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NTT、電柱を応用した道路被災予測 ハザードマップ以上
2025年5月12日 17:12
NTTは、豪雨災害に対する道路の被災予測技術を確立したと発表した。公開データのみで全国の道路の被災リスクを高い精度で推定でき、事前の防災・避難計画への活用を目指す。
今回確立された被災予測技術は、豪雨時の道路寸断リスクを可視化するもの。最大の特徴は、NTTがこれまで蓄積してきた災害時の電柱の被災・点検データから構築した「被災予測モデル」を活用すること。これは、電柱と道路の被災要因が類似していることを利用したものになっている。
これにより、道路の現場調査や過去の被災データを用いることなく、公開データ(標高、傾斜、地盤の硬さなど)のみで被災リスクを推定できるようになった。ハザードマップが無くても、全国を対象に、短時間で、雨量に応じた被災リスクを10mメッシュ単位で予測可能。
予測結果は、一般的に用いられているハザードマップと同等以上の性能を有していることが実験により確認されたという。
具体的には、日本各地で豪雨災害が発生した2020年7月豪雨時の電柱の被災データと標高などの周辺環境情報を学習した予測モデルを利用。2024年9月に発生した能登半島豪雨における道路被災の一部を予測して、被災リスクを定量化した。
能登半島豪雨に対し、当該エリア内の道路とその付近に「仮想電柱」を約12.2万本設置し、各電柱の被災予測結果と、斜面崩壊・土石流・堆積分布データを比較した結果、ハザードマップを判読した場合は約9.4万本が正解し正解率77%だったのに対し、今回の予測技術では約9.8万本が正解し、正解率80%と、ハザードマップ以上の性能を示し、この予測技術が有効であると確認された。
また、対象地域内のハザードマップが存在していない区域でも一部で被害が発生していたが、本技術によって、ハザードマップがない区域でも同様に予測できていることも確認された。
今後は、この被災予測技術により推定した道路の被災リスクから、避難ルートや救急・物流のルートを事前に検討することで、効率的な事前防災や避難計画の策定による地域のレジリエンス(回復)強化を実現できるとしている。自治体などと協力体制も構築して、トライアルの実施を目指す。