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「マイナアプリ」とはなにか マイナポータル+デジタル認証の進化とこれから
2026年8月25日 11:24
デジタル庁の「マイナポータルアプリ」と「デジタル認証アプリ」が統合され、新しい「マイナアプリ」の配信が、8月25日から開始された。iOS向けにはAppStore、Android向けにはGoogle Playからダウンロード可能で、既存のマイナポータルアプリユーザーであればアップデートで新アプリに移行される。
新マイナアプリの特徴や将来について、デジタル庁の説明を元に解説する。
マイナアプリで利便性が大幅向上へ
マイナポータルは、行政サービスの総合的な窓口として設置されているWebサービス。行政が保有している住民データを始め、様々な個人のデータにアクセスするためのポータルサイトとして機能している。
引っ越しやパスポートなどの行政手続き、医療費などの個人の情報を確認するなど、これまでは市役所などに出向く必要があったサービスを、オンラインから簡単に利用できる。
このマイナポータルへのログインや認証・署名機能を備えたアプリがマイナポータルアプリだ。2026年7月末時点で、7,941万以上のダウンロード数となった。
マイナポータルの利用者登録をしているのは8,587万人(2026年6月時点)。6月のログイン数は1,397万だった。マイナポータルは事前にマイナンバーカードを使った利用者登録が必要で、この時のマイナンバーカードの保有枚数は1億385万6,694枚なので、マイナンバーカード保有者の8割以上が登録していることになる。
それに対して「デジタル認証アプリ」は、行政だけでなく民間のサービスにおいても、マイナンバーカードを使った安全な認証・署名の機能を提供するためのアプリとサービスのこと。国(デジタル庁)がAPIを提供し、それを自社サービスなどに組み込んで利用する形になる。
デジタル認証サービスでは、「認証API」と「署名API」の2種類のAPIが提供される。認証APIは、マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書を用いて、本人確認を行なうためのAPI。例えばスマートフォンにマイナンバーカードをタッチして、4ケタの暗証番号で本人確認を行い、証明書の有効確認を行なってその結果を自社の認証と連携させることができる。OpenID Connect・OAuth 2.0に対応しているため、自社サービスなどへの組み込みは比較的容易。マイナンバーカードの券面事項入力補助APと組み合わせることで、基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)も安全・確実に連携できる点もメリットだ。
これを活用することで、口座開設や契約などで安全・確実な本人確認を行なったり、アカウントを復元する際の当人認証として使うといった利用が可能。
署名APIは、マイナンバーカードの署名用電子証明書を用いて電子署名を行なう機能。署名APIは電子証明書の有効性確認を行なわないため、最終的には民間事業者のサービスも利用する必要がある。
こちらのサービス利用に必要な「デジタル認証アプリ」は、AppStoreかGoogle Playからダウンロード可能。2026年7月末までに761万以上のダウンロードが行なわれている。
デジタル認証サービスを利用するサービスは、累計申込数で712、サービスインした数は292、認証件数は累計で約733万に達した(いずれも2026年6月時点)。ちなみに8月20日の時点では1,439サービスまで拡大。607サービスがすでにサービスインしており、認証件数も1,000万件を超えたという。
主な民間サービスの用途として、例えばメルカリのアカウント回復サービスでは、パスキーを紛失した場合であっても安全にアカウントを復旧する手段として活用。モバイルバッテリーシェアリングサービスのCHARGESPOTでは、22歳以下の利用に割引をするために年齢確認を行なっている。
アプリ統合でのメリットとは
このマイナポータルアプリとデジタル認証アプリの2つが統合されて「マイナアプリ」となった。アプリが統合されるだけで、マイナポータル、デジタル認証サービスという2つのサービスは継続される。あくまで、今までバラバラだったアプリが統合されたという形になる。
マイナポータルアプリがベースとなり、デジタル認証アプリの機能を取り込んで名称変更するという形になる。そのため、マイナポータルアプリにはアップデートが配信され、名称とアイコンが変更される。デジタル認証アプリは当面残されるが、起動時に「マイナアプリへの移行」が促される。
アプリのアップデート後も、基本的にはマイナポータルへの入口として機能し、デジタル認証サービスを利用する際に、従来のデジタル認証アプリではなくマイナアプリを起動して認証・署名を行なう形になる。
