レビュー
画面サイズを選べる“悩み” グーグル「Pixel 9」「Pixel 9 Pro XL」を試す
2024年8月22日 02:00
Googleが自ら手がけるスマートフォン「Pixel」シリーズ。その最新モデルが2024年8月22日から順次発売されます。本体デザインは過去モデルを踏襲しつつも、スペック改善、ラインナップ拡充(3+1機種)など様々なブラッシュアップが図られています。また例年に比べて発売時期が2カ月前倒しされるのも異例です。
そこで今回は、新発売モデルの中でも先陣を切る「Pixel 9」と「Pixel 9 Pro XL」のレビューをお届けします。従来機種の特徴を色濃く継承していますが、細部をチェックしてみると中々に違いがありまして……。
Pixel 5(2020年発売)を皮切りに、仕事・プライベート兼用のスマートフォンとしてPixelを使い続けている筆者が、気になるポイントをチェックしました。なお現在のメイン端末はPixel 8 Pro(256GB)で、これをほぼ常用。研究・検証用の予備としてPixel 8(128GB)を自宅に備え付けています。
メモリーやチップセットが順当強化 一方、重量もアップ
まず、これまで発売されたPixel シリーズの特徴を表に抜粋しましたので、ご覧ください。
モデル | Pixel 9 | Pixel 9 Pro | Pixel 9 Pro XL |
---|---|---|---|
価格(製品発表時点) | 128,900円~ | 159,900円~ | 177,900円~ |
画面サイズ | 6.3 | 6.3 | 6.7 |
画面画素数 | 1080×2424 | 1280×2856 | 1344×2992 |
画面リフレッシュレート(最大) | 120MHz | 120MHz | 120MHz |
重量 | 198g | 199g | 221g |
バッテリー容量(mAh) | 4,700 | 4,700 | 5,060 |
ワイヤレス充電 | ○ | ○ | ○ |
メモリー(GB) | 12 | 16 | 16 |
ストレージ(GB) | 128/256 | 128/256/512 | 128/256/512 |
プロセッサー | Tensor G4 | Tensor G4 | Tensor G4 |
ミリ波(5G)対応 | × | × | × |
メイン(背面)カメラ1 | 50 メガピクセル Octa PD 広角カメラ | 50 メガピクセル Octa PD 広角カメラ | 50 メガピクセル Octa PD 広角カメラ |
メイン(背面)カメラ2 | 48 メガピクセル Quad PD ウルトラワイド カメラ | 48 メガピクセル Quad PD ウルトラワイド カメラ | 48 メガピクセル Quad PD ウルトラワイド カメラ |
メイン(背面)カメラ3 | - | 光学ズーム5倍 48メガピクセル Quad PD 望遠カメラ | 光学ズーム5倍 48メガピクセル Quad PD 望遠カメラ |
Bluetooth | 5.3 | 5.3 | 5.3 |
マイク数 | 3 | 3 | 3 |
振り返ってみると、現行Pixelシリーズの転換点、第二の起源は2021年10月発売のPixel 6/6 Proでした。このモデルではGoogle自社設計の半導体チップ「Tensor」であったり、「カメラバー」と呼称される背面部デザインが初採用され、本年度モデルのPixel 9シリーズに至るまで、反映され続けています。
また毎年秋に発売されるモデルは、画面サイズと望遠レンズの有無で差別化された2モデル体制というのが通例でした。そこに、小さめの画面サイズかつ望遠レンズ搭載という中間的モデル「Pixel 9 Pro」が加わり、3モデル体制となりました。シリーズにとって、本年最大のトピックと言えるでしょう。
ただその結果、「Pixel 6 Pro」「Pixel 7 Pro」「Pixel 8 Pro」と続いてきた6.7インチ画面モデルの命名ルールが変わり、2024年モデルでは「Pixel 9 Pro XL」へと改称(?)されました。
“3モデル体制である”という点をしっかり認識しておけば特に混乱は起きないと思いますが、念のためご注意を。「Pixel 9 Proの画面サイズはあくまで6.3インチ」です!
