ニュース
スカイドライブ、JR東日本・JR九州ら11社から83億円調達
2025年7月4日 18:24
「空飛ぶクルマ」の開発を行なうSkyDriveは、三菱UFJ銀行をリード投資役の1社とし、スズキ、JR東日本、JR九州をはじめとする11社を引受先とした第三者割当増資により、プレシリーズDラウンドにおいて総額83億円の資金調達を実施した。これにより、これまでの累計資金調達額は430億円超となった。
SkyDriveは現在、空飛ぶクルマの商用化に向けて不可欠な型式証明取得に向けた活動を進めている段階。2025年2月には空飛ぶクルマ固有の耐空性と環境基準の詳細が記載された型式証明の適用基準を国土交通省航空局が発行しており、同社は今後の試験の内容や実施時期などを含む証明計画の策定を進めている。
今回の資金調達により、開発チームのさらなる増強、各種試験のインフラや環境整備、組織基盤の強化などを進め、開発・証明活動を加速していく方針。
鉄道会社との資本業務提携については、Osaka Metro、近鉄グループホールディングスに続き、今回の資金調達ラウンドにおいてJR東日本とJR九州が加わり、合計4社の鉄道会社との資本業務提携契約を締結した形。
各社の持つ既存の交通ネットワークに次世代モビリティとして「空飛ぶクルマ」が加わることで、陸と空をシームレスにつなぐ新たな移動価値の提供を目指すとし、引き続き、航路の具体化やバーティポート整備、社会受容性の向上などを推進していく。
JR東日本グループは、岩手県の小岩井農場で2026年春に開業を予定している宿泊施設「AZUMA FARM KOIWAI」において、SkyDriveの「空飛ぶクルマ」を活用したモビリティ体験を計画中。今後、盛岡~ホテル間の送迎や観光ツアー等の実現に向けた検討を進める。
JR九州とSkyDriveは、2024年7月に連携協定を締結、2025年2月には大分県と「空飛ぶクルマ」の運航に向けた包括連携協定を締結し、事業検討を重ねてきた。今回の資本業務提携を通じてさらに強固な協力関係を築き、両社の取組みを加速することでビジネス領域の拡大や九州エリアの価値向上に注力する。