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札幌駅直結 43階複合施設、28年度竣工。交通結節機能やマリオット

開発が進められる札幌駅直結の大型施設について、整備方針が公表された。地上43階、地下4階、高さ245mの複合施設が建設される。着工は2023年度、竣工は2028年度を予定。

JR北海道、札幌駅総合開発、ジェイ・アール北海道バス、JR北海道ホテルズが、札幌市と共同で推進している「(仮称)北5西1・西2地区市街地再開発事業」。

JR北海道グループが運営する2023年夏に閉店予定の商業施設「エスタ」解体後の跡地、および札幌市が保有する用地を一体とした、2ha超の駅前施設を活用し、北海道新幹線札幌駅開業や、2030年の札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致を見据えた「世界へつながる“さっぽろ”の新たな顔づくり」実現を目指す。

主要用途は、展望施設、国際水準ホテル、オフィス、宿泊主体ホテル、商業、その他共用部等。延床面積は約388,500m2

計画では、新幹線駅直結施設としての立地特性を生かし、複数の交通モード連携とおもてなし空間の提供による、北海道・札幌の魅力を発信する交流拠点となることを目指す。また、公共交通の利用促進を念頭にしたまちづくりにより、歩行者にやさしい持続可能な社会実現への貢献を図る。

具体的には、3つのアトリウムを整備。新幹線駅改札直結空間で北海道の魅力発信を行なう「新幹線アトリウム(仮称)」、札幌駅南口駅前広場と建物内の賑わいをつなげる「駅前広場アトリウム(仮称)」、主にバスターミナル利用者のための道路上空待合スペース「バスターミナル待合アトリウム(仮称)」を計画する。そのほか、歩行者ネットワークや新幹線駅直下への交通広場、公共駐輪場などを整備する。

都市機能としては、ホテル、オフィス、商業施設、展望施設とスカイガーデンを整備する。

ホテルは、マリオット・インターナショナルとの提携による国際水準ホテルを計画するとともに、宿泊主体型ホテルも展開する。フロア・客室数・面積は、国際水準ホテルが35階から40階・約200室・約25,500m2、宿泊主体型ホテルが10階および14階から17階・約300室・約14,000m2

オフィスについては、市内最大規模となる約1,000坪の基準階貸室により、集約効果の高い大規模空間を確保でき、多様なレイアウトに対応可能なオフィス機能を計画する。フロアは10階から12階および18階から33階、面積は約85,500m2

商業施設では、来街者に北海道の魅力を伝える地域資源や食文化の発信、時間滞在型やコト消費型の機能導入を計画する。また、インバウンド対応等の機能を備える。

外観には札幌の市街地を表現する格子状デザインに豊平川のような自然を表すスリットを設け、スリット内部には屋外を見渡せる屋内テラスを設けることで、施設内の賑わいを街からも感じられるようにする。フロアは地下1階から地上10階、面積は約109,000m2

展望施設とスカイガーデンは、施設とまちのシンボルとする狙い。展望施設は41階から43階、地上約240mの高さに設置する。面積は約4,500m2。頂部には天候によらず景色を楽しめるガラスのボックスを配置し、札幌のアイコンとなるような象徴的な施設とする計画。また、中層部屋上に都心のみどりのネットワークにもなる憩いと交流のための緑地空間を整備する。

そのほか、まちレベルの回遊性向上によるエリアの賑わい形成、価値向上を図り、創成東地区をはじめとした周辺エリアと連携。南口広場から創成南地区へつながる歩行者ネットワークを形成する。具体的には、施設内動線の整備、札幌市が計画している創成川通上空の動線との連携を行なう。加えて、札幌市からの要望を受け、創成東地区の交通拠点として新幹線東改札口を設置する。