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Copilot+PC、検索が強化 Recallも展開開始へ

Microsoftは25日(米国時間)、Copilot+ PCにおいて「Recall(プレビュー)」、「Click To Do(プレビュー)、Windows Searchの改善などの独自のAI体験の一般提供(GA)を開始すると発表した。

Copilot+ PCは、Microsoftが提唱する次世代PCで、Windows 11の基本機能に加え、AIを組み込んだ各種機能や高いパフォーマンス向上が特徴。AI活用のため、高いPU(ニューラルプロセッシングユニット)処理能力が必須となっている。今回新たに、Recall(プレビュー版)や改善されたWindows Search、Click to Do(プレビュー版)を追加する。

Recall(リコール)は、PC上の作業において、自動で定期的にスナップショットを撮影し、AIによってインデックス化する。スナップショットに含まれる文字列や画像を検索することで、作業履歴などを簡単に遡れるようにする。曖昧な言葉からも検索が可能で、例えば「ネコの写真」と検索すれば、写真の格納フォルダなどを知らなくても、AIが該当する写真を見つけ出してくれる。

Microsoftでは、Recallの導入で、「作業を中断した場所から再開すること」を目指したとする。例えば、先週のプロジェクトやオンラインショッピング中に開いていた数多くのブラウザタブなどを特定するには、フォルダーやウェブサイト、無限のメールを閲覧しながら曖昧な記憶に頼る必要があった。こうした操作の記憶を実際にスナップショットを介して辿れるようにすることで、検索と再発見の新たな体験の実現を目指す。

Copilot+ PCでRecallを使用すると、PowerPointプレゼンテーションの検索と再表示に最大70%の時間を短縮できるという。また、Recallの導入時にはプライバシー問題も指摘されたが、コンテンツのフィルタリングや保存内容をカスタマイズできるプライバシー設定なども追加し、オプトイン(ユーザー同意)ににより利用可能になる。データは暗号化され、Windows Helloサインインなどで保護される。また、Recallデータはデバイス上でローカルに処理され、クラウドに送信されず、第三者とのデータ共有も行なわない。

Recall on Copilot+ PCs: A better way to recall anything

Windows SearchによるOSの検索機能も改善する。オンデバイスAIにより、単語やフレーズの文脈的な意味を理解し、検索を行なうため、ファイル名や正確な単語を覚えていなくても、目的の機能などにたどり着きやすくなるという。

この機能は、Copilot+PCのNPUにより、ローカルで実現。ファイルエクスプローラーやWindows検索ボックス、設定のほか、画像、ドキュメントなどから、探しているものを説明すると、Windows検索がファイルやデータを検索して見つけてくれる。Windows 10デバイスの“伝統的”な検索と比べると、画像を検索して新しいフォルダにコピーする時間は最大70%削減できるという。

Click to Do(クリックして実行)のプレビュー版も追加する。これは、画面で表示している情報をAIが認識し、「可能な処理」をワンクリックで呼び出せる機能。画面に表示されているテキストや画像の要約、再作成、コピーなど、関連するアクションへの文脈にあわせたショートカットを表示できる。

例えば、写真ならば「背景ぼかし」「オブジェクトを消去」など、文章であれば「要約」「箇条書きを作成」「書き換え」「検索」などが出てくる。アプリを切り替えずに、テキストや画像の編集等が行なえる点が特徴といえる。

また、Live Captionsは、オンライン会議、ポッドキャスト、動画再生中の音声と動画コンテンツに対し、27言語に対応したリアルタイム翻訳を中国語(簡体字)でサポートする。

Copilot+ PC向けのこれらの機能は、4月のWindows更新プログラム経由で利用可能となり、今後1カ月で順次提供される。