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Oura Ring 4で知る睡眠 体調を把握することの意味【私の2025】

【私の2025】編集部員が2025年に使って気に入ったモノ・サービスなどを紹介します。

2025年にもっとも“身近”だったデバイスが「Oura Ring 4」です。体調等を把握できるスマートリングの代表選手ですが、ほぼ24時間身につけているので、「スマホより身近」なデバイスと言えます。

スマートリングでできることは、基本的には健康管理。よく眠れているか、運動できているか、ストレスを貯めていないか、大きな体調の変化はないか、といったことが日々確認できるデバイスです。スマートウォッチでも似たようなことはできたりしますが、より正確な情報をほぼ常時取得し続けられるのがメリットかなと思っています。

「すごく便利になる」というものでもないのですが、生活に影響を与えたという点では、今年一番よく使い、長く身に着けたデバイスです。おそらく来年もそうなるでしょう。

7月から日本でも取り扱い開始しましたが、筆者が購入したのは年始の1月。Ouraの直販で輸入したため、349ドル+送料15ドル(59,775円)+関税もかかった記憶があります。現在は52,800円からで購入できるようです。

“実感”に近い睡眠検出が「Oura Ring 4」の魅力

Oura Ring 4は、指輪型の小型デバイスですが、睡眠や心拍、体表温、ストレスレベルなど50項目以上の生体データを測定・可視化できます。基本的には、「睡眠」「コンディション」「アクティビティ」、日々の自分の体調を把握できるのですが、個人的には「睡眠」「コンディション」を重視しています。

Apple Watchも使っているので、機能的には代替できるはずなのですが、身につけやすさ、特に「睡眠時に気にならない」という点ではリング型デバイスのメリットは大きいと感じます。

Oura Ring 4で取得できる睡眠データについては、スコアが[70]を超えれば「まあまあ」、[80]を超えるとかなり調子が良いという感じで、とにかく70以上をキープしたいというイメージで使っています。睡眠時間の計測は概ね体感と同じで、6時間以上ちゃんと眠れると70を超えるられるという感じです。

Oura アプリ

あまり眠れず、スコアが[60]を下回った場合などは、その夜は早く寝る、あるいは運動を取り入れて寝やすい状態に持っていく、などの判断ができるようになるため、体調管理には役に立つと感じています。実際には深夜に仕事をしたり、早朝移動などのために眠れないといったときもありますが、週単位で折り合いをつけるなどの目安にはなります。筆者を含め、不規則な生活になりがちな人には、こうした「ガイド」の力は必要だなと思っています。

気に入っているのは、睡眠検出の精度です。睡眠時間は自分の実感に近く、何度も目覚めてしまったときは、「ベッドにいた時間」に対する「合計睡眠時間」は短く、スコアも低くなってしまいます。逆に、ほぼ目覚めず、朝までぐっすり眠れたときはスコアも高く出てきます。そうした調子が良さそうな日は、起床後にすぐにOuraアプリを開いて、高いスコアを確認すると、その日のやる気も出るような気がしています。

睡眠を細かく把握

また、運動後にはしっかり眠れていることが、データとして確実に出ているので、運動習慣の継続などにも価値はあると感じています。

また、会議や移動が続く、時間に追われる作業が続く場合などは、「ストレス」を知らせ、ゆっくりリラックスできているときには「修復」を教えてくれます。なぜストレスを検出できるのかよくわかりませんが、実感に近いデータが取れていると感じます。

休日でも「イライラが残っているな」などと心身の状態を把握できます。具体的な対応に困るときもありますが、自分の行動を変えるきっかけにはなります。また、Ouraに「今日は修復時間が多めでした」と言われると疲れが抜ける気がします。「気のせい」かもしれないですが、それでも気分は良くなります。

ただ、11月末からは、「安静時心拍数が高い」と表示されるものの、なかなか数値は下がっていきません。実際には平均の範囲で、昨冬の実績を見ても寒くなると高くなるようなのですが、毎日「高い」を言われると不安になります。2週間程度すると、それが平均と認識されるようで、下げる努力を促されなくなりましたが、信頼しているだけに、厳しい指摘がなされると少し不安を感じることもありました。

アプリのアップデートも多く、機能追加も多いので、使っていて飽きるようなこともありません。最近は「睡眠負債」がすごくわかりやすく表示できるようになったため、この負債削減を意識するようになりました。

自分に一体化したように感じて手放せないOura Ring 4ですが、フル機能の利用には月額990円のサブスク契約が必要です。最近は、SOXAI Ring 2やGalaxy Ringなど多くのスマートリングが本体費用だけで使えるようになっており、年間1.2万円のサブスク費用負担は少々重たいとも感じています。Oura Ring 4は本体価格も高めですので、初めてスマートリングを使う場合はややハードルが高いかもしれません。

とはいえ、自分にとっては「必需品」になっており、こうした健康に関するデータは信頼できる企業に管理していただきたいという部分もあるので、今のところ納得して使っています。

サイズは超重要という話

余談ですが、Oura Ringなどのスマートリング利用では、「サイズ」の選択に注意しましょう。筆者の場合、(サイズを選択するために先に送られてくる)サイジングキット到着後、ちょうどいいサイズということで「9」を選びました。人差し指に10分程度つけてこんなものかな? と判断したのですが、実際に届いてみると、かなりキツめです。

Oura Ringを24時間装着してみると、朝も夜もけっこうむくみがでるようで、時間や日によってフィット感はかなり変わります。明らかにサイズが小さかったなと感じました。

面倒なのでこのまま使い続けようか、と思ったのですが、Ouraでは1カ月は無料でサイズ交換できるとのこと。面倒ではありましたが、約6万円と高額なこと、今後使い続ける可能性が高いことから、「10」にサイズアップしました。

とにかくサイジングキットによるサイズ選びは、リング利用の満足度を決める最重要な要素になります。数日間つけてみるなどで、慎重に判断した方がよいと思います。

Apple Watchも対応した「睡眠スコア」

もうひとつ「身につける」系ガジェットとして、今年購入したのは、「Apple Watch Series 11」です。4年弱使った、Series 8から買い替えました。スポーツループがなかなかいいです。

Oura Ring 4とApple Watch Series 11

従来機種から機能面ではそれほど大した違いはないのですが、バッテリーが持つようになったこと、ケースのデザインやループの質感などは気に入っています。ただし、プールで泳いだ時に、バンドに水が染みてしまうため、プールに行くときは「スポーツバンドに変える」という想定をしていたのですがやはり面倒くさくて、そのまま泳いでいます。来年はこの点を変えたいなと思っています。

Apple Watch Series 11の特徴として「睡眠スコア」にも対応しました。そのため「Oura Ring 4」を置き換えられるのでは? そうすれば毎月の990円を削減できる、と考えていました。

しかし、いまのところ睡眠の精度はOuraのほうが正確と感じています。2週間ほどApple Watchを併用しましたが、Apple Watchのほうが高めの良いスコアが出る傾向で、実感よりも“眠れている”と表示されると感じました。高いスコアを見ると、ちょっとうれしくはなりますが、ここは実感に近いOura Ringを選択しています。

こうした健康管理系のデバイスは今後の競争や進化も激しくなりそうですので、26年以降もいろいろ試していきたいと思います。

臼田勤哉