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「PayPay商品券」登場 現地で“使える”ふるさと納税

さとふるとPayPayは、ふるさと納税のお礼品として、寄付先の自治体が指定した店舗や施設で使える電子商品券「PayPay商品券」を11月29日から提供する。サービス開始時点で30の自治体が対応し、合計約8,000件以上の店舗・施設が対応する予定。ふるさと納税と地域観光の両方の活性化を図るほか、旅行の関連消費の増加など地域経済への貢献も見込む。

「PayPay商品券」はスマートフォンで完結する前払式支払手段の電子商品券で、PayPayのミニアプリでいつでも購入(寄付)が可能。予め入手してから現地を訪れるケースのほかに、対応する自治体を訪れた後に寄付・購入して商品券を入手し、使うといったことも可能になっている。

現地では、店舗や施設でPayPayのQRコードをスキャンし、PayPay 残高のように支払い方法のひとつとして商品券を選択できる。PayPay商品券を使える店舗は、地場産品を取り扱うなどの、総務省が定めるふるさと納税の基準を満たす事業者・店舗。飲食店やアクティビティ、宿泊施設などが中心になる見込み。PayPay商品券を使える店舗は自治体が指定し、店頭にはPayPay商品券に対応する旨を告知するステッカーが掲出される。

寄付は1,000円~500,000円の全15種類を予定。自治体により寄付額は異なる。寄付額の3割の金額がPayPay商品券として利用できる。有効期限は180日間。

年内にPayPay商品券対応となる自治体は以下の通り。


    北海道小樽市、千歳市、富良野市、登別市、森町、倶知安町、白老町、洞爺湖町、安平町、むかわ町、釧路町、弟子屈町
    山形県米沢市
    栃木県日光市
    石川県七尾市
    愛知県岡崎市、南知多町
    三重県伊勢市
    京都府亀岡市、京丹後市
    兵庫県豊岡市
    奈良県奈良市
    山口県長門市
    香川県高松市
    愛媛県今治市
    福岡県太宰府市、朝倉市
    熊本県小国町

「PayPay商品券で観光」を新しい行動様式に

さとふるは、ふるさと納税における自治体の業務を代行したり、地域の事業者の発送業務を代行したりするなどして事業を拡大してきたが、発送する事業者の負担が少なくないことや、食品の配送日指定が難しいケースもあるなど、流通面でも課題は多いという。一方、最近は返礼品が物品以外にも拡大しており、宿泊チケットやアクティビティといった現地を訪れて使うタイプの返礼品に注目しているという。国よる旅行支援策もあり、旅行需要の高まりに合わせて、現地で使うタイプの返礼品を拡大させたい構え。

宿泊チケットなどはすでに返礼品として存在していたが、件数は多くなく、紙のチケットをあらかじめ郵送するなど電子化されていないものも多かった。今回のPayPay商品券は、PayPayのアプリ上でスムーズに入手でき、現地を訪れた後でも入手できるなど、利便性が格段に向上する。店舗側も、すでにPayPayの決済に対応していれば追加の対応コストはほぼ無く、さとふるから送付されるステッカーを掲出する程度で済むことになる。

さとふる 代表取締役社長の藤井宏明氏は、サービス開始当初の自治体が30という数について、特別なアナウンスをせずに自社で声がけをしていった数であるとし、「声がけして断られるケースは今のところゼロ。自治体の数だけ対応したい」と自信を語ると、PayPay 代表取締役社長執行役員 CEOの中山一郎氏も「どの地域にとっても悪いことはない」と語り、日本のすべての自治体を対象に展開していく方針を語っている。

藤井氏は、「PayPay商品券があるから観光する、それが当たり前の行動様式になるようにしたい」と、観光や旅行などと組み合わせた、ふるさと納税の新たなスタイルとして定着させていきたい考え。

発表会には自治体の市長も登壇し期待を語った