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アドビ、Premiereに色補正の新機能 After EffectsにはAI機能

アドビは15日、ビデオ製品の最新アップデートを発表した。「Adobe Premiere」ではカラーグレーディング機能を刷新し、「Adobe After Effects」ではAI活用のマット作成機能を導入。「Frame.io」ではマウントストレージ機能を展開し、「Adobe Firefly」では動画編集機能や外部AI対応を強化した。

Premiere:色補正を刷新

Adobe Premiereでは、カラーグレーディングの新機能「カラーモード」がパブリックベータ版として導入された。3年にわたる開発と、Premiere史上最大規模となる数百人の動画編集者からのフィードバックを反映したもので、機能の追加というより、新アプリを追加したような大規模なアップデートと同社は位置づける。

カラーモードは、大型プログラムモニターや縦型クリップグリッドなどを備え、新たな色補正環境を提供する。操作内容をリアルタイムで可視化するアニメーションHUD付きの双方向コントロールを採用。マウスを上下に動かして露出などの値を調整し、左右の動きで黒レベルの範囲を調整するといった直感的な操作が行なえる。

また、フィルムエミュレーションやカラーエフェクトの個別適用、プリセット適用にも対応する。クリップ、グループ、シーケンス単位でのカラーグレーディングやコピー、移動が可能なワークフローも導入した。

このほか、AIオブジェクトマスクとシェイプマスクも用意し、ホバーとクリックによる即時マスキングや、高速かつ双方向の3Dトラッキングを活用した被写体別グレーディングも行なえるようにした。

なお、従来の「Lumetriカラー」は引き続き利用できる。ただし、カラーモードとLumetriカラーを混在して使用すると、意図しない色表示や破綻が生じる可能性があるため、新規プロジェクトで色調整を行なう際は、カラーモードの単独使用が推奨されている。

また、Premiere 26.2も公開された。同バージョンでは、昨年買収したFilm Impactのエフェクトやトランジションを新たに追加したほか、タイムライン上の素材情報を一覧で確認できる「シーケンスインデックス」機能を搭載。

シーケンスごとに、どのトラックにどのようなエフェクトやトランジションが適用されているかを確認でき、CSV形式で書き出せる。そのほか、AIを活用したオブジェクトマスク機能の強化や、メディア再リンクの高速化も盛り込まれた。

シーケンスインデックス

After Effects:AIによるマット作成を強化

Adobe After Effectsでは、バージョン26.2が正式版として公開された。新機能として、AIが被写体を認識して自動でトラッキングを行なう「オブジェクトマットツール」を搭載した。

従来ロトブラシが配置されていた場所に新しいツール群が追加され、ホバーやクリックだけで対象を認識できるほか、「クイック選択ブラシツール」や「エッジを調整ツール」などのAI搭載ロトスコープツールを用意し、マット作成を効率化する。

操作時には、マウスオーバーしたオブジェクトが自動でハイライトされ、クリックすると即座に精度の高いオブジェクトマットが生成される。靴のような細かなパーツも1つのオブジェクトとして正確に認識できる。エッジを調整ツールにより、髪の毛の細かな毛先などの繊細なマスク調整も可能。

また、生成したマスクのキャッシュを固定する「フリーズ」機能も追加。これにより、別の環境でプロジェクトを開いた際にマスクを再生成する時間を省けるようになる。

エッジを調整ツールにより、繊細なマスク調整も可能

Frame.io:大容量ファイルの共有・管理が快適に

クラウドコラボレーションツールのFrame.ioでは、エンタープライズ版ユーザー向けに「Frame.io Drive」の提供が開始された。今後は無料版、Pro版、チーム版など、個人向けプランにも順次展開される。

Frame.io Driveは、クラウド上のFrame.ioストレージをローカルPCにマウントできる機能。大容量のメディアファイルなどを毎回ダウンロードしたり同期したりすることなく、ローカルに保存しているかのような感覚で即座に開き、直接編集できるようにする。

オンラインでの共同制作が広がる一方で、大容量メディアの共有や管理は課題となっていた。Frame.io Driveによりアセットへの即時アクセスを実現し、ファイルのバージョン管理が煩雑になる問題の軽減にもつなげる。

Firefly:動画編集と外部AI連携を強化

Adobe Fireflyでは、動画編集機能「Firefly 動画エディター(ベータ)」がアップデートされた。新たに「スピーチを強調」をはじめとしたオーディオコントロールなどの音声編集機能が追加。また、Adobe Stockとの連携により、8億点以上のアセットへ直接アクセスし、利用できるようになった。

このほか、Fireflyでシームレスに利用できるサードパーティ製AIモデルとして、新たに「Kling AI」が加わった。スピードと精度を追求した「Kling 3.0」や、カメラアングルやキャラクターの動きまで細かくコントロールできるプロ向けモデル「Kling 3.0 Omni」がFireflyで利用可能となる。