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水道インフラに依存しない水供給システム 東急不動産、ソフトバンクら

ソフトバンク、WOTA、東急不動産、東急リゾーツ&ステイの4社は、水道インフラに依存しない新たな分散型水供給システムの構築に向けた実証を開始した。

実証に利用するのは、WOTAが開発する世界最小規模の水再生システム「小規模分散型水循環システム」。このシステムは、排水を欠かさず回収し、膜処理や生物処理、殺菌処理などにより、再生、循環利用することができる。

独自開発の「水処理自律制御システム」を用い、生活排水の変動に対し水処理を柔軟に制御することによって、大規模処理場レベルの高度管理を実現。WHO基準の細菌・ウイルス除去率での水安全を維持した上で、さまざまな生活排水の再生に対応しているという。

実証を行なう場所は、東急不動産が保有し東急リゾーツ&ステイが運営するリゾート施設。

最初の取り組みとして、千葉県市原市のゴルフ場「鶴舞カントリー倶楽部」のコース内(1カ所)に、小規模分散型水循環システムを設置してトイレの排水の再生循環利用を行ない、運用方法や可用性を検証する。期間は5月から7月。

その後、「東急リゾートタウン蓼科」をはじめとしたリゾート施設で、小規模分散型水循環システムによる全生活排水の再生循環利用を行ない、利用者の受容性や安定的な運用方法を検証する。

取り組みの目的は、過疎化が進む地方自治体や、点在する宿泊・レジャー施設をつなぐように水道管が敷設された広大なリゾート施設における、水道管の修繕費用など水道インフラの維持に関する課題の解決。将来的には、東急不動産・東急リゾーツ&ステイのリゾート施設への、WOTAの小規模分散型水循環システムの展開、水道インフラに依存しない新たな水供給システムの構築を目指す。

ソフトバンクは取り組みの全体統括、通信環境の提供、センサーの提供など実証に関するサポート、東急不動産と東急リゾーツ&ステイは実証フィールドの提供、小規模分散型水循環システムの設置工事、WOTAは小規模分散型水循環システムの提供および運用・管理、関連データの収集・分析を担う。