Pixel 9
ここからは、従来機種との違いを上記スペック表の視点で見ていきましょう。まずはスタンダードモデル的な位置付けのPixel 9です。このシリーズは6インチ台前半のディスプレイを採用するのが恒例で、Pixel 9は6.3インチとなりました。Pixel 7で6.3インチだったものがPixel 8で6.2インチへ小型化され、Pixel 9で再び大型化された格好です。
この結果、本体重量はPixel 8から10g増の198gに。「とにかく小型モデルが欲しい!」という方には若干残念な変更となりました。その分と言うべきか、バッテリー容量は125mAh分増加しています。そしてメイン背面カメラのスペックはPixel 8をほぼ引き継いでいます。2眼式で、光学望遠がないのも同様。
筆者私物のPixel 8と持ち比べてみると、やはり10gの重量差は若干ながら感じられます。ただボタン類の位置は変わらず、操作性という意味ではほぼ違和感なく、新モデルへ乗り換えられそうです(これについてはまた後ほど)。
かなり細かな部分にはなりますが、SIMカードトレイの位置は(本体を縦持ちした場合の)側面左側から、側面下部へ変更されました。ヘルプ記事によると、Pixel 8ではこの位置に横長のマイク穴が元々あったのですが、この開口部が単純な丸型穴に小型化され、その余裕ができたスペースにSIMカードトレイが移動してきた格好です。このため、ケースを装着した状態でも見た目はかなり変わりました。
また言わずもがな、スマホの頭脳部にあたるチップセットはTensorの最新版である「Tensor G4」に更新されました。Googleの生成AIに最適化されており、マルチモーダルの生成AI「Gemini Nano」をスマホ上で初めて実行できるようになったとGoogleではアピールしています。さらにメモリー容量は12GBとなり、Pixel 8の8GBと比べてさらに余裕ができました。
Pixel 9 Pro XL
Pixel 9 Pro XLの画面サイズは、前モデル(Pixel 8 Pro)と同じ6.7インチ。バッテリー容量も10mAh分アップと、まさに微増に留まっています。Proのアイデンティティーと言える望遠カメラも、光学ズーム性能は5倍のまま変わりません。
重量はPixel 8 Proの213gからさらに増え、8g増の221gと、ついに220g台へと突入しました。この“大台を超えた”という先入観からなのか、Pixel 9 Pro XLはPixel 8 Proと比べてかなり重くなった印象です。この重量感についてはPixel 9の件も含め、次項でもう少し触れます。
メインカメラは光学5倍の望遠レンズを加えた3眼式。Proのついたモデルではもうおなじみの仕様となりました。望遠によって、例えば手元の料理の写真を撮るにあたっても、構図の自由度がグッと向上します。カメラに興味がない方にも一度試してほしい機能です。以下、ズーム機能のサンプル画像をご用意しました。こうやって単純に遠くのものを撮影するのにも、便利です。
なおレンズが配置されるカメラバーを見ると分かりますが、Pixel 9 Pro XLには温度計測センサー(非接触式)が引き続き搭載されています。
従来機種との明確な違いは、自撮り用前面カメラのスペックです。Pixel 8 Proでは10.5メガピクセルでしたが、Pixel 9 Pro XLでは42メガピクセルへと一気に強化。自撮りの機会が多い方にとって、地味ながら嬉しい進化でしょう(ちなみにPixel 9の自撮りカメラは10.5メガピクセル)。一応、新旧両機種で撮った自撮り写真(アラフィフおじさん)を置いておきますね。
Tensor G4を採用しつつ、メモリは16GBと、Pixel 9よりさらにパワーアップしています。一方で、従来機種から明確に後退したのは、5G通信におけるミリ波の非対応化です。ミリ波のサービスエリアは極めて限定的とされますが、とはいえその電波帯で通信できるのはProシリーズの明確な優位点でした。「ミリ波対応スマホの端末割引を拡充しては?」という議論もあるだけに、将来的な再採用などもあるか、見守る必要がありそうです。
なおPixel 9と同じく、SIMカードトレイの位置変更(とマイク穴の小型化)がPixel 9 Pro XLにも適用されています。
側面フレームが鋭角的に変化 手持ち時の感触はかなりの違い
