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グーグル「Pixel 10 Pro」登場 新フラッグシップスマホは写真コーチ

Pixel 10シリーズ

Googleは、新フラッグシップスマートフォン「Pixel 10」シリーズを8月28日から発売する。「Pixel 10」と「Pixel 10 Pro」、「Pixel 10 Pro XL」の3モデルを展開する。GeminiなどのAI機能やカメラを強化したほか、「Pixel 10」と「Pixel 10 Pro」は6.3型、「Pixel 10 Pro XL」は6.8型ディスプレイを搭載する。価格は128,900円~252,900円。なお、フォルダブルの「Pixel 10 Pro Fold」は10月9日から発売し、価格は256GBが267,500円~。

無印のPixel 10シリーズは、ディスプレイサイズが6.3型で、メモリ12GB、ストレージは128GBから。カメラが光学5倍ズームで最大20倍の超解像ズームを搭載する。Pixel 10 Proは、6.3型(10 Pro)と6.8型(10 Pro XL)で、メモリは16GB。カメラは光学5倍ズームで、最大100倍の「超解像ズームPro」に対応する点が大きな違いとなる。なお、10 Pro/10 Pro XLでは、128GBモデルがなくなった。

  • Google Pixel 10 128GB:128,900円
  • Google Pixel 10 256GB:143,900円
  • Google Pixel 10 Pro 256GB:174,900円
  • Google Pixel 10 Pro 512GB:194,900円
  • Google Pixel 10 Pro XL 256GB:192,900円
  • Google Pixel 10 Pro XL 512GB:212,900円
左からPixel 10、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XL

新たな「Tensor G5プロセッサ」とGemini Nanoの搭載により、AIを大幅に強化。AIがカメラ撮影についてユーザーにアドバイスしながら撮影できる「カメラコーチ」などの新機能を搭載した。また、長時間バッテリ駆動やQi2対応の「PixelSnap」によるワイヤレス充電などが特徴となる。

なお、折りたたみ型のスマートフォン新型「Pixel 10 Fold 2」やスマートウォッチの「Pixel Watch 4」、イヤフォン「Pixel Buds 2a」も10月9日から発売される。ここではFold以外のPixel 10シリーズについて紹介する。

  • Google Pixel 10 Pro Fold 256GB:267,500円
  • Google Pixel 10 Pro Fold 512GB:287,500円
  • Google Pixel Watch 4(41mm LTE モデル):69,800円
  • Google Pixel Watch 4(41mm Bluetooth/ Wi-Fiモデル):52,800円
  • Google Pixel Watch 4(45mm LTE モデル):76,800円
  • Google Pixel Watch 4(45mm Bluetooth/ Wi-Fiモデル):59,800円
  • Google Pixel Buds 2a:23,800円

基本性能を全て向上したPixel 10シリーズ

Pixelシリーズのフラッグシップモデルが一新。Pixel 10 Proシリーズは、新世代「Google Tensor G5プロセッサ」や16GBメモリを搭載するほか、「Gemini」によるAI機能の強化が特徴となる。

Tensor G5は従来よりTPU性能を60%向上したことで、AI体験を向上したほか、CPUも平均34%高速化。画像処理関連の性能向上や、バッテリー駆動時間の向上も図られている。

Pixel 10 Pro XL

Pixel 10 Pro/10 Pro XLの主な違いはディスプレイサイズ。Pixel 10 Proは6.3型/1,280×2,856ドット(495ppi)、Pixel 10 Pro XLは6.7型/1,344×2,992ドット(486ppi)で、いずれもLPTO OLED「Super Actuaディスプレイ」で明るく、没入感あるディスプレイを採用する。

アスペクト比はいずれも20:9、フレームレートは1Hz~120Hz。輝度は2,200nit(最大3,300nit)で、従来モデルより明るさがアップした。

Pixel 10 Pro
Pixel 10 Pro XL

Pixel 10は、6.3型/1,080×2,424ドット(422ppi)のOLED「Actuaディスプレイ」、フレームレートは60Hz~120Hz。輝度は2,000nit(最大3,000nit)。

メモリはPixel 10 Pro/Pro XLが16GB、Pixel 10が12GB。ストレージはPixel 10 Pro/10 Pro XLが256GB/512GBで、Pixel 10が128GB/256GB。

Pixel 10

カラーは、Pixel 10 Pro/Pro XLがMoonstone、Jade、Porcelain、Obsidianの4色。Pixel 10は、Indigo、Frost、Lemongrass、Obsidianの4色。OSはいずれもAndroid 16で、OS、セキュリティ、Pixel Dropのアップデートを7年間提供する。

指紋認証と顔認証機能、パターン、PIN、パスワードによる認証機能を搭載。SIMはデュアルSIM(ナノSIM×1とeSIMもしくはeSIM×2)。Wi-Fi 7、Bluetooth v6、NFC、FeliCa、Google Cast、Threadなどに対応する。OSはいずれもAndroid 16で、OS、セキュリティ、Pixel Dropのアップデートを7年間提供する。

IP68準拠の防塵・防水性能を有する。100%リサイクル素材のアルミニウムを本体に採用し、Pixel 10 Pro XLは全体重量の29%、10 Proは30%、10は32%がリサイクル素材となる。

外形寸法と重量は、Pixel 10 ProとPixel 10がほぼ共通で72×152.8×8.6mm、207g(10 Pro)/204g(10)。Pixel 10 Pro XLが76.6×162.8×8.5mm、232g。Pixel 9シリーズとほぼ同じサイズで重量が若干重くなった形だ。

