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Oura Ring 4を4カ月使ってわかった、生活を見つめ直すデバイスの実力【Watch+】

4カ月着用していたため、細かい傷がやや目立つ

7月に発売したOura Ring 4を約4カ月使っています。いわゆるサブスク型(月額999円)のスマートリングですが、毎日のデータを眺めるうちに、単なる健康ガジェットではなく“自分の生活を観察するための装置”だと感じるようになりました。

筆者は運動習慣もあまりないので、着用当初は「何を計測するんだ」「計測してどうするのだ」と思っていましたが、実際に使ってみると印象が変わりました。

Oura Ringは睡眠や心拍数、体表温の変化などを自動で検出し、アプリで「睡眠スコア」「コンディション」「アクティビティ」「日中のストレス/心拍数」として表示します。特に印象的なのは、それらの計測精度の高さにあります。たとえば、入眠までの時間や、起床後に活動せずにベッドでゴロゴロしている時間、20分程度の昼寝まで正確にトラッキングしてくれたことです。ちょっと横になっただけの時間も、休息としてデータに反映されます。

睡眠時間の分析。この日は起床してから1時間もベッドにいた

こうして3カ月ほどデータを蓄積すると、Oura Ringがユーザーのクロノタイプ(活動が活発な時間帯の傾向)を分析してくれます。筆者の場合、もともと自分が夜型だと感じていましたが、Oura Ringの解析結果も「夜型」と表示されました。自分の感覚とデータが一致していて、日々のリズムをより客観的に見ることができるようになりました。筆者の場合、2時半に入眠し9時半に起床するのがよいそうです。また、心血管年齢(CVA)も計測してくれます。筆者は実年齢より1歳下ということでやや安心。

筆者のクロノタイプ
心血管年齢

夜型が朝早く起きて「朝活」をしようとしたならば、翌日の「日中のストレス」にも多少なりとも変化が起きます。平日もそうした傾向がグラフで示されると、言い訳が効かなくなります。そして数字を追ううちに、自分の感覚とのズレに気づきます。

ストレスの変動もわかる

データを積み上げていく過程は、日記をつけている感覚でふり返りが楽しくなりました。Ouraはユーザーの過去の行動傾向を学習し、一般的な平均値ではなく自分にとっての最適を示してくれます。

これがいちばん気に入っているところで、たとえば「昨日はあまり眠れなくて日中のストレスが高かったな」と感じたとき、そのデータをもとにその日はいつもより長く睡眠時間を確保する、といった判断ができます。体表温度が高い日には、体調不良のサインかもしれないと仮定して身体を温めたり、お風呂に浸かったりといった行動に自然とつながります。

体表温度

そういう意味でも、筆者は運動習慣があまりない中で、Oura Ring 4を通じて身体の状態を測るツールとしてしっかり機能していると感じています。むしろ、これがきっかけで健康を意識するようになったのかもしれません。

佐々木 翼