このほか、Pixel 9/Pixel 9 Pro XLに共通する強化点としてはWi-Fi 7対応が挙げられます。Wi-Fi 7は、Wi-Fiの最新規格ゆえ、街中の無料Wi-Fiスポットなどで今すぐ日常的に使える状態ではありません。しかし、個人宅などから少しずつ普及していくのもまた確か。1度買ったPixelを長期に渡って使うという意味で、安心ポイントになるでしょう。
指紋認証センサーが超音波式に変わった点も大きい変化です。Pixel 8 Proでは画面内の指紋センサーに指をタッチすると、その部分が真っ白く光って指紋を読み取っていました。これに対して新モデルは光ることなく読取りを実施。資料によると速度も50%高速化しているとのこと。
本体デザイン面では、カメラバーの雰囲気が大きく変わりました。背面カメラ用レンズや各種センサー類がまとめた突起部を、長方形のバー状に配置するというのがPixelの外見上の特徴でした。これがPixel 9/Pixel 9 Pro XLでは、楕円状に変化。よって詳しい人が見れば、電車で反対側の人が座って操作しているときに「あ、あの人Pixel 9使ってるね」と分かります。そして純正ケースと組み合わせると、カメラバーの突起が目立たなくなる点は従来のままです。
一方で、声を大にしてお伝えしておきたいのが、本体側面部の変化です。従来のPixelシリーズはその大半で、ラウンド形状と言いましょうか、側面部に丸みが付けられていました。手で本体を握り込んだときには、指や手のひらにフィットするような柔らかいイメージです。
これに対してPixel 9/Pixel 9 Pro XLでは、垂直に切り立ったフレームが側面を取り囲んでいるというか、かなり鋭角的な風合いになりました。もちろん肌とのアタリは考慮されているようで、角が立ちすぎて触ると痛いといったことはありません。ただ、デスクに置いてある状態から持ち上げたり、片手操作のために握り込むと、明らかに違いを感じます。この感覚は純正ケースを装着しても変わりません(金属製の本体か軟質性カバーかの違いは当然ありますが)。
今回の試用は約1週間ほどでしたが、この短い期間ではどうにもこのフィーリングの違いに違和感がありました。無茶を承知でこの感覚を説明しますと、従来Pixelの触り心地が固形石けんだとしたら、Pixel 9/Pixel 9 Pro XLはかまぼこ板(繰り返しますが、あくまで『あえて』の説明ですからね!)。どちらが優れているという話ではなく、個人の好き嫌い、慣れ不慣れに依拠する要素ではあります。
そして鋭角的な仕上げになった結果、「直方体の塊感」が強くなったのも確か。ゴツゴツ感が増し、数値の差以上に重く感じるというのが筆者の率直な感想です。特に“ゴツさ”は、Pixel 8 ProとPixel 9 Pro XLの比較において顕著に感じました。ただ繰り返しになりますが、なにぶん主観的な話になりますので、一度ご自身で店頭デモ機などに触れることをオススメします。
「編集マジック」がさらに進化 新機能「オートフレーム」は写真の外側を補完
ここ数年、PixelではAI対応が大きく打ち出されています。例えば画像編集機能は消しゴムマジック、編集マジック、動画周りでは音声消しゴムマジックなどがあり、数年かけて進化してきています。これらについては過去のレビューでもご説明しました。
Pixel 9/Pixel 9 Pro XLにおいても、AIのパワーを実感したいときは「Google フォト」アプリでなにかしらの画像を開き、「編集」メニューを開いた後に表示される編集マジックアイコン(グラデーションがかかっていて簡単に判別可能)をタップしましょう。この状態でさらに“魔法の杖”を示すアイコンを選ぶと、関連するメニューが特にピックアップされて表示されます。「空」「ゴールデンアワー」「スタイル適用」などの操作がケースバイケースで提示されます。
Pixel 9世代で新たに提供されたものに「オートフレーム」になります。見切れている背景を、AIの力で補完。より広角で撮ったようにしたり、縦長で撮った横長で写真を撮ったかのように編集できます。
以下はその例です。画像自体はPixel 8 Proで撮影しています。1枚目がオリジナルですが、2枚目の背景をよく見ると背景の木(写真右側)とビル(写真左側)が明らかに補完されています。胸元のシャツの見え方も違います。2枚目の写真をトリミングして1枚目にした訳ではありません。恐るべし……。これだけの加工が数タップでできてしまいます。
3枚目は縦長写真を横長化した例。一見して単純なトリミングに見えますが、背景の木のさらに右側に、やや赤っぽい木が足されています。
