グーグル、AIエージェントの相互運用新規格「A2A」　50社が賛同

Googleは9日(米国時間)、AIエージェントの相互運用を実現する仕組みとして、新しいオープンプロトコル「Agent2Agent(A2A)」を発表した。

A2Aの枠組みには、アトラシアン、Box、Cohere、Intuit、Langchain、MongoDB、Salesforce、SAP、ServiceNow、UKG、Workdayなど、50社以上のテクノロジー企業が賛同。それぞれの企業のサービスがエージェントして連携動作するための仕組みを構築する。

Googleは、職場全体のプロセス改善や自動化などに向け、AIエージェントの注目が集まる中、エージェント同士が連携し、相互運用できる仕組みとしてA2Aを開発。エージェントが様々なサービス間で連携動作することで、生産性向上やコスト削減が図れるという。

導入企業として、アクセンチュア、BCG、キャップジェミニ、コグニザント、デロイト、HCLTech、インフォシス、KPMG、マッキンゼー、PwC、TCS、ウィプロなどが賛同。A2Aプロトコルにより、AIエージェントが互いに通信し、安全に情報を交換し、エンタープライズプラットフォームやアプリケーション上で動作を調整できるようになる。

類似の仕組みとしては、AnthropicがMCP(Model Context Protocol)を提案・公開しているが、A2Aはそれを補完するオープンプロトコルとして展開。特にエンタープライズ用途でのGoogleの知識を活用し、大規模なマルチエージェントシステム展開における顧客課題の解決のため、A2Aを設計したという。

A2Aでは、開発者が同プロトコルを使用して構築された他のエージェントと接続できるエージェントを構築できるほか、ユーザーも様々なプロバイダーのエージェントを柔軟に組み合わせて活用できるようにする。Googleではプロトコルの標準化が、協調型AIエージェントの能力拡大に不可欠としている。

A2Aでは、フレームワークやベンダーに関係なく、エージェント同士が協働するための標準的な方法を規定。エージェント能力の活用、HTTP、SSE、JSON-RPCなど既存の規格の採用、エンタープライズレベルの認証・承認をサポートする安全設計、長時間実行タスクのサポート、(テキスト・動画・音声など)モダリティに依存しない、の5つを原則としている。

A2Aの主な機能は以下の通り。

• 機能のディスカバリ: エージェントはJSON 形式の「Agent Card」を使用して自身の機能を公開することで、クライアント エージェントがタスクを実行できる最適なエージェントを特定し、A2Aを活用してリモート エージェントと通信する
• タスク管理：クライアントとリモートエージェント間のやり取りは、エージェントはエンドユーザーの要求を満たし、タスクを完了させることに重点を置く。この「タスク」オブジェクトはプロトコルによって定義され、ライフサイクルがある。長時間実行されるタスクの場合には、各エージェントが互いにコミュニケーションをとりながらタスクの進捗状況を共有。タスクの成果物は「アーティファクト」と呼ばれる
• コラボレーション: エージェント同士はメッセージを送信し合い、コンテキスト、返信、アーティファクト、またはユーザー指示を伝えることができる
• ユーザー体験の調整: 各メッセージには「パーツ」と呼ばれる要素が含まれる。これは生成された画像などの完成したコンテンツの一部で、各パーツには特定のコンテンツタイプが指定されており、クライアント エージェントとリモート エージェントが適切な形式について調整したり、iframe、動画、ウェブフォームなどのUI機能について明示的に交渉できる