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アシックス、スマートシューズの歩行データを医療に

医療用としてEVORIDE ORPHEをベースに新規開発する

アシックスとスマートシューズを開発するORPHE、再生医療関連事業のセルソースは、スマートシューズを使った医療分野での共同研究を開始。膝の痛みや歩行困難などで日常生活に支障をきたす恐れのある「変形性膝関節症」の改善に向けた研究を行なう。

セルソースの提携医療機関で再生医療などの治療を行なう変形性膝関節症の患者に、センサーが内蔵されたシューズを履いてもらい、歩容データをアプリケーションにて記録・分析する。シューズは、アシックスとORPHEが共同開発したランニングスマートシューズ「EVORIDE ORPHE」をベースに新規開発するもので、履いて歩くだけで患者のストライドやピッチ、接地の角度や着地衝撃などを計測できる。これにより治療前後の歩き方を比較、定量化し、得られた数値を痛みや機能回復の程度を評価するのに役立てる。

今後は、再生医療などによる治療と歩容データのフィードバックを活用したリハビリを組み合わせた療法の可能性も検討していくほか、将来は医療機関と連携し、予防医療の分野にもつなげていくことを視野に入れている。

変形性膝関節症は、膝のクッションの役割を果たす軟骨が磨り減ることで膝関節に炎症が起きる病気で、日本における患者数は2,530万人と推定される。