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アレクサ、生成AIに対応 人のように会話。アマゾン新EchoやFire TV

Amazonデバイスの新製品を発表

Amazonは20日(米国時間)、ハードウェア・デバイス関連の発表会を開催した。Echo Show 8や新Fire TV Stick 4Kなどの新製品のほか、生成AI(Generative AI)対応のAlexa(アレクサ)を発表した。

音声アシスタントのAlexaが、大規模言語モデル(LLM)を活用した新バージョンとなる。この機能は、米国のEchoユーザー向けにプレビュー版を近日中に提供開始し、2014年の初代モデルから対応できるという。

新バージョンのAlexaでは、文脈などを理解した応答が可能となる。新Alexaで、カメラを搭載したEcho Showなどでは「アレクサ」と言う必要がなく、「Visual ID」を使っていれば、画面に顔を向けるだけでアレクサとの会話を始められる。また、ユーザーの間や言い淀みなどを勘案して、より自由な会話が可能になるという。

"Alexa, let's chat." | Experience new Alexa capabilities

音声合成にも対応。ユーザーの音声リクエストをテキストに変換し、次にLLMを使ってテキストのレスポンスやアクションを生成。音声合成で音声を返すだけではなく、より人間らしい会話が可能だという。例えば、笑ったり、驚いたり、話者の興奮に合わせて反応する。

発表会のデモでは、Amazon Device & Services担当のデイブ・リンプ氏が、好きなアメリカンフットボールチームのヴァンダービルトについてアレクサと会話。アレクサは「デイブ、私はシアトル出身だから、好きなチームはシーホークス」などと回答。また、シーホークスのスタッツや試合時間についての質問にも回答した。つまり、会話の内容を把握した上で、アレクサが回答している。また、「プエルトリコに行くのに一番いいシーズンは?」といった疑問にもアレクサが回答できるようになる。

採用しているLLMは、音声処理とリアルタイムの情報アクセス、スマートホーム制御、ホームエンターテイメントの活用など、Alexaの主要機能に最適化。Alexaの生成AI対応にあたり、「会話力」「実世界での応用」、家族ごとに対応できる「パーソナライゼーション」、「パーソナリティ(人に合わせた個性)」、「信頼」の5つの要素を重視。プライバシーを守りながら、家族のようにジョークを言い合える存在にしているという。

Customers preview new Alexa capabilities

新Echo Show 8やFire TVなどAmazonデバイス新製品

このほか、空間オーディオに対応した新「Echo Show 8」や新「Fire TV Stick」、「Fire TV 4K Max」などの新製品も発表されている。

新Echo Show 8は、空間オーディオや部屋にあわせたサウンド最適化などを搭載。価格は149.99ドルで、10月から発売予定。日本での発売は未定だ。

Echo Show 8

日本においては、Fire TV Stick 4KとFire TV 4K Max、Fire HD 10の新モデルのほか、新たに家電コントロールパネル「Echo Hub」を発売する。

新世代「Fire TV Stick 4K Max」と「Fire TV Stick 4K」は、10月18日に出荷開始。価格はFire TV Stick 4K Max(第2世代)が9,980円、Fire TV Stick 4K(第2世代)が7,480円。

Fire TV Stick 4K Max

Fire TV Stick 4K Max(第2世代)は、Fire TV Stickシリーズとしては初めてのWi-Fi 6Eに対応。よりスムーズなストリーミング再生ができるほか、2.0GHzクアッドコアプロセッサにより、アプリの起動や切り替え、コンテンツの検索などの操作速度も高速化した。

Fire TV Stick 4Kは、1.7GHzのクアッドコアプロセッサを搭載。新たにWi-Fi 6に対応したことで、前世代より約25%パワフルになったという。

Fire TV Stick 4K

いずれもリモコンには、「U-NEXT」のショートカットボタンが追加された。また、米国では「Fire TV サウンドバー」も発表されている。価格は119.99ドル。

Echo Hubは、8型のタッチ対応ディスプレイを備えたスマートホームコントロールパネル。ホーム画面のウィジェットから照明の調整や、スマートカメラの映像の確認、音楽の再生などを素早く行なえる「家電コントローラ」的な製品だ。Alexaも搭載する。発売日は未定だが、日本での価格は25,980円。

Echo Hub

タブレットは新世代「Fire HD 10」が登場。前世代と比べ最大25%高速化したプロセッサとともに、最大13時間持続可能なバッテリーを搭載。より充実したエンターテイメント体験を可能とする。価格は19,980円。

Fire HD 10

また、新登場の小学生向け「Fire HD 10 キッズプロ」と「Fire HD 10 キッズモデル」も用意され、価格は各23,980円。いずれも10月18日出荷開始予定。

Fire HD 10キッズプロ

また、海外ではスマートグラス「Echo Frames」の新モデルやCarrera(カレラ)とのコラボレーションモデルなどを発表。セキュリティカメラの「Ring」やWi-Fiルータの「eero Max 7」などの新製品も発表している。

Echo Frames
Echo Framesのカレラモデル