ニュース

ヤマト、猛暑でも安全な医薬品配送へ 断熱/保冷のEVトラック

実証実験で使用する輸送用機材とEVトラック

ヤマト運輸とアルフレッサは、猛暑下における医薬品の安全な配送を実現するための実証実験を開始した。実験では、小型EVトラックと断熱/保冷機能付きの輸送用機材を活用し、医薬品の温度管理精度や配送効率、環境負荷低減の効果が検証される。

近年の異常気象による夏場の猛暑の常態化により、医薬品の温度管理が課題となっている。また、医薬品配送の分野でも脱炭素化への対応が急務で、定温かつ環境に配慮した流通ネットワークの確立が重要となっている。

実証実験は8月18日から29日までアルフレッサ府中事業所で実施。実験では、電動式の小型モバイル冷凍機「D-mobico」を搭載した保冷/断熱機能付きの輸送機材を使用し、医薬品配送時における適正温度の維持が可能かを検証する。また、1トンEVトラック「日野デュトロ Z EV」を活用した配送の効率化や、温室効果ガス(GHG)の排出削減効果も評価するという。

実証実験のイメージ

実験結果をもとに、アルフレッサは機材や配送体制の導入を検討するほか、太陽光発電設備の導入なども視野に入れ、再生可能エネルギーによる運用体制の構築も検討する。

また、ヤマトグループは「EVライフサイクルサービス」のラインアップに、今回使用する機材の追加を検討する。同サービスは、車両を使用する事業者の脱炭素化を支援するもので、2024年10月から提供を開始。アルフレッサは同サービスのファーストユーザーとして、45台のEV車両やエネルギーマネジメントシステムを導入している。