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紙と電子の出版取次大手が提携、書店にデジタル体験。トーハン×メディアドゥ

メディアドゥ代表取締役社長 CEO 藤田恭嗣氏(中央左)、同取締役副社長 COO 新名新氏(一番左)、トーハン代表取締役社長 近藤敏貴氏(中央右)、同代表取締役副社長 川上浩明氏

メディアドゥとトーハンは、業務資本提携を締結したと発表した。メディアドゥは電子書籍取次の最大手で、トーハンは紙出版物の取次・流通の大手。提携により「書店の紙の出版物を接点に、デジタルコンテンツを活用した全く新しい体験を生みす」と目標を掲げている。

メディアドゥはブロックチェーンの技術を活用し、書店を紙の出版物とデジタルを組み合わせた新しい体験の場にしていく。具体的には、「NFT」を利用し、書店で本を購入したユーザーに数量限定のデジタルコンテンツをNFTのデジタル資産として付与するモデルの実証を行なう。こうした事業は、書店の店頭業務に負担をかけず、全国の書店の店頭フェアやイベントで活用できるとしている。

また、「デジタル教科書やデジタル教材」「電子図書館」についても、全国の書店が流通に参加できるような事業の検討を進める。

このほかメディアドゥの出版マーケティングサービスをさらに多くの出版社が活用できるようにし、トーハンの流通改革との相乗効果で返品状況の改善を目指す取り組みや、メディアドゥとトーハンで販売情報を一元化し統合的なマーケティング情報を出版社と電子を含む書店で共有することも目指す。

なおメディアドゥはトーハンを割当先とした第三者割当増資を実施。トーハンが第三者割当で処分する自己株式をメディアドゥが取得する。