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三菱地所、築60年の「新東京ビル」大規模リニューアル
2024年7月23日 13:54
三菱地所グループは、丸の内と有楽町の結節点に位置する1963年竣工の複合ビル「新東京ビル」の大規模リニューアルを実施する。一部フロアはリニューアルを完了しており、今後も順次リニューアルを進め、2025年度中に全体を完了させる。
三菱地所グループは2020年代における丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)において、「丸の内NEXTステージ」と位置づけたまちづくりを推進している。有楽町においては2019年度からエリア全体のリニューアルを進めており、丸の内との結節点で有楽町の玄関口に位置する新東京ビルのリニューアルも、その一環として実施する。
2020年には先行して4階フロアを全面リニューアルし、イノベーション拠点「Shin Tokyo 4TH」をオープン。DXやオープンイノベーションを促進する企業を誘致した。3・5階もリニューアルが完了し、3階は「Villa」、5階は「Lounge」をコンセプトとして、約30点のアート作品を設置している。また、同物件のストック活用を象徴する、通常は廃棄される周辺ビルの仮囲いアートをリメイクした作品も導入している。
1階北西角地約1,000m2の大規模店舗区画のリニューアルも完了。店舗は2月より順次オープンしている。
1階ではさらに、コーナー部にピロティ空間を創出し、これまで建物のファサードによって閉じられていた空間を、来街者が入りやすい開放感ある屋外空間にリニューアルする。ピロティ空間は食物販店舗のオープンにあわせて11月頃開放予定。
隣接する約220m2の区画には、都内初の旗艦店となる鎌倉発祥の「メゾンカカオ」が冬にオープン。チョコレートスイーツをメインとした店舗で、ブランド初となるカフェ併設型ショップとして展開する。
2階以上の各階エレベーターホールに、オフィスワーカーが自由に使えるラウンジスペースを設置。また、階段で気軽に移動・昇降が可能な既存ビルならではの動線に着目し、各階で異なるコンセプト・過ごし方が楽しめるフロアデザインとする。
外装や内装は、環境配慮を重視したリノベーションを実施。外装は昭和30年代のモダニズム建築の特徴の一つである横連窓のデザインは残しつつ、窓ガラスをLow-E複層ガラスに全面更新することで、熱負荷の低減、省エネ性能の向上を図る。
内装については、新東京ビルの特徴である1階中央部の円形照明、床・壁のモザイク調のアートタイルは価値あるヴィンテージとして残し、基準階においては開業時からの素材を活かすなど、ストック型リノベーションを展開。また環境に配慮し、動物由来の原材料を使わないヴィーガンレザーを使用した什器やリサイクル素材の壁面タイルなどを採用する。
三菱地所グループは、建替えや再開発だけでなく、既存ストック活用にも取り組み、ユーザーとの価値協創やオープンなまちづくりを通じた新たな価値創造を図る。
新東京ビルの所在地は東京都千代田区丸の内3-3-1。規模は、地上9階・地下4階、敷地面積9,827.26m2、延床面積102,768.18m2。
なお三菱地所は有楽町エリアにおいて、「有楽町ビル」と「新有楽町ビル」を閉館し、建替えに着手している。また、「国際ビル」と「帝劇ビル」の建替えの計画も進められており、2025年を目途に閉館予定。帝国劇場は2025年2月に一時休館となり、帝国劇場休館中の上演の場として明治座が利用される。