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ANA、ニコンの技術で空気抵抗を減らす「Green Jet」

9月に発表した航空貨物用プラスチックフィルムのリサイクルに関する取り組みの様子

ANAは、持続可能な社会の実現を目指す「ANA Future Promiseblank」をテーマとした特別塗装機「ANA Green Jet」の運航を10月5日より開始する。サステナブルな素材を使用した機内サービス品(機内食容器の一部や機用品等)の活用や、CO2排出抑制を目的とした運航オペレーション等の取り組みを展開する。

これらの施策は、実現可能性や利用者の評価により、その他の機材や路線へ拡大する予定。

合計2機の運航を予定し、1機目は、10月5日の羽田―サンフランシスコ路線の定期便から運航を開始。2機目は11月に国内線に投入される。

羽田空港の格納庫で実施している「ANA Blue Hangar Tour」では、特別企画として「ANA Green Jet見学ツアー」を発売開始(先着受付)する。

ANA Green Jetでは、環境の概念を表現する「水と緑」をモチーフとしたデザインのボーイング787型機を2機運航(国内線:JA874A、国際線:JA871A)。

特別デザイン機

CO2排出量削減に向け、第一弾の施策として「サメ肌効果」が期待される特殊加工「リブレット」技術をニコンの協力のもと機体表面に導入。機体の空気抵抗を低減することでCO2排出量削減と本技術の耐久性等を検証する。

ニコンの「リブレット」技術が機体に施される

機内サービスについては、東レと青森県発のベンチャー企業appcycleがそれぞれ開発したヴィーガンレザーを使用したヘッドレストカバーを導入。

左がappcycle製、右が東レ製のヘッドレストカバー

東レが開発したヘッドレストカバーには、100%植物由来PETやリサイクルPETを原料の一部に使用したUltrasuede nuを使用。Ultrasuede nuは、Ultrasuedeを基材とし、表面に特殊な樹脂加工を施した銀面調人工皮革。基材表面部分の極細繊維にUltrasuedeとして初めて100%植物由来ポリエステルを使用している。また、不織布構造内部には約30%植物由来のポリウレタン、スクリムと呼ばれる補強布には約30%植物由来のポリエステルを使用し、植物由来比率を世界最高水準に高めた。

appcycleのヘッドレストカバーには青森県産のりんごで作ったジュースの搾りかすを使用することで地域創生への貢献も目指す。