ニュース

日清の「完全栄養食」を病院で患者に提供。医療機関初

日清食品が研究を進めている「完全栄養食」の患者への試験提供が、祐青会系列の病院において実施された。医療機関で完全栄養食を提供する初めての事例。

日清食品は、「見た目やおいしさはそのままに、カロリーや塩分、糖質、脂質などがコントロールされ、必要な栄養素を全て満たす食」をコンセプトとして、様々な栄養学的見地を参考に、インスタントラーメンなどで培った技術を応用し、独自かつ最先端の食品加工技術を駆使した未来の完全栄養食の研究を進めている。

完全栄養食の普及による、「好きなものを、好きなときに、好きなだけ楽しめる世界」の実現を目指している。

一方で、医療の現場では、高血圧や高血糖などの患者が栄養制限によって食生活に我慢を強いられているとする。祐青会系列の病院の通院患者へのアンケートでは、「栄養素を気にしている」、「普段の生活で避けがちなメニューがある」と考えている患者が一定数いたという。

こういった課題に対し、おいしさと栄養バランスを両立した完全栄養食を医療機関で提供することにより、患者のQOL(Quality of Life)を高められるのではないかという考えから、祐青会系列の病院において試験提供を実施。3月22日から25日までの期間、91名の通院患者に提供した。

その結果、89%が「継続して食べたい」と回答。味については76%が「おいしい」と感じているほか、「普段、食べられないメニューだからうれしい」、「ほかのメニューも気になる」など、食の楽しみを感じられたことへの評価や、完全栄養食に対する期待の声があったという。

祐青会 理事長 兼 尾崎クリニック 院長 木村伸悟医師も、「今回の取り組みについては、患者さまからも好評を得ており、日清食品の完全栄養食は将来的にも通院患者さまのQOL向上につながると期待している」とコメントしている。

日清食品は今回の試験提供をモデルケースとして、より多くの医療機関と連携を図り、病院の“食”からQOLを改善することで、“食”を通した社会貢献を目指す。

日清食品の完全栄養食プロジェクト ビジョンムービー