デジタル庁では統合のメリットとして、利用者側にとっては、様々なサービスや手続きにおける本人確認を1つのアプリで実行できる点を挙げる。加えて、官民のサービス提供者側にとっては、1アプリで使えるようになって利便性が向上し、サービスの申し込みや利用増加が期待できるとしている。
また、今回の統合に併せてデジタル認証アプリでは物理カードしか使えなかったが、iPhoneのマイナンバーカードとAndroidのスマホ用電子証明書を使った認証・署名が利用可能になる点も大きなメリットだ。
今までは、認証するためにマイナンバーカードを取り出して暗証番号を入力してスマートフォンにカードをタッチするといった作業が必要だったが、例えばiPhoneのマイナンバーカードであればFace IDのような生体認証で認証を行なえる。さらにiPhoneのマイナンバーカードは券面情報も利用できるため、基本4情報を送信する場合も物理カードが不要になる。
Androidの場合はスマホ用電子証明書のため、券面情報の送信の場合は物理カードが必要になる。ただし、今秋にもAndroidのマイナンバーカードがリリース予定で、その場合はiPhoneと同様に券面情報も搭載されるため、iPhoneのマイナンバーカードと同じことができる。
この統合に関して、ユーザー側はアプリのアップデートが必要だが、自動アップデートを設定している場合は、8月25日以降、順次更新が行なわれる。手動アップデートももちろん可能。
サービス提供者側は、特に対応は必要ないという。今後は「デジタル認証アプリ」ではなく「マイナアプリ」を使うため、その文言変更は必要になるが、機能変更は不要となっている。
これは大きなメリットで、デジタル認証アプリでは物理カードが必要だったが、サービス提供者にとっては何も対処しなくても勝手にスマートフォン対応されるため、新たな開発が必要ない。同様に、今秋以降は自動的にAndroidのマイナンバーカードにも対応できる。
ユーザー側の変更点としては、マイナポータルアプリとは異なり「スマートフォン自体の端末ロック」が必要になる。画面ロックがない場合、マイナアプリは利用できなくなるが、これによってマイナアプリからの通知に関して、より詳細な内容を表示できるようにして、「通知を見てアクセスしたけど必要な情報ではなかった」といったような問題を解消する。
また、デジタル認証サービスを利用するためには利用者登録が必要で、マイナアプリを使う際にはあらかじめマイナンバーカードを使った認証が必要になった。これは最初の1回だけで、それ以降はデジタル認証サービスを使う際に、マイナアプリが起動してスマートフォンのマイナンバーカードを使って生体認証だけで認証する、といったことが可能になる。
マイナアプリのこれから
今回のアプリの統合は、開発がすべてデジタル庁内製になったことが影響した。もともとデジタル庁発足以前から開発されてきたマイナポータルアプリだが、iPhoneのマイナンバーカード開発の段階でiOS向けマイナポータルアプリを内製化。今回、Android向けも内製化したことで100%の内製化となり、2つのアプリが統合できるようになったという。
今後、デジタル認証サービスでは券面の顔写真を取得する機能もサポートする。iPhoneだけでなく、Androidのマイナンバーカードでも顔写真が利用できるようになるため、よりサービスの幅が広がる。
今まで、複数の書類に署名する場合は毎回認証アプリの利用が必要だったが、今後の機能アップでは1回の署名手続きで複数の署名にも対応する。顔写真に加えて、いずれも事業者側には追加の対応が必要となる。
親が子供のマイナンバーカードを使って、子供が高齢の両親のマイナンバーカードを使って、それぞれ自分のスマートフォンで手続きをしようとする場合、デジタル認証サービスの利用登録をしていたらログオフが必要だったが、一時的に本人確認を行なう機能も追加される。
2027年度中には、AIエージェントでマイナポータル内のサービスを利用できるように、MCPなどの基盤構築を行なうなど、デジタル庁ではさらなる機能向上を図っていく計画だ。
日本の人口は1億2,268万人(2026年8月1日)なので、大ざっぱに言えば日本人の約2,000万人がマイナンバーカードを保有せず、マイナンバーカードを保有している人のうち2,000万人ほどがマイナポータルの利用登録をしていない。つまり、4,000万人ほどがまだマイナポータルの中核機能を利用していないというのが現状だ。
今後はさらなる認知度向上や利便性向上を図ることも重要で、その点でデジタル庁は、内製化したことでアジャイル開発が可能になったため、よりスピーディな改修・改善ができるとしている。今後のMCP対応など、AIエージェントへのサポートもその一環だろう。
8月には、パスポートの申請画面が刷新され、カードをかざす回数が削減されたほか、iPhoneのマイナンバーカードでの申請も可能になるなど、改善が行なわれている。こうした継続的な改善は重要だ。
例えば医療情報のさらなる充実は、電子カルテや電子処方箋の普及、電子カルテ情報共有サービスの拡大といった国の施策が必要だが、国や行政のデジタル化が進んでさらなる機能向上は期待できるだろう。





















