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ヤマト、大規模マンションで自動配送ロボット配達を実証
2025年8月22日 19:04
ヤマト運輸と韓国のロボットメーカーWATTは22日、大規模マンションにおける自動配送ロボットの実証実験を開始した。建物内での配送に特化した自律走行型ロボットを活用し、マンション内の配送効率向上や新しいラストマイル配送のモデル構築を目指す。
実証実験では、WATT製の自動配送ロボット「James mW」(対面型)と「James W」(非対面型)および、スマート宅配ボックス「W-Station」を導入する。大規模マンションでの配送ロボットの運用可能性や効率性、障害物回避能力に加え、住民からの受容性や運用コストが検証される。
配送の仕組みは、配送スタッフがW-Stationに荷物を格納すると、居住者に通知メールが送られる。居住者が受け取り方法と時間を指定すると、配送ロボットが荷物をピックアップして部屋まで届ける。配達方法は対面受け取りと玄関前の置き配に対応し、いずれも到着通知や配達完了通知が行なわれる。
配送ロボットはアームを搭載しており、マンションのセキュリティドアやエレベーターを操作できる。対面受け取りの場合はインターフォンを鳴らし、受取人が4桁のパスワードを入力すると引き渡しが完了する。
実証実験の背景には、ドライバー不足や荷物量の増加、法改正への対応といった物流業界の課題がある。加えてマンションの大型化・高層化が進む中、居住者のニーズも多様化しており、深夜・早朝の受け取りや、荷物ごとの配送方法の指定、複数便のまとめ配達などが求められている。
ヤマト運輸は、これらの状況を踏まえ、韓国でマンションやオフィスを対象に自動配送を展開しているWATTと連携。自動配送ロボットを組み合わせることで、柔軟かつ効率的な新しい配送モデルの構築を目指す。
実証実験は、9月24日まで「プラウド新浦安パームコート」(550戸)で行なわれ、その後10月23日から12月10日まで「プラウドタワー目黒MARC」(301戸)で実施する。今後は首都圏や関西圏を対象に実証地域を拡大し、2026年中の実用化を視野に入れる。また、将来的には他の宅配事業者の荷物取り扱いも検討している。











