いつモノコト

無印の「コオロギ」シリーズを食べてみた。エビ風味?

コオロギはエビ風味。最近、ちらほら見かけるコオロギを原料にした昆虫食ですが、そうした話をよく耳にします。コオロギだけでなく、食用のイモムシもそのような味がすると聞いたことがありますが、イモムシは筆者は大の苦手で天敵です。今、参考までに検索しただけで鳥肌がたち、画像でも正視できません。目の前にひょい、と差し出されたらその場でマンガのような悲鳴を上げることは間違いないですし、夏場に犬の散歩で草むらに入るときは、身の縮む思いです。時々ズボンの裾などにくっついていて「ヒッ!」っとなります。自分でもなぜそこまで嫌なのか全く理解ができない原初の恐怖です。ですので、将来食料が不足してイモムシなどを食べないと生活できない時代になったら生きて行けそうにありません。

しかし、最近は昆虫食といっても、粉末状にしてさまざまな加工食品として販売されるようになりました。特に最近目にするのが「コオロギ」です。無印良品からも2020年に「コオロギせんべい」なるものが発売され、注目を集めていましたが、2021年にも「コオロギチョコ」も発売し、ぶれない方向性を示しています。

筆者は、イモムシが苦手なわりにイナゴの佃煮は普通に食べられるので調理されていればそれほど抵抗なく食べられる方だと思うのですが、粉末状ならさらに気軽に食べられそうだと思いました。イモムシすらも粉末にして「エビ風味の何かです」といって出されれば食べることもできそうで生きる希望がわいてきます。

まして粉末のコオロギならイナゴの佃煮より遙かにハードルが低いです。そこで、コオロギせんべいとコオロギチョコを実際に購入してみました。価格はコオロギせんべい、コオロギチョコともに一袋190円です。

コオロギせんべいは「エビ」風味

結論からいってコオロギはやはり「エビ」風味でした。そのためか、無印良品のコオロギせんべいも、えびせん風のおせんべいになっています。油で揚げるかっぱえびせん系ではなく、焼き菓子で、薄くて口に入れるとくっつく感じのえびせんです。

コオロギせんべいの見た目は500円玉より少し大きいくらいのサイズで、小ぶりです。袋自体も小さいのですが、その小さい袋に薄いおせんべいがみっちり入っていて、小さな袋の印象よりも意外とボリューム感があります。また、枚数が多いためか、なかなか量が減らず満足感もあります。内容量は55gですが、最近はポテトチップスでも60gなので、それほど少ないという感じでもありません。値段はポテトチップスよりも少し高いですが。そもそも湿気りやすい感じもしますのであまり容量が多くても困ります。

袋は小さいのですがぎっしり感があります
500円玉より少し大きいくらいです

コオロギはエビ風味らしいですが、コオロギそのものを丸ごと食べたことがないのでわかりません。しかし、コオロギせんべいはやはり、えびせん風味でした。エビのような香ばしい風味がします。普通においしいです。これならエビの代りにコオロギという選択肢もありなのではないかと思えます。

ちなみに元祖えびせんはマヨネーズをつけて食べると美味しいですが、こちらも同様に美味しかったです。

コオロギチョコはチョコだけど……?

タンパク質を摂取することを目的に作られているプロテイン入りのチョコバーを最近よく見かけますが、コオロギチョコはコオロギを含有する高タンパクなチョコバーです。

まず、エビ風味であることを前提とした場合、「チョコで大丈夫なのか」という気持ちはありました。せんべいはアリかもしれないですが、チョコは少し微妙なのでは? という不安がよぎります。エビにチョコをコーティングしても、あまり好きになれそうにはありません。

しかし、実際食べてみると杞憂でした。一口食べると、予想外の「柑橘系」の風味が口の中に広がります。実はこのチョコには、オレンジパウダーが含有されているのです。オレンジピールが含まれている海外製のチョコレートを食べたことがあるのですが、ちょうどそれに近い味でした。せんべいとは逆にコオロギ感は皆無といっていいでしょう。味はオレンジ風味のチョコバーです。

オレンジパウダーが入っています

コオロギの味がしないのになぜコオロギを入れているかといえば、「タンパク質」のためです。本製品には1本あたり15.9gのタンパク質が含有されていて、一般的なプロテインバーと比べて遜色がありません。

コオロギは食べられる

結論として、食用として全く違和感がありませんでした。普通においしいお菓子として食べることができます。

ちなみにパッケージには「食用コオロギパウダーは、えびやかになどの甲殻類と類似した成分が含有されています」と表記されていて、そうしたアレルギーを持つ人は摂取を控えるよう表示されています。エビとは味だけで無くそもそも成分が似ているようです。

コオロギは高タンパクながら飼育が容易で、未来の栄養源として期待されている食材です。今後もいろいろな加工食品でコオロギを目にすることがありそうですが、また新しい商品が出たら食べてみたいとおもいます。次はコオロギカレーあたりでしょうか? できればそちらもパウダーでお願いしたいです。

清宮信志