いつモノコト

ガジェット感覚が楽しい iPad miniより小さくなるキーボードをポチる

基本的にMacとiPhoneだけあればいい。

そう信じていても、新しモノには目移りする日々です。久々にiPad mini(A17 Pro。Wi-Fi+Cellular)を購入してからというもの、星の数ほどあるサードパーティのアクセサリー選びが楽しいことに気付いてしまいました。デジタルデバイスの使い心地はアクセサリーで決まるのです。

「iPhone以上、Mac未満」のスキマを埋めたい

まず購入したのはOmikamoの折りたたみ式Bluetoothキーボードです。決め手は3つです。

購入したOmikamoキーボード。タッチパッドもついている。
  • 折りたたむとiPad miniよりフットプリントが小さくなります
  • Macの日本語JISキーボードに近い配列です
  • ガジェット感覚で買える価格(5,000円台)です

このキーボードは、折りたたんだ状態だとiPad miniよりフットプリントが小さいです。そのため、持ち歩き時にバッグのサイズを変える必要がありません。

上から、Omikamoキーボード、iPad mini(第7世代/ケース&Pencil付き)、MacBook Pro 14インチ
キーボードの重量は実測で294g。iPad miniにケースとPencilを組み合わせた状態で472gなので、合わせて766g。MacBookでは得られない身軽さだ

筆者はライターなので、仕事先での打ち合わせだったり、取材先で簡単にメモを取りたいときに使えます。膝の上で使うなら一体型のMacBook Proのほうがラクなため、机に座って作業できるとわかって、簡単な作業のシーンの場合はiPad mini+キーボードを持ち出します。そもそも座れない場所ならiPhoneに両手でフリック入力します。

iPadのソフトウェアキーボードにも慣れていきたいけれど、現時点では手元にiPad miniしかなかったら、諦めて文字入力にはiPhoneを使うぐらいの感覚です。

MacBook Proのキーボードと比較。

キー配列はどうでしょうか。リターンキーが縦2段になっていたり、「かな」「英数」キーがあったり、Macの日本語JISキーボードに近いです。そしてアルファベット部分はキーピッチがしっかり確保されています。右側のカギカッコぐらいになると少し狭いです。

細かい部分を見ると、使用中に引っかかる部分はあります。まずは「半角/英数」キーです。数字キーの段は一番左が「1」だと思っているので、手を左上に持っていって「1」を打とうとするとミスをします。本製品はWindowsとAndroidを含む最大3台を切り換えて使える製品ですから、折り合いを付けるために仕方のない部分でしょう。

左上にクローズアップ。Macにはない「半角/英数」キーが鎮座している。

また、Cmdキーと左手親指で押しながら人差し指でAやZのショートカットキーを押そうとすると、位置関係が自分のクセとずれてしまいます。ただこれも、走り書きのメモでキーボードショートカットを使う機会がなく、実際はあまり気にしていません。

左下部分のクローズアップ。Windowsキーの主張が強い。

ちなみに筆者はMacでATOKを使っていますが、iPad+ハードウェアキーボードだとATOKは使えません。そこでiPadOSの「ライブ変換」をオンにして、入力中は変換操作を一切しないことで割り切っています。iPad miniでメモして、あとでMacBook Proで清書するのです。

そしてタッチパッドも搭載されています。こうしたキーボードにはテンキー搭載のモデルもありますが、筆者は普段からテンキーを使わないのでタッチパッドのほうがメリットに感じました。

iPad miniの設定画面。「一般」の中に「トラックパッドとマウス」の設定項目がある。トラックパッド部分のボタンを押すだけでなく、タップ操作も使える。

iPad miniに本製品をペアリングしたら、タッチパッドもそのまま動作しました。MacBook Proの内蔵トラックパッドに比べればラグが感じられますし、2本指スクロールが指に追従する感覚も薄めです。それでも、机から腕を持ち上げてiPad miniの画面をタップすることを考えたらラクです。

ちなみにiPhoneだと、タッチパッドはAssistiveTouchの一機能として動作するので、タッチパッド不使用時にもAssistiveTouchの「◎」が画面に常駐することになります。キーボードだけでなくタッチパッドも使いたければ、現状ではiPhoneユーザーよりiPadユーザーにおすすめです。

お気に入りのiPad miniケースも紹介

今回、iPad miniにはY字折りたたみ式のケースも付けています。いわゆる"風呂蓋"と呼ばれるケースの発展型で、折り目を増やすだけで横向きだけでなく縦向きにも立てられるようになっています。

購入価格は4,000円台です。ある意味、このケースの存在がiPad miniの購入を後押ししたとも言えます。

斜め方向にも折り目があり、iPad miniを縦向きにも立てられる。
縦向きに立てたところ。縦置きのために1つも部品を増やしていない(=重くなっていない)のが賢いと思った。
カバー背面にチルト機構などがなく、増えた機能性のわりに重量が増えていないのが魅力。
純正ケースにもある、横向きスタンド状態。
向きを変え、ソフトウェアキーボードの入力に便利な角度に。

iPad miniは側面にApple Pencil Proをマグネットで保持&充電できる仕組みがありますが、その状態でApple Pencil Proを落とさないようなホルダーも備わっています。

Apple Pencil Proを取り付けたところ。
Pencilは背面から押して取り出す。
保護のためか、Touch IDの指紋センサー位置は少し深くなる。

純正品にないガジェット感を楽しむ

アップル製品は、自社の美意識にかなった存在意義なりクオリティに達しなければ製品化されないイメージがあります。しかしデジタルデバイスには「これを使ったら、ちょっと楽しい&便利かもしれない」というワクワク感も欲しいです。アップル製品を使いつつ、そのガジェット心を満たしてくれるのが、こうしたサードパーティ製のアクセサリーです。最小の追加コスト(値段と重さ)でどれだけ快適に使えるか?というのを研究すること自体が楽しめます。

繰り返しになりますが、迷ったら使い慣れたMacBook Proを持ち出すのがベストなのです。たまに気分を変えるべく小さいバッグで出かけたいとか、ちょっとラクをしたい時に使うものとしては、iPad mini+キーボードは十二分にありがたい存在です。なにせ、それぞれ5,000円前後で買えるのですから。今後も面白そうなアクセサリーを見つけたら冒険していきたいです。

鈴木 誠

ライター。デジカメ Watch副編集⻑を経て2024年独立。カメラのメカニズムや歴史、ブランド哲学を探るレポートを得意とする。インプレス社員時代より老舗カメラ誌やライフスタイル誌に寄稿。ライカスタイルマガジン「心にライカを。」連載中。日本カメラ財団「日本の歴史的カメラ」審査委員。趣味はドラム/ギターの演奏とドライブ。 YouTubeチャンネル「鈴木誠のカメラ自由研究」