いつモノコト
ガーミン「tactix 8」を買った AMOLEDで新生したミリタリーモデル
2025年8月16日 09:15
ガーミンのスマートウォッチ「tactix 7 PRO Sapphire Dual Power」を購入してから3年ほど経つのですが、後継機種の「tactix 8 AMOLED」を先日購入しました。購入動機は新搭載された「AMOLED」です。
元々、tactix 7を始めとしたガーミンのスマートウォッチは、アウトドア用途重視のためディスプレイとして、屋外での表示性能と消費電力に優れる「半透過メモリインピクセル(MIP)」を搭載するのが主流でした。しかし、近年ではより鮮やかな画面を表示する「AMOLED」を搭載するモデルも並行してラインナップされるようになっています。筆者が購入したtactix 7についても、筆者が購入した翌年の2023年10月にAMOLED版が発売されています。
当時、気にはなったものの、ベースはtactix 7と同じでしたので、その際は購入を思い留まりました。しかし、後継モデルとなる「tactix 8」では、「半透過メモリインピクセル(MIP)」を搭載したモデルに加え、AMOLED搭載モデルも同時に用意されました。これは購入するしかありません。価格は238,000円でした。
今回は、せっかく新旧両モデルを持っているので、ディスプレイ周りの違いから両者を比べてみました。半透過液晶とAMOLEDというお互い性格の異なるディスプレイですが、両方使ってみた率直な感想としては、どちらも一長一短で甲乙付けがたい、という印象です。
どこでも明るい「AMOLED」
今回筆者が購入した理由は、AMOLEDが搭載された点が最も大きな動機です。tactix 7に搭載されていた「半透過メモリインピクセル(MIP)」は、バックライトが無くても太陽等の外光さえあれば画面をはっきりと綺麗に確認でき、消費電力を抑えることができるという大きなメリットがあります。反面、AMOLEDなどと比較すると発色はあまり良くなく、アニメーション処理などにも弱いです。
また、「MIP」により、ピクセルを一度表示すると消費電力を使わずにピクセルの表示を維持できます。文字などの画像が書き換わったときだけに電力を消費しますので、表示が変わらない箇所では電力を消費せず、消費電力を低くできます。その上、ソーラーパネルも内蔵していて、バッテリー駆動の延長に寄与してくれます。
これらの特徴から、非常に長いバッテリー駆動時間を実現可能で、半透過メモリインピクセル(MIP)を搭載する「tactix 8 Dual Power」モデルでは、最長約48日間の動作が可能になっています。同AMOLEDモデルは約29日間です。
ただ、tactix 7の半透過液晶を使っていて不便だと思うシーンもあったのは正直なところです。まず、バックライトは確かに不要なのですが、それは屋外に限った話で、屋内ではバックライトがないと文字盤がよく見えないことが多々ありました。
例えば、仰向けに横になっているときに腕に付けたtactix 7で時間を確認しようとしても室内照明と逆光になってしまうため、画面がまったく見えません。このため結局バックライトはオンにして使っていました。
その点、AMOLEDは自発光していますので、屋内でも常に見やすいのがメリットです。横になっていても普通に情報を確認できます。バッテリー駆動時間が多少短くなったとしても、AMOLEDモデルが欲しいと思った大きな動機はこれです。
発色が良く解像度も高い
AMOLED化したことで、画面の発色がとても良くなりました。tactix 7は半透過ディスプレイの宿命として、少しコントラストが低い画面になっていました。屋内でバックライトを使うシーンでは特に画面全体が白っぽく見えてしまいます。
その点、AMOLEDでは画面の印象が全く異なり、コントラストのハッキリしたとても明るい画面になりました。さすがに直射日光の下では多少見劣りしますが、視認性に問題はないですし、屋内での視認性は抜群です。ただ、屋外での視認性については、やはり半透過ディスプレイであるtactix 7に強みがあり、とてもハッキリとみえます。ここは明確なトレードオフになっています。
また、解像度も異なっていて、半透過メモリインピクセル(MIP)では280×280ピクセルですが、AMOLEDは454×454ピクセルとかなり高解像度です。そのお陰で、より一層画面がクッキリ見えるのがポイントです。文字やグラフィックがシャープになったのはもちろん、特に地図を参照した時の見栄えは高解像度なAMOLEDが圧勝でした。
省電力モードに課題も感じる
AMOLEDになったことで、ウォッチフェイスを選ぶ楽しみも増えました。ガーミンのスマートウォッチでは有料のウォッチフェイスも販売していますが、半透過液晶では色数に制限があるなど、制約がありました。AMOLEDになったことでカラフルなウォッチフェイスをそのまま使うことができます。
ちなみに画面の常時表示は可能ですが、他のスマートウォッチと同様に、一定時間が経つと自動的に省電力モードの表示になり、画面表示が暗く簡略化された画面になります。省電力モード時の表示方法はウォッチフェイスによってさまざまで、通常時は派手な画面でも、省電力モードになると時針と分針程度しか表示されなかったり、デザインはあまり変わらないが、画面がモノクロになるものの、輝度が落ちるだけでイメージはほとんど変わらないものなどいろいろです。
このあたりウォッチフェイスの販売画面にはあまり説明がなく、購入しないと分からない場合が多いのがすこし不便に感じました。個人的には消費電力が多くなったとしても、画面表示はなるべく通常時の状態を維持してほしいと思っています。
例えば、机の上に腕を置いて仕事をしているときなど、すぐにモノクロ表示などの簡易画面になってしまいます。机の上に腕がある状態では腕を振り上げて時計をみるようなモーションもできないので、カラー表示にするには意図的に素早く腕を動かすか、画面をタッチする必要があります。せっかく綺麗な画面なのに、普段は省略表示になってしまうのは正直寂しいです。
なお、半透過メモリインピクセルのtactix 7では、画面表示について低消費電力モードという概念がほぼないので、バックライトが一定時間でオフになる以外、ウォッチフェイスは常時そのまま表示されています。これはこれで時計として頼もしいですね。
どちらも甲乙付けがたい
正直なところ、tactix 8を買ったらtactix 7は売ってしまおうと考えていたのですが、実際に使ってみるとどちらにもメリットを感じてしまい、手放せなくなってしまいました。
機能的にはtactix 8のほうが向上していて、音声入力による操作や新機能の心電図にも対応しています。特に心電図については、tactix 7は対応していません。
ただ、tactix 7の時から購入動機はサファイアガラスとチタンによる堅牢ボディやミリタリーテイストのデザイン、GPSによる高精度な位置情報や高度計、手元でいつでもライトが使えるなどの便利機能を目当てに購入していたので、このあたりは旧モデルでも大きな違いはありません。
確かにAMOLEDは綺麗なのですが、太陽光下での透過液晶の高い視認性も棄てがたい。屋外メインで使うのなら、やはり透過液晶のtactix 7だなと改めて思いました。
逆に、AMOLEDのtactix 8は屋内では視認性の良さが抜群です。仕事中に付けているならこちらのほうが良さそうで、レジャーに出かける時はtactix 7、仕事の時はtactix 8、というのもアリかなと思っています。