バッテリー容量は、Pixel 10 Proが4,870mAh、Pixel 10 Pro XLが5,200mAh、Pixel 10が4,970mAhでいずれも30時間以上のバッテリー駆動に対応する。いずれもQi2によるワイヤレス充電に対応するほか、Qi2の最適化による「PixelSnap」ブランドを提案している。ワイヤレス充電時はPixel 10/10 Proが最大出力15Wで、10 Pro XLのみ最大25WのQi 2.2での充電が可能となる。充電端子はUSB Type-C。

Pixel 10 Pro/10 Pro XLの特徴
Pixelsnap

Google 史上最高のカメラシステム

Google Pixel 10 Pro/Pro XLは、「Google 史上最高」を謳うカメラシステムを搭載する。

背面カメラは、50メガピクセル(広角)、48メガピクセル(ウルトラワイド、マクロフォーカス付き)、48メガピクセル(望遠レンズ)。最大100倍の超解像ズームに対応する。

超解像ズーム機能はPro 9の30倍から、最大100倍まで強化された「超解像ズームPro」で、画像生成や動画生成に使われる拡散(Diffusion)モデルを活用している。広角カメラには手ぶれ補正機能も備えている。前面カメラは、42メガピクセル Dual PD 自撮りカメラ(オートフォーカス機能付き)。103度の広視野角で「モバイルデバイスで最高の自撮りカメラ」としている。

マクロ フォーカス、夜景モード、天体写真撮影、高解像度ポートレート モード、顔フォーカス、オートベストテイクなどPixel独自機能も搭載。AIを活用した消しゴムマジックや背景ぼかし、自動フレーム、ボケ補正などの機能も備えている。

動画撮影は、動画ブーストを使った8K動画撮影(24/30fps)や、4K動画撮影(24/30/60fps)などに対応。20倍の超解像ズーム動画などに対応する。

また、オーディオ機能も強化し、ステレオ スピーカー/マイク×3とノイズ サプレッションに対応。さらに空間オーディオもサポートし、「Pixel史上最高のオーディオ」としている。

Pixel 10のトリプル背面カメラは、48メガピクセル(広角)と13メガピクセル(ウルトラワイド、マクロフォーカス機能付き)、10.8メガピクセル デュアルPD望遠カメラから構成される。超解像ズームは最大20倍。前面カメラは、10.5メガピクセルDual PD自撮りカメラ(オートフォーカス機能付き)。

Pixel 10

10 Proシリーズと同様に、夜景モード、天体写真、ポートレートモードなどの撮影モードのほか、編集マジックや消しゴムマジックなどの編集機能を搭載。4K動画撮影にも対応する。

AIがカメラ撮影を教える「カメラコーチ」

AIを使ったカメラ機能の新提案として、「カメラコーチ」に対応。カメラを撮りたい対象に向けたあとで、上部のボタンをタップすると、最適な構図や設定をガイドし、数ステップでよりよい写真撮影につなげるというもの。

例えば、人物を撮影する場合は、「もう少し近寄って」や「ベンチが入らないように構図を変えて」といった提案や、「ライトが印象的になる角度」を案内。またカメラを向けられている人に「少し笑ってくださいと話しかけて」など、被写体のポーズや表情に対するアドバイスもカメラ画面上で案内する。

「オートベストテイク」は、グループでの写真撮影時に最大150枚の画像を数秒で分析し、各人が最高の表情をしている瞬間を組み合わせる機能。「完璧なグループフォト」を実現する。また、カメラを通して見ているものをGeminiが理解し、画面上でハイライトしながら説明する「Visual Overlay」も搭載する。

カメラは、「C2PA」によるコンテンツクレデンシャルに対応。C2PAは、撮影したカメラや撮影者、編集履歴などを記録できる規格だが、AIによる編集などの履歴を残すことで、どのように作られた画像なのかわかるようになる。GoogleではPixel 10シリーズが「初のC2PAコンテンツクレデンシャル対応スマートフォン」としている。

進化するGeminiの新機能 AI統合を本格化

「Gemini」によるAI機能の強化も特徴。電源ボタンの長押しでGeminiを起動して、文章の作成や、イベントの計画などでGeminiを活用できる。オンデバイス(スマホ本体)で20以上のAI体験を提供可能としている。

新機能となるのが「マジックサジェスト(Magic You)」、AIがユーザーの行動を予測し、カレンダーの確認やメールの返信など、文脈に応じた提案をリアルタイムで行なう。例えば、航空会社に電話する場合に、あらかじめGmailからフライト情報を呼び出して通話画面に表示。フライト情報を確認しながら電話できるようになる。

関連情報や役立つアクションを提案することで、アプリ間を行き来する時間や手間を省く。

マジックサジェスト

さらに通話においては「マイボイス通訳」に対応。異なる言語を使う相手と電話する際に、相手の言葉をリアルタイムで翻訳し、自分の言葉も翻訳して伝えることができる。自分も通話相手の声もAIモデルを使用して、よく似た声色で生成されるため、自然な会話を実現できるという。日本では、Pixel 10シリーズ発売時点で、英語と日本語のマイボイス通訳に対応する。

マイボイス通訳

また、自分だけのAIデータベースを作れる「NotebookLM」が「レコーダー」アプリに対応。レコーダーアプリで録音した音声の書き起こしテキストを、共有ボタンからすぐにNotebookLMに転送できるため、データ集約が簡単になる。なお、音声そのもののNotebookLM転送は、現時点では非対応。

レコーダーで書き起こしたテキストをNotebookLMに転送

なお、Google ストア限定の発売記念特典として、対象スマホの下取りと次回以降に使える Google ストアクレジットの付与で、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XLが実質49,800円~購入可能なキャンペーンを9月8日まで実施。また、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの各キャリアも販売する。