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アンソロピック、“ミュトス級”最上位モデル「Claude Fable 5」公開
2026年6月10日 07:35
Anthropic(アンソロピック)は9日、最上位の大規模言語モデル(LLM)となる「Claude Fable 5」を提供開始した。同社が4月に発表した「Claude Mythos Preview」(ミュトス)と同一の基盤モデルだが、安全対策を追加して一般公開する。
Claude APIと従量課金型のEnterpriseプランでは、9日からFable 5を全面的に利用可能。また、6月22日までは、Claude Pro/Max/TeamとシートベースのEnterpriseプランにおいて、Fable 5が追加費用なしで含まれるが、23日以降は各プランからFable 5を削除。以降は使用クレジットが必要となる予定。
4月に最上位モデルとして発表したミュトスは、サイバーセキュリティ関連の能力が高く、脆弱性検知に使えるだけでなく、これまで高度な専門知識を持つ人間のみが行なえていた攻撃コードの作成などの能力が高く、悪用の懸念もあった。そのため、セキュリティ企業やオープンソース研究者、社会インフラ関連など、対象を限定して、「防御」のために提供されてきた。
今回のFable 5では、サイバーセキュリティ分野など特定トピックに関するクエリについては「Opus 4.8」からの応答が返されるよう、安全対策を施してモデルを公開する。この安全機能は保守的に動作し、セッションの5%未満で作動。今後、安全対応の改善とともに、誤検知の削減に取り組むとしている。
また、サイバーセキュリティ担当者やインフラプロバイダー向けに「Claude Mythos 5」も公開する。Fable 5と同じ基盤モデルだが、一部の領域で安全対策を解除しており、当初は約200団体が参加する「Project Glasswing」を通じて、Claude Mythos Previewのアップグレード版として展開される。その後、信頼できる組織に向けたアクセスプログラムを通じ、Mythos 5へのアクセスを拡大する計画。
過去のどのモデルをも凌ぐ性能
Fable 5は、従来一般公開されたどのモデルをも凌ぐ能力を示し、Anthropicによればほぼすべてのベンチマークテストにおいて最高水準という。ソフトウェアエンジニアリング、ナレッジワーク、ビジョン、科学研究、その他多くの分野で高いパフォーマンスを示しており、特にタスクが長く、複雑になればなるほど、Fable 5が他のモデルに対して示す優位性は高くなるとする。
Fable 5は長時間自律的に動作可能で、Stripeによる初期のテストでは、従来数カ月かかっていたエンジニアリング作業が数日に短縮されたという。5,000万行のRubyコードベースにおいて、Fable 5は、1日でコードベース全体の移行を完了。手作業の場合は、チーム全体で2カ月以上を要したであろう作業が1日になったという。また、Fable 5はトークン効率に優れており、中程度のエフォートレベルでもベンチマークで最高点を記録している。
複雑な分析タスクにおいても高いパフォーマンスを示し、文書に基づく推論、図表の解釈、問題解決において大幅に能力を向上。画像認識にも対応し、詳細な科学図から正確な数値を抽出できるほか、スクリーンショットからWebアプリのソースコードを再構築するなど、複雑な視覚ベースのタスクを実行できる。
Fable 5の画像認識能力を示す例として、最小限の視覚用ハーネスだけで、「ポケットモンスター ファイアレッド」をプレイし、クリアできたという。マップやナビゲーション補助、追加のゲーム状態情報などを一切追加せず、ゲームスクリーンショットのみを使用して最初から最後までプレイして、ゲームクリアに至ったという。なお以前のClaudeモデルは「ポケットモンスター」をプレイするために複雑なヘルパー・ハーネスを利用していた。
安全対策を導入
Fable 5では、Mythosクラスモデル(Claude Mythos Preview)に対して、安全対策を追加。特定分野については、メインモデル(Fable 5)が応答するのを防ぎ、Opus 4.8が応答する。完全に回答を拒否するより、Opus 4.8が応答したほうがはるかに優れた体験となるとしており、初期のデータによるとFable 5のセッションの95%では、Fable 5が応答し、Opus 4.8による応答は5%未満としている。
この安全対策の対象となる分野は、「サイバーセキュリティ」と「生物学および化学」、「ディスティレーション(蒸留)」。サイバー攻撃への悪用を防ぐほか、生物兵器開発への悪用への対策を行なったものとなる。また、競合モデルの開発のためにFable 5を蒸留する試みも拒否する。
また、Fable 5、Mythos 5と同等以上の能力の将来のモデルについて、ビジネス顧客データの取り扱い方法を変更する。Mythos級モデルにおけるすべてのトラフィックについて、30日間の保持を義務付ける。
APIと従量課金から展開 サブスク利用は制限
Fable 5/Mythos 5の料金は、入力トークン100万トークンあたり10ドル、出力トークン100万トークンあたり50ドル。開発者はClaude APIを介してclaude-fable-5を利用できるが、Mythos 5はProject Glasswingに限定される。
Fable 5への需要の予測が難しいことから段階的に展開。Claude APIと従量課金型のEnterpriseプランでは、9日よりFable 5を全面的に利用できるが、サブスクリプションプランでは、慎重に展開する計画。
6月9日から22日までは、Claude Pro/Max/TeamプランとシートベースのEnterpriseプランにおいて、Fable 5が追加費用なしで利用できるが、23日以降はFable 5を削除。以降の利用には使用クレジットが必要となる見込み。