なお提案される加工パターンの中には、効果がやや分かりづらいものもありました。それこそ単純に切り抜きトリミングをしただけでは? という感じなのですが、写真の主題を分かりやすくするような効果もあるかも? 上手くいかない場合は、違う画像で試してみてください。
またカメラ撮影時のいち機能「一緒に写る」は、撮影者を交代して2回撮影すれば、合成で全員の集合写真を撮れるというもの。今回の試用期間中には準備できなかったので(友だちが極めて少なく……)、Google提供のサンプルをご参照ください。
「ズーム画質向上」もなかなか期待できそうな機能です。これはProモデル限定という扱いで、逆に言うとPixel 8 Proでも利用できました(8月21日時点で筆者私物にて確認)。Pixel 9では利用できません。
画像は編集時に拡大しようとしても、ノイズが出たり画面がザラつくのは当然。これを生成AIで補完しようという機能です。以下の画像は、池に浮かぶ鳥を遠方から撮影しました。もう少しクローズアップして画像全体に大写しにしたくはあります。
Google フォトの編集メニューから「ツール」を選ぶと、「ズーム画質向上」が選べます(編集マジック内にはない模様)。理想の画角になるようピンチイン・ピンチアウトして実行すると、数秒の後、画像が出力されます。鳥の首や羽のディティールが向上しています。
Gemini強化の実際は?
Googleでは、Pixel 9世代に搭載されたチップセット「Tensor G4」によって、生成AIとしての「Gemini」がさらに強化されるとアピールしています。
とはいえGeminiのイメージはまだ固まりきっておらず、筆者のように「自然な会話調でプロンプト(命令)を入力したら、ある程度しっかりした回答を返してくれる検索エンジン」くらいにしか認識していない方もいるのではないでしょうか?
さりとて、とにもかくにも使ってみなければ。Pixel 9 Pro XLでは、セットアップすると有料サブスク型生成AIサービス「Gemini Advanced」が組み込まれた「Google One AI プレミアム プラン」(月額2,900円)を6カ月分試用できる特典があるので、有効化してみました。
Geminiの利用方法は、まずは音声アシスタント的なものが1つ。電源ボタンを長押しするとGeminiが起動するので、言葉で話しかければ回答してくれます。「8時に起こして」と呼び掛ければ、これまでのGoogleアシスタントと同様、スマホの操作を一部実行してくれます。また「歴代の日本銀行総裁の名前(を)教えて」と問えば、関連した日本銀行のホームページを提示するのではなく、歴代30名を超える方々のうち、一部ピックアップして紹介してくれました
ちょっと驚いたのが、「Gemini Advanced」を登録していないアカウントで同様の日銀総裁に関する質問をしたら、返答が変わったところ。Gemini Advanced未登録のPixel 8だと「現時点ではそのリクエストには対応できません」、同じく未登録のPixel 9では「選挙または政治家に関する回答には対応できませんと表示されました。なるほど、これが利用している学習モデルがGemini Advancedでは違う、ということのようです。
また回答メッセージの画面も少々異なります。Gemini Advancedのほうはメッセージ冒頭に赤いGeminiアイコン、通常Geminiは青いGeminiアイコンが出ていました。
もう1点気になっていたのが反応速度でした。Gemini Advancedの有無やTensor G4の搭載可否でプロンプト入力から結果出力までに大きな違い出るかと身構えていたのですが、今回の使用範囲では実感できるところまでいかず。
それと「Gemini nanoはローカルで使える」と聞いたので、「それって機内モードで通信隔離しても動くことなの?」……と思って試してみましたが、まったくダメ。しっかりネットワーク接続を求められました。そういうことではないようです笑)
Gemini Advancedを色々使ってみましたが、現状の筆者の結論としては「キーボード入力で長文プロンプトを何度も追加入力するほうがいいのでは?」 つまりはPCのほうが本領を発揮すると考えます。
例えば以下は、PC(ブラウザーはChrome)を使ってGemini Advancedのアカウントから「Google Pixelの歴史に関する記事を書こうと思います。歴代機種のスペックを表にまとめてください」とプロンプト入力した際の結果です。Pixel 8シリーズが未反映だったりと抜け・漏れは確かにありますが、なかなかお見事。ちなみに無料版Geminiで同じプロンプトを入れると、表に反映された2機種だけ、かつ“記事の書き方”的なアドバイスが中心でした。やはり、有料か無料でかなり内容は違うようです。
