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アシックス、スマートシューズで小学生の運動量測定。歩く子は早寝早起き

検証に使用したシューズとセンサ

アシックスは、C Channelが運営するママ向け動画メディア「mamatas(ママタス)」との協力により、スマートシューズで子どもの運動量を測定し、睡眠や食事などの生活習慣との関係を考察する実証実験を実施した。

実証実験では、アシックスが開発を進めているスポーツデータ統合システム「TUNEGRID(チューングリッド)」のコア技術のひとつである小型BLEセンサ「TUNEGRID-Cube」を使用した。TUNEGRID-Cubeの重さは約5g。

TUNEGRIDは、小型センサを内蔵したシューズ、ビデオカメラ、スマートウォッチなどの測定ツールと連携し、それぞれから得たデータを一元管理・分析するもの。スポーツの競技データや日々の運動習慣を分析することで、プレーの特徴や個人の運動量の傾向を可視化し、競技力向上や運動不足解消、怪我の防止などにつなげられるという。

また、子どもや高齢者の見守りサービス、施設や工場内における従業員の労働状況を可視化するワーキングソリューションサービスなどへの応用も見込む。

実証実験では、TUNEGRID-Cubeを片方のベロ部に内蔵したスマートシューズを、被験者の小学生が2カ月程度着用。1日当たりの歩数や時間ごとの運動量といった運動習慣の可視化を行なった。あわせて、起床時間や就寝時間、食欲の有無といった生活習慣に関するアンケートを実施。有効回答を得られた40名の結果について分析した。

TUNEGRID-Cubeによる歩数記録の例

これらの結果から、平均歩数より多く歩いている子どもは、平均歩数以下の子どもと比べ、早寝早起きで寝起きが良く、食欲が旺盛で、外に遊びに行く頻度が高い傾向にあることが判明。また、実証実験前後の比較で歩数が増えた子どもは、就寝時刻が有意に早まったことも確認できたという。日中の運動量が多いことは、生活リズム全体を整えることにつながり、子どもの健康に好影響を与えるものと結論付けている。

「寝起き」に関するアンケート結果
「食欲」に関するアンケート結果
「外遊び」に関するアンケート結果
歩数の増減と就寝時刻の変化について

またアンケートのコメントで、「歩数を稼ぎたいので、親子で公園へ行く機会が増えた」「歩くとセンサが反応するのが面白く、親子で話題になった」などがあったことから、運動量(歩数)の可視化は、子どもの運動へのモチベーション向上、親子のコミュニケーション促進に貢献するとしている。

アシックスでは実証実験の結果を参考に、運動を含む子どもの生活習慣に関するデータを引き続き蓄積していくとともに、デジタル技術を活用した新たなスポーツの楽しみ方を検証し、子どもたちの健康的な生活の実現に向けた新たな製品・サービスの検討を進める。