この場合は、表紙まで全部を無理にはさまず、途中のページにクリップを挟むようにしたり、右や左に少しずらしたりするとうまくいくようです。

はさむページ数が左右で均等になるように調整する
クリップのズレが軽減される

カラーバリエーションは、全部で6色。定番のホワイト、グレーに加え、パステル調のかわいい色味も選べます。筆者が愛用しているのは、本の内容が透けて見えるクリアタイプ。はさむときの位置決めがスムーズで気に入っています。

クリアタイプは下が透けるので位置決めしやすい

ウカンムリクリップは、厚めの本で使用する場合などに細かい不満がないわけではありませんが、使い方の手軽さとページを保持する性能のバランスがよく、筆者にとっては今、いちばんに手がのびてしまうページキープツールです。

重量は約33gと軽く、持ち運びがしやすいのも嬉しいポイントです。会社や学校に持って行きたい人、家の中でも作業場所の移動が多い人、図書館やカフェで勉強したい人には特におすすめです。お値段も手頃なので、本や手帳を開いて手元におく機会の多い方は、ぜひ一度お試しください。

重さは約33gと非常に軽量
ヨシムラマリ

ライター/イラストレーター。神奈川県横浜市出身。文房具マニア。子供の頃、身近な画材であった紙やペンをきっかけに文房具にハマる。元大手文具メーカー社員。著書に『文房具の解剖図鑑』(エクスナレッジ)。