いつモノコト

ビシっと水平に設置したい。高性能な水準器が便利

シンワ測定の「ブルーレベル Pro 2 300mm マグネット付」

フルリフォーム(リノベーション)済みの物件に引っ越したことで、いろいろ調整する必要にせまられ、簡単な大工道具などもいくつか買い足したり新調したりすることになったが、それまで持っていなかった類の道具が「水準器(水平器)」だ。泡の入った「気泡管」をあてがって水平になっているかどうかを測るもので、筆者は今回、シンワ測定の「ブルーレベル Pro 2 300mm マグネット付」を購入した。Amazon.co.jpでの価格は1,845円(税込)だ。

実は、すでに本誌に掲載されたボッシュのレーザー距離計と同じ、デジタル・電子化製品を購入→アナログもやっぱり必要、という経緯をたどるのだが……引っ越しにあたって、まずボッシュのレーザー墨出し器「GLL 30 G Professional」(Amazonでは8,720円)を購入していた。レーザー墨出し器は、壁にレーザー光で水平と垂直の線を映し出すもので、新居の壁に何かを設置する際などに便利なのではと思ったからだ。

結論からいうと、壁に穴を開けるといった、簡単なものを含む“工事”の場合、レーザー墨出し器は便利だが、設置済みのものを微調整したいといった家庭の利用シーンで使いやすいわけではない。あくまで工事・作業時の道具という印象だ。このように、使ったことのない大工道具の実際の使い勝手は、素人である筆者には経験してみないと分からないことも多い。ITの世界では最新=最良となることは少なくないが、アナログな世界に触れる道具は必ずしもそうではないというのは興味深いところだ。

そういう前段を経て、改めて購入したのが、アナログな水準器である「ブルーレベル Pro 2 300mm」だ。もっとシンプルなモデルもラインナップされているが、デジタルメーター非搭載であれば特別に高額というわけでもなかったので、アナログオンリーの製品の中ではグレードの高いシリーズを選んでいる。

「ブルーレベル Pro 2」のメインの気泡管には汚れや傷を防ぐ透明なカバーが取り付けられており、取り外して清掃が可能なほか、気泡管の溶液は視認性が高いという青色で、製品名の由来にもなっている。メインの水平を測る気泡管には白い基準線が左右に3本ずつあり、それらを利用して勾配の測定もできる。垂直と45度の気泡管の合計3本の気泡管を搭載しており、すべての気泡管は1mで±1mmという精度になっている。測定面はV字型の溝が付いているため、パイプなどに真っ直ぐ添わせやすくなっているほか、マグネット付きモデルのため、対象が金属なら磁力で固定することも可能だ。

メインの気泡管には防護カバー
測定面にはV字の溝。マグネット付きモデルなので、マグネットが両端に搭載されている

本製品の300mmという長さは、プロ用としては短い部類で、同じシリーズの中では最小サイズ。同シリーズでは1,800mmまで8種類がラインナップされている。ホビー用などではもっと小さな手のひらサイズの水準器が多いが、ドアや額縁、棚といった用途なら、長いほうが信頼性が高まる。300mmは家庭用やDIY用としては使いやすい長さだと感じた。

引き戸の建付け調整不足を水準器で解消

普通の日常生活が始まってしまうと水準器の出番はそう多くはないが、引っ越し中やいろいろな家具を設置する段階では、想像していた以上に水準器を使うことが多かった。

筆者の新居はフルリフォームされたばかりということもあって、ドアや戸棚などあらゆるものが「設置されたばかり」の状態。ガタツキはないか、おかしなことになっていないかと、入居直後はあらゆる場所をチェックしてまわったのだが、残念ながら、引き戸や戸棚のドアなどは「建付け調整」が満足に終わっていなかった。

特に仕事部屋とダイニングの境にある2枚の引き戸は、閉じてもV字の隙間ができてしまっていた。逆に、それ以外にはあまりおかしな部分はなく、浴室の天井の一部のパッキンが入浴の熱で浮くぐらいで、接着剤を塗布し直して事なきを得ている。

筆者宅は玄関とトイレ、浴室以外はすべて引き戸となっているが、高級ではないものの最新ではあるので、調整のためのネジは車輪付近にわかりやすく設置されており、製造元のLIXILのWebサイトで調整方法を確認できた。

そこで、水準器で垂直を確認しながら、ドライバーを使って自分で建付け調整を済ませることになった。仕事部屋の2枚の引き戸だけでなく、ほかに3枚ある引き戸もすべて水準器でチェックして建付け調整を済ませた。

引き戸は垂直用の気泡管を見ながら調整

戸棚のドアについては、洗面台の下にある戸棚のドアは見た目にも斜めになっており、ドア同士がすこし擦れていたので、こちらも再調整した。

PCモニターやポスター額縁、ラックの組み立て

ほかには、毎日使うPCモニターも、筆者はビシっと水平を決めておきたいタイプなので、水準器で水平をしっかり出して設置した。最近になって高さを変えたので、その際も水準器で水平を再調整している。液晶テレビは水平の微調整はできないが、水準器で確認して可能な範囲で調整している。

PCモニターもビシッと水平に

筆者宅はポスターなどを入れた額縁やアクリルパネルを4つ、壁に設置しているが、これらもすべて水準器で水平を出して設置している。小さなスチールラックを組み立てた際は、組み立て方次第で棚がかなりゆがむ構造だったので、水準器を使いながら棚の水平を調整した。

壁に飾ったポスターもビシッと水平に
難物のスチールラックは棚が完全な水平にならなかったが、可能な限り近づけた

水準器ではなくレーザー墨出し器が活躍したのは、自転車を壁にかけるためのバイクラックを設置する時だった。こちらは設置した後に微調整するのが難しいので、ネジを打つ場所をレーザー墨出し器で垂直になるようにして設置した。

ボッシュのレーザー墨出し器「GLL 30 G Professional」(写真右、机の上)
レーザー墨出し器は、後から調整しづらいバイクラックの設置だと、簡単にネジ穴の位置が決まって便利だった

自分で調整をすれば理解も愛着も深まる

ドアがまっすぐ付いていないとかの建付け調整の不足は「それぐらい終わらせてといてよ」と思わなくもないが、ドアが不良品というわけではないし、取り返しのつかない手抜き工事というほどでもない。なにしろ相場より少し安い物件で、工期などがどうなっていたかも筆者は知らないので、もしかしたら施工担当者は急いでいたのかもしれない。

ちょっと意外だったのは、DIY的な気分でドアの建付け調整して満足な結果になれば、家が「他人から買った完成品」というどこかよそよそしいものから、「自分のもの」になった気がしたことだろうか。DIY的な醍醐味といえばそれまでだが、ドアや建材の構造への理解も深まったし、いつでも自分で再調整できるという心理的な余裕が生まれたので、結果オーライということにしている。

太田 亮三