ニュース

スマートニュース、月1480円の「プラス」開始 ダイヤモンドやWSJ参加

スマートニュースは、アプリ「SmartNews」で有料ビジネスニュースとクーポンを集約した「SmartNews+」を12月12日から開始した。ビジネスメディアを中心に、国内外25以上のメディアから有料記事を配信する。月額料金は1,480円。支払いはAppleとGoogleのアプリ内課金を利用する。

SmartNews(スマニュー)は、無料の広告モデルを前提としたニュースアプリとして展開しており、ユーザー数は「日本一」としている。これまではユーザーから直接購読料を徴収することはなかったが、SmartNews+はスマニュー上で展開する有料サービスとなり、25のメディアパートナーとともに推進する。

従来は、コンテンツパートナーからの提供記事をアグリゲート(集約)し、ユーザーごとにパーソナライズした形で無料で記事を配信。閲覧数に応じて対価をシェア(レベニューシェア)を行なってきた。その中で、ユーザーから有料でも「ニュースの深掘りや詳細の解説」が読みたいという声があったこと、メディアパートナーからも、「有料記事を多くの読者に届けたい」というニーズが高かったことから、特に要望の多いビジネス系のカテゴリにおいて、有料記事を集約した購読サービスを開始することとした。なお、パートナーとの収益シェアの比率などは非公開。

ビジネス系から開始する理由は、手軽で時間効率の良い情報摂取を求めるユーザーが多いためで、対象読者を特に20-30代のビジネスパーソンと、決裁権を持つマネージャー層と設定。「タイパ(タイムパフォーマンス)志向のプレミアムビジネスニュース」として展開する。

ダイヤモンド・プレミアムや現代ビジネスプレミアムなどの国内メディアと、The New York TimesやTHE WALL STREET JOURNALなどの海外メディアなど、国内外25以上のメディアが参加。なお、各媒体のすべての記事が読めるわけではなく、厳選したコンテンツや設定したテーマに沿った記事を中心に配信するという。

SmartNews+参加メディア
国内メディア

Wedge ONLINE PREMIUM、KAI-YOU Premium、コルク、現代ビジネスプレミアム、theLetter、Strainer、SPODUCATION、SlowNews、ダイヤモンド・プレミアム、NumberPREMIER、footballista、本の要約サービスflier、ほんのれん(編集工学研究所)、みんかぶプレミアム

海外メディア

Academy of Management、Bloomberg、Fortune、The Athletic、The Economist、The New York Times、THE WALL STREET JOURNAL 日本版、DIGIDAY[日本版]、WorldCrunch、WWDJAPAN、36Kr Japan

SmartNews+の購読者は、アプリのトップページなどにおすすめの有料記事を紹介するほか、[スマニュー+]タブに最新コンテンツを集約して掲載。通常のスマニューはアルゴリズムによる記事のレコメンドが特徴だが、この[スマニュー+]タブは編成担当者が人力で更新し、1日2回365日更新。テーマやジャンルなどでわかりやすく、最新のビジネスニュースを伝えるという。また、スマニュー+の記事は「広告なし」となる。

「タイパ」のための機能として、AIによる要約で30秒程度で読める記事を毎日複数本掲載する「AIサマリー」を用意。記事は縦スワイプで読め、短時間で複数の記事をチェックできる。有料記事は長文が多いこともあり、2,000字以上の記事を対象に、200字のサマリーを作成、詳しく読みたい場合はタップするだけで元の記事を開ける。

また、提供元のコンテンツをベースに、スマートニュースが外部のデザイナーに委託し、消費者トレンドや注目企業の事業戦略などをグラフィックでまとめる「グラフィックニュース」も用意する。

普段から使っているSmartNewsアプリから簡単に加入でき、必要なときに契約し、解約も簡単な点も特徴としている。

SmartNews+契約者向けに、専用のクーポンも配布。通常のSmartNewsでは飲食などが多いが、SmartNews+においてはより「体験」に重きをおいたクーポン配信を行なうとのこと。開始時には、飲食店や日用品店のほか、遊園地や水族館といったレジャー施設など、300種類のクーポンを提供する。

過渡なアテンション争いから離れて「タイパ」を重視

SmartNews+開始について、スマートニュース 取締役 CSOの任 宜氏は、SNSなど過渡な可処分時間の奪い合いの中で「タイパ」の高いコンテンツのニーズが求められていること、一方ニュースのエコシステムにおいては「過渡なアテンション」を取り合う競争が高まっており、質の高いコンテンツを継続的に提供することが難しくなっていると指摘。すでに大きなユーザー基盤を持つSmartNews上で有料サービスを提供することで、ユーザーにとってもメディアパートナーにとっても価値のあるサービスになると強調。目標の会員数などは非開示だが、長期的なビジネスと考えているとした。