そしてプロンプトはドンドン追加していけます。「この表に価格を追加してください」と命令すれば、それを(完璧ではないものの)実行してくれます。1回限りの命令のやりとりでなく、命令を重ねられるのがGeminiを筆頭とした生成AIの利点。「音声で生成AIでいってもなぁ」という方は、一度文字入力で複雑なプロンプトを登録してみると良いのではないでしょうか。
余談になりますが、AI分野は機能・サービスの進化がとにかく高速です。それゆえ、今回紹介したGeminiの機能が、Tensor G4があってこそのサービスなのか、Gemini Advancedを契約すれば別にPCでも利用できる機能なのか、区別が付きづらいというのも実体かと思います。
例えば画像処理の消しゴムマジック機能は、AIを確実に使ってはいるが、しかしGeminiをチャットボットと捉えると、その範疇には収められません。さらに、Pixel限定提供の機能だったかと思えば、今ではGoogle One契約者であれば端末に関わりなく広く利用できます。
ならば、“今はPixel 9以降でなければ使えない生成AIであっても、いずれは広く利用できるだろう”との予測も立ちます。Pixelにはアドバンテージを用意して、例えば通常なら5個しか出ない答えがPixelなら10個出るとか、あるいは返答のスピードが速いとか、なにかしらの差別化をし、かつ分かりやすく提示する必要性が、極めて高いと思います。
現状のGeminiでもアイコンのカラーによって機能判別はできますが、サブスク未登録者がGeminiを利用したら「登録したら○○が増えます」と案内したり、「月に1回だけ無料でGemini Advancedが使えます」とする施策が、求められそうです。
画面サイズ再考 6.3インチか6.7インチか 重量と価格も考慮して
さて最後にまとめです。今回は機材の関係で、完全新顔モデルであるPixel 9 Proには言及できませんでした。発売も9月以降のため、店頭で実機を見られるのは恐らくもう少し先。購入検討者にとって、見たことのない1機種と、お馴染みの2機種の合計3機種を想像して比べるのはなかなか大変です。
なおAI、Gemini周りの機能については、英語では利用できていても日本語は未対応というのがまだまだ多い状況です。発売直後の段階では、Gemini Advancedをしっかり試しつつも、過度に期待すぎないのが「吉」でしょう。
筆者はどのモデルを購入するか、悩みに悩みまくっております。2022年にPixel 7 Proを購入し、それまでの小型スマホ愛好家から、大型スマホ許容派へと転身。2年経った今も、その選択が間違ったとは思っていません。やはり大画面は動画と相性がよく、ABEMA(の将棋チャンネル)やYouTubeを自宅・外出先いずれで見るにしても、快適度が違います。カメラ撮影時のファインダーとしても、大画面は絶対に有利です。
そんなこんなで端末が200g超えでもへっちゃら! ……と調子こいていたら、先に述べたとおりPixel 9 Pro XLはついに220g超え(正確には221g)となりました。実際手に取って見ても、やはり220gを境に大きなギャップがあるように思います。
そして価格も、事態を複雑にしています。Googleストア販売価格は容量最小の128GBモデルがPixel 9は128.900円、Pixel 9 Proが159,900円、Pixel 9 Pro XLが177,900円からとなっています。256GBモデルはもう一段高くなりますし、携帯電話各社の販売分は少し割高な設定がされています。10万円台後半は、割賦販売であってもなかなかの水準です。
こうした現状を踏まえ、新カテゴリー製品への興味、節約志向、そして小型スマホ愛好家であった自分を思い出すために、Pixel 9 Proの購入をいまのところ本命にしています(土壇場で変わったらスミマセン)。サブ機で6.2インチのPixel 8使っているから違和感なしに移行できるとは思うのですが。
皆さんもきっとお悩みでしょう。重さに関しては完全に主観の話。懐事情も人それぞれです。ただ一歩踏みとどまって、考え抜くのもまた意義ある事ではないでしょうか。特に今回は、いつものPixelより発売が2カ月前倒しになっています。各社の割引キャンペーンの締切を意識しながら、購入モデルをじっくり選択してみては?