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有楽町ビル跡地「YURAKUCHO PARK」着工 都心で前例のない設計に挑戦
2026年8月28日 12:34
三菱地所は、東京・有楽町駅前の「有楽町ビル」「新有楽町ビル」跡地約1万m2で推進する「YURAKUCHO PARK」の新築工事を9月1日に着工する。人工地盤の構築など、都心における前例のない設計・施工手法に挑戦する。2027年竣工予定。
有楽町ビルは1966年、新有楽町ビルは1967年に竣工したビルで、ともに有楽町駅前の東京都千代田区有楽町一丁目にあった。両ビルは2023年に閉館した。
YURAKUCHO PARKは、建物解体後すぐに新たな建物を建てるのではなく、次のまちづくりへつなげる準備期間を活用する事業。挑戦を行なう「CHALLENGE」、国内外の多様なカルチャーを集積・発信する舞台を作る「CULTURE」、心が動き、出逢いが生まれる場をつくり、未来の礎を育む「PARK」をコンセプトに、「有楽町の未来を変える」新たな都市空間の創出に取り組む。パーク内には飲食・物販店舗やイベントスペースを整備する。
「YURAKUCHO PARK」の新築工事では、都心における前例のない設計・施工手法に挑戦するという。その1つが、人工地盤の構築。暫定利用期間を創出するため、まず有楽町ビル・新有楽町ビル地上部を全面的に解体。地下既存躯体を活かした地盤を構築することで、その上部での建築物の建設を可能とした。土砂の埋め戻しが不要となるなど、資源の削減にもつながる。
また、木造建築物の主要構造にCLT(Cross Laminated Timber、直交集成板)を採用するとともに、その活用可能性を広げるとしている。一般的には壁などの「面的な構造材」に用いるCLTを、柱や梁のような「線的な構造材」として使う先駆的手法で、11棟の「アーチ門型架構棟」を整備する。これは「令和8年度 CLT活用建築物等実証事業」に採択されている。
国産スギ材を用いたCLT総使用材積は約480m3。延焼防止建築物の基準を満たすことで、都心の防火地域において100m2超のCLT「あらわし」の建築物をつくり出す。大手町・丸の内・有楽町エリアにおいて、この規模のCLT建築群の展開は初となる。
そのほか、移設を前提としたサーキュラー建築とする。モックアップによる実験を経て、CLTによるアーチ門型架構を実現する新たな固定金具を開発・設計。金具はCLTの全接合部の脱着を可能とし、有楽町での数年間の供用を経たのち、CLT架構と敷地内で育てた植栽の一部は移設が可能な仕様となる。
これにより、都市のあいだを木が循環する「サーキュラー建築」を実践。暫定利用において「壊さず移す」ための設計に投資し、新たな都市開発のあり方を示す。
新有楽町ビル(地上14階・地下4階)は地上部を全面的に解体したが、東京メトロ有楽町駅D2出入口に接続する1スパンのみを、地下2階から地上2階まで切り出すかたちで存置する。大規模オフィスビルから、必要な機能を持つ1ブロックだけを構造的に独立させ、残りを撤去する「減築」に取り組んでいる。これにより、地上部の解体完了後も地下鉄との接続機能を維持し、暫定利用期間中の来街者アクセスを確保する。
YURAKUCHO PARKでは、NOT A HOTELが企画・デザイン・プロデュースとして参画し、同社による新プロジェクト「JAPA VALLEY TOKYO」を共同で展開予定。また、全国の自治体と連携し、ベンチや植栽の一部などに12自治体の地域資源を活用するなど、手触りや経年変化まで含めた「日本素材の本物の質」の体験を提供する。
敷地面積は新有楽町ビル跡地が約7,233m2、有楽町ビル跡地が約3,551m2。パーク内の建物は1階建て。
YURAKUCHO PARKは数年間の暫定利用で、その後「有楽町ビル・新有楽町ビル建替計画」が進められる。三菱地所は周辺において、国際ビル・帝劇ビル建替計画、新国際ビルリニューアルなど、暫定利用・再開発・既存ビルリニューアルと異なる手法を採った有楽町の再構築に取り組んでいる。












