ミニレビュー

小さくなって“着け続ける”価値が増した Oura Ring 5の真価

Ouraのスマートリング新モデル「Oura Ring 5」が登場しました。Ring 4と比べて本体を小型化し、より着け続けやすいデザインにしたことが主な変更点です。

筆者はこれまでOura Ring 4を使い、睡眠、心拍数、体表温、日中のストレスなどを日々記録してきました。寝た時間や起きた時間だけでなく、横になっている時間や短い昼寝が記録されることもあり、生活リズムを振り返る材料として使っています。

Oura Ring 5で注目したいのは、新機能の数よりも、毎日装着し続けやすくなったかどうかです。Ouraによれば、Ring 5はRing 4比で40%小型化され、幅6.09mm、厚さ2.28mmと、かなりスリムになりました。

違いは「着けっぱなし」のしやすさ

Oura Ring 5を使い始めて、最初に感じたことは指に着けたときの違和感の少なさでした。

Oura Ring 4(左)、Oura Ring 5(右)。同じサイズでも一回り小さくなっている
Oura Ring 5(左)とOura Ring 4(右)

見た目の印象もすっきりしています。スマートリングである以上、一般的な指輪より存在感はありますが、キーボードを打つ、マウスを握る、スマートフォンを持つといった日常の動作では、使っていくうちに気にならなくなりました。

Oura Ring 4(左)、Oura Ring 5(右)。

特に違いを感じたのは家事の時です。Ring 4では、食器を洗っている最中に本体が食器に当たることが多く、そのたびに外していました。Ring 5では食器に当たる回数そのものが減り、外す機会も少なくなりました。

Oura Ring 5(左)とOura Ring 4(右)。

また、スマートウォッチと違い、画面や通知がないこともOura Ringの良さだと改めて感じています。日常生活の裏側で黙々とデータを取り続けるデバイスとして、仕事中も寝るときも、運動していない日も、体調が良い日も悪い日も、意識せず記録が積み上がっていきます。

Oura Ring 4 内側
Oura Ring 5 内側。LEDはRing 4よりも大型化されている

また小型化されただけでなく、バッテリー駆動時間は最大10日間とされており、小型化しながら電池持ちは伸びています。実感として充電回数が減ったと思います。

「症状レーダー」で体調の変化を見逃しにくくする

1年半ほどOura Ringで記録し続けて、あらためて印象に残ったのが「症状レーダー」と呼ばれる機能です。これはRing 5でも使えるもので、体表温や安静時心拍数、心拍変動、呼吸数などの変化をもとに、身体に負荷がかかっている兆候を示す機能です。Oura Ringを使い続けることで、自分の普段の状態からどれくらいズレているのかを見やすくなります。

重要なのは、これは病気を診断する機能ではないということです。Oura Ringは医療機器ではなく、「風邪です」「発熱します」と教えてくれるわけではありません。あくまで、普段の自分のデータと比べて、身体に変化が出ている可能性を示すものです。

ただ、筆者の場合、この症状レーダーがかなり実用的でした。

症状レーダーが実用的だと感じたのは、昨年12月にインフルエンザに罹患したときです。12月17日、Ouraアプリに「小さな兆候」と表示されました。Ringを使い始めてから、初めて表示されたアラートでした。

12月17日に小さな兆候が出現

その時点での自覚症状は、少し疲れている程度でした。喉の痛みは強くなく、発熱もしていません。普段通りに過ごそうと思えば過ごせる状態でした。しかし、その数日後に実際に発熱し、インフルエンザと診断されました。振り返ると、症状レーダーが表示された時点で、体はすでに普段と違う状態に入っていたのかもしれません。

24日に発熱。40度近い熱を出しインフルエンザと診断されました

もちろん、これだけで「Oura Ringが体調不良を予測した」とは言えません。データの変化と体調不良のタイミングが、たまたま重なった可能性もあります。兆候が出ても体調を崩さないこともあれば、逆に体調が悪くても明確なサインが出ないこともあるでしょう。

そう考えていたところ、今年6月10日に2回目の「小さな兆候」が表示されました。前回の経験があったため、この日は早めに寝る、無理をしない、葛根湯や栄養ドリンクを飲むといった対応を取りました。

半年ぶりに小さな兆候が出現

それでも、数日後に発熱しました。今回もOura Ringが発熱を予測したというより、体調が崩れる前の変化を可視化するきっかけになった、という見方が近いでしょう。

結局発熱はしてしまいました

休む判断を早めるためのサインとして使う

症状レーダーが便利だと感じたのは、体調不良を当てるからではありません。休む判断を早められるからです。

たとえば、少し疲れているだけなら、普段はそのまま仕事を続けたり、夜更かししたりしてしまいます。しかし、Oura Ring側で「兆候」が出ていると、今日は早めに寝よう、予定を詰め込みすぎないようにしよう、無理な外出は避けよう、といった判断につながります。

これは「病気を防ぐ」というより、「悪化させないための行動」に近いものです。体調を崩すかどうかを完全にコントロールすることはできませんが、少なくとも自分の身体の変化を無視しにくくなります。

改めて、Oura Ringの価値は、派手な通知や画面表示ではなく、何もしていない時間も含めて、自分の身体を静かに記録し続けることにあると感じました。Oura Ring 5は、その「着け続ける」ための完成度を高めたモデルだといえるでしょう。

佐々